2019年2月1日、入試応援に行ってきました
本日の日付は2019年2月1日、そう、東京及び神奈川における2019年度中学入試の初日です。中学入試と言えば、塾の先生による校門前の「応援」が風物詩のようになっていますが、一家庭教師にすぎない筆者も、1年間苦楽を共にした教え子の応援に行ってまいりました。
筆者が出かけたのは国立市にある男子伝統校の雄・桐朋中学。前日夜半の雪は跡形もなく消え、電車の窓や建物の合間にはくっきりと純白の富士山が。「信仰の対象と芸術の源泉」と謳われた彼の霊山も我が教え子の前途を祝してくれているのか。いやいや、今朝明け方に見た「二十六日の月」と金星の絶妙なコラボだって何かの予兆かもしれぬ。それにしても「冬はつとめて(早朝)」とはよく言ったものよ……。
聴いてもいない誰かに語りつつ歩くこと15分あまり、2年前にリニューアルした清潔感あふれる校舎が眼前に現れました。以前の桐朋の「学園らしい」雰囲気が好きだった筆者ですが、この新しい校舎にも違和感はありません。建物の形や配置にある種の「押しつけがましさ」がなく、新しい時代の新しい生徒に新しい学園の完成を委ねている感じがいかにも桐朋らしい……。おっと、また語ってしまいます。先ほども申し上げましたが、今日は1年間苦楽を共にした教え子の晴れの舞台です。心の昂らないわけがないのです。
誘導の中学生がきびきびしています。受験生の1人1人に声を掛け、保護者の方に深々とお辞儀をされているのは校長先生とのことです。そういえば、大手塾の入試応援がやけに静かです。学校からのご要望なのか塾側が自主規制をかけたのか、どちらにせよ望ましいことです。以前は数の力に物を言わせて我が物顔にふるまう(と見られても仕方のない)塾が2,3あって閉口したものです。
最後に教え子と握手を交わし、短い注意を2つだけ。
注意は具体的でシンプルに、1度にしていい注意は2つまで、
というのが私の考え方です。
考えてみれば中学受験というのはどのお子さんも「成長過程の中で迎えなければならない受験」であるわけで、「あと1か月あれば」という思いは教える者すべてに共通するものではないでしょうか。しかし、そういう「未完成な中でのチャレンジ」だから応援したくなるのが中学受験なのです。他の受験とは全く違います。
「先生は精一杯教えたけど、すべては教えきれなかった。君は今持っているものを出し切って、どんな形でもいい、合格してほしい。そのあとはこの学校が、きっと君を大きくしてくれるはずだ」
家ではそんな言葉を、考えていなかったわけでもないのですが、それを照れずに言うのは、おそらく一生かけても無理なのだと思います。