栄東中学校の学校説明会に参加してきました。栄東と言えば、10年連続で志願者数が1万人を超える人気の進学校です。AL(アクティブラーニング)の取り組みなど、栄東の魅力をお伝えしていきます。ぜひご覧ください!
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学校情報
JR線東大宮駅西口より徒歩約8分の場所にあります。東大宮駅は湘南新宿ラインが通っており、池袋駅から約30分、横浜駅から約1時間と利便性が良く、遠方から通っている生徒が多いことが特徴です。生徒の約6割が神奈川・東京から、約4割が埼玉から通っており、中には千葉や群馬から通学している生徒もいるとのことです(辻堂や那須塩原からお通いの生徒さんもいることには、とても驚きました)。栄東は放課後学習などのサポート体制も充実しており、”勉強は学校にお任せ”できる体制が整っています。学校で勉強を完結させ、通塾の負担が減らせることは、遠距離通学の家庭にとっても非常に魅力的ですね。
男女比は大体6:4で、男女仲良く学校生活を送っています。 部活動の参加は任意ですが、加入率はなんと99.9%!クイズ研究部をはじめ、全国レベルで活躍している部活動も多いです。鉄道研究部はNゲージの制作をしている他、ピアノなどの楽器で全国の駅メロの再現もしているなど、活動内容は非常にユニークです。
AL(アクティブラーニング)
栄東では、生徒の可能性を最大限に引き出すという目的で、中学校1年生からすべての教育プログラムにALを組み込んでいます。
ALとは、一方的な講義式の授業ではなく、グループワークやディスカッション、プレゼンテーションを通してコミュニケーション能力や思考力、表現力を養っていく学習方法を指しています。
栄東のALは科目授業にとどまらず、総合的な時間、行事、部活などすべての活動に及びます。学校での活動すべてが生徒の興味関心を引き出すプログラムとなっていることは、非常に興味深いですね。
説明会では、英語科の先生でもある田中校長先生より、校長先生ご自身がメインスピーカーをされた、中学1年生の英語ALの様子が紹介されました。授業では、生徒自身が英語でプレゼンをしたり、生徒がネイティブの先生に英語で質問したりと、英語での対話が活発に行われていました。時には、国語など他教科の先生も英語ALに参加して、英語で質疑応答をすることもあります。
英語ALの狙いは、単語や文法といった基本基礎をベースに、物理や化学など他の教科で学んだ知識を活用し、他人と意見を交えながら英語で自分の考えを発信していくことにあります。英語以外の教科で身に付けた引き出しをうまく使いながら、知識を知恵に変えていく。そしてその知恵を自らの言葉で発信していく。田中校長先生が仰る”英語の授業であって、英語の授業ではない”という言葉の通り、栄東の特徴でもある教科横断的な授業の様子を見ることができました。
他にも、中学生の地理の授業では、地理・化学・物理の先生が合同で授業を行うこともあるそうです。
また栄東では、通常の授業だけではなく、部活動や行事もALの一環と位置付けられています。部活動は、自分の興味や好きなことを突き詰める中で、将来自分が何をしたいか考えることができる貴重な場なので、初心者であってもぜひ関心を持ったことにチャレンジしてほしいとのことです。
文化祭では、ミュージカルの上演も行われています。企画や脚本、衣装などをすべて生徒主体で進める中で、仲間と協力し、考えながら1つの物を創り上げる経験はきっと一生の思い出になることでしょう。
ALは校内にとどまりません。校外ALとして、中学1年生は河口湖AL、中学2年生は京都AL、中学3年生はオーストラリアAL、高校1年生は信州AL、高2はアメリカALを行います。友人たちと寝食を共にして絆を深めると共に、自分たちの目で見て身体で感じることで学びを深めることができます。
最近では学外での個人の活躍も目覚ましく、最年少15歳(中3)で行政書士に合格した生徒もいます。
クラス・コース編成
中学生は、東大クラスと難関大クラスの2コースに分かれています。
高校1年生は東大クラスが東大コース、難関大クラスが難関大コースとなります。
高校2年生から文理医別のコースに分かれ、希望する進路ごとに東大や医学部、最難関大への合格を目指します。
中学生の東大クラスと難関大クラスでは、授業の進度と教材は共通です。東大クラスの方がより深い内容を扱っていきます。進度や教材が同じなのは、栄東では中学入学後の頑張りも評価しているからです。難関大クラスで入学した場合でも、努力を重ねて東大クラスに移動する生徒もいます。学年によっては、東大クラスが入学時点より1クラス増えることもあるそうです。
大学合格実績
2人に1人の割合で東大をはじめとする国公立大学に合格するなど、高い合格実績を誇っています。
東京理科大の合格者数は全国1位、医学部医学科の合格者数も全国トップレベルです。
中学入試
中学入試(帰国生入試除く)は、A日程・東大特待Ⅰ・B日程・東大Ⅱの4回実施されます。
全日程で合格発表の際に得点が開示されます。各回、全科目の合計得点での総合判定となります。
【A日程】は、難関大クラスへの合格がメインの入試ですが、東大クラス・東大クラス特待生へのスライド合格も実施しています。【東大特待Ⅰ】は、東大クラス特待生のみを選抜する、各模試でも非常に高い偏差値を誇る入試です。東大特待Ⅰのみ、試験科目が4科目または算数1科の選択制となっています。また、栄東を複数回受験する場合には、【B日程】で加点措置があります。【東大Ⅱ】は、東大クラス合格をメインに、東大クラス特待生の合格も出す試験です。
A日程とB日程は、基本的な問題を中心に出題されます。小さなミスが命取りとなるため、落ち着いて臨むことが大切です。東大特待Ⅰと東大Ⅱは、記述などの形式で応用力・思考力を試される入試です。記述問題では、答えまで至らなくても途中過程を見て加点がされますので、諦めず粘り強く取り組むことが重要です。
まとめ
説明会では、田中校長先生のお話などから、栄東の活気あふれるの様子が伺えました。
また栄東は、ALを通して広い視野を養い、大学進学やその先を見据えて自分の将来を自分で切り開くことができる力、すなわち「生きる力」を育むことができる学校であることが良く伝わってきました。
文理の枠を越えた教科横断的な授業を通して、生徒たちは各教科で学んできた知識を融合させながら、教科書にとどまらない深い理解と新たな気付きを得ることができるはずです。
学校生活のすべてがALの一環で、興味があることに積極的にチャレンジできる環境であること。その過程でのびのびと成長していける学校であることが、栄東の特徴であり大きな魅力であると感じました。