6年生の二学期からは、総合力、実戦力を高める学習に加え、個人の志望校に特化した対策が必要になってきます。
どの学校にも出題傾向というものがありますから、そこを徹底的に研究して偏差値プラスアルファの力を身につけるのです。
しかし、ここが集団塾の厳しいところで、たとえば1クラスの人数が15名として、のべ50校以上の受験をするわけですから、お子さん一人ひとりに対する丁寧な指導など望むべくもありません。
「めんどうみ主義」を標榜する市進学院でも、そのあたりの事情は変わりません。
近年の合格実績をみる限りではむしろ弱くなっているのかもしれません。
こと志望校対策に関しては、塾に任せきりにせず、ご家庭で何らかの方法を考えてお子さんをフォローしてあげる必要があるのです。
他塾の模擬試験を活用する
市進学院では、「模擬試験は市進の定例と首都圏統一模試で十分」という指導がされていると思いますが、それを鵜呑みにしてはいけません。
確かに「首都圏統一模試」は問題が基本的で、偏差値も高めに出ますから、基本事項の確認をしたり、自信をつけさせたりするのには役立ちます。
しかし、模擬試験の利用目的はそれだけではありません。
市進学院の中位以上に位置するお子さんなら、「四谷合不合判定テスト」や「日能研全国実力模試」、「合格判定サピックスオープン」のどれかを併用し、積極的に他流試合の経験を積むべきです。
応用力、記述力、普段とは違う形式や問いの切り口、いつもよりレベルの高い母集団、そういったものにも慣れていく必要があるのです。
とはいえ、貴重な日曜、祝日を模擬試験にばかり費やすわけにもいきません。
目安としては9~12月に月2回のペースで受けていくのが理想でしょう。
そのために首都圏統一模試を削ることになっても、これといったマイナスはありません。
御三家レベルの学校を志望されている場合は、
「四谷大塚・学校別判定テスト」「学校別サピックスオープン」のどちらか、
または両方を必ず受けてください。
市進学院の先生は反対されるかもしれませんが、本番の試験でそれらの模試と同系統の問題が出たときのことを考えてみてください。
御三家レベルの受験生なら、数ヶ月前の模試に出た問題は覚えています。
その問題を経験していなかったためにお子さんが不利を被ることになっても、先生が責任をとってくれるわけではありません。
同じことは早稲田・慶応系の学校を志望されているお子さんにも言えます。
前述の2つの学校別テストに加え、早稲田アカデミーの「NN学校別オープン」が非常に良いテストです。
市進学院は、はっきり申し上げて早慶系にはかなり弱いので、合格のために利用できるものは塾に関係なく利用して補っていくべきです。
「細切れの時間」を活用して「まとめ教材」を仕上げる
「細切れの時間の活用」を心がけましょう。
「細切れの時間」とは、朝早く起きたとき、塾に行くまでの電車の中、晩御飯ができるまで、あるいはお風呂が沸くまでの10分程度の時間のことです。
1回1回は短いですが、トータルすれば何十時間もの時間になります。
こういう時間を活用できたかどうかで大きな差が生まれてしまうものです。
そのために、各教科とも1冊ずつの「まとめ教材」を用意しましょう。
算数を例にとるなら、「応用自在・計算問題の特訓」「四谷大塚・4科のまとめ」「旺文社・出る順文章題/出る順図形」「東京出版・プラスワン問題集/ステップアップ演習」などの中から自分の得意不得意や志望校に合わせて1冊を選び、進めていくのです。
夏休み頃からスタートして、受験100日前にあたる10月下旬くらいに1冊を仕上げられれば理想的です。
次は同じ問題集のできなかった問題だけをもう一度解いておくと効果はさらに上がります。
過去問演習を徹底的に行う
志望校対策として必要不可欠なものは「過去問演習」です。
過去問演習には次のような効果が期待できます。
- 出題傾向(何が出るのか)、出題レベル(どこまで出るのか)、そして出題形式(どのように出るのか)を知ることで、家庭学習の方針が立てやすくなる。
- 定例試験や模擬試験の偏差値ではわからない「学校との相性」を知ることができる。
志望校の選定やその組み合わせを考えるときの貴重なデータになる。 - 時間配分、問題の取捨選択など臨機応変に対応すべきことの訓練になる。
- 過去の入試データ(平均点や合格最低点)と比べながら、現在の自分の立ち位置を知ることができる。
「あと○○点!」という目標が見えることで姿勢がより前向きになる。
他にもたくさんあると思いますが、とにかく過去問演習なしに合格はないものとお考えください。
解くべき過去問の量は、第1志望が10回(1次のみの学校は10年分、2次まである学校なら5年分になります)以上、第2、第3志望は5回以上というのが基本です。
ただ、それが絶対というわけではなく、たとえば第1志望の学校の偏差値とお子さんの偏差値に大きな差がある場合には、むしろ第2志望以下の学校を手厚くする必要があるでしょう。
また、問題さえ手に入るのなら、15回くらい前のところからお子さんの成績の伸びを待ちつつゆっくり進めていくという方法もあります。
塾からの指示はそのあたりがどうしても画一的になりますから、ご家庭の方でお子さんに最適な進め方を工夫してみてください。
次に具体的な実施の方法です。
- 制限時間は厳守する。やりきれなかった部分は一度採点した後で実施し、得点には含めない。
- 解答用紙はB4程度に大きくコピーして使う。もし説明会等で手に入れた問題の「実物」があればそのコピーを使う。
- 意識して本番に近い状況を作り出す。実施する時間帯はできるだけ午前に設定し、昼までに4科連続(もし本番の順番がわかっていたらその通りに)でやってしまう。
「お菓子飲み物付き」はもちろん、1つの教科が終わるまでは「トイレ休憩」も禁止。 - その意味でも、「個室でひとりきり」という状況は避ける。
お子さんはよく片付けたキッチンのテーブルに向かい、お母様は少し離れたソファーで本を読んでいるくらいの感じが適当。
実施後の採点はご両親がなさるべきです。
解き直しのときにも傍にいて、ただ解答例の丸写しになっていないかどうかを確認してください。
「解説を読んだら理解できた」とお子さんが言っても、必ずノートに再現するようにさせてください。
理解できなかったものは塾に持っていって、担当の先生に対応してもらいましょう。
知識事項は「まとめノート」に集約し、テスト前など折に触れて見直しておくと自然に身につくようになります。
ある特定の分野の問題がまったく解けなかった場合は、その後1週間以内に必ず補強するようにしてください。
時を置くと忘れてしまいます。
担当の先生に「何を、どれだけ、どのようにやるのか」を具体的に指示してもらいましょう。
家庭教師の必要性
冒頭に申し上げたように、志望校に特化した対策、特に過去問演習はお子さんに偏差値プラスアルファの力を与えてくれるものです。
しかし、その演習がきちんと行われなかったために受験そのものが失敗してしまった例は少なくないのです。
ここまでにご紹介した志望校対策をより効果的に進めていくには、やはりプロ家庭教師の力を利用するのが一番です。
プロ家庭教師を利用するメリットを以下にご紹介いたします。
- お子さんに合わせた効果的な過去問実施計画を作ることができる。
志望校の変更や志望順位の変更にも即時対応ができる。 - 過去問題集の解答例(中にはかなり危ないものもあります)のみにとらわれない正確な採点ができる。
答案の内容から理解度を測ることもできる。 - 過去問題集の不親切な解説、詳しすぎる解説に頼らず、お子さんが理解しやすい説明をすることができる。
- 発見された弱点に対し、その場で的確な対策が打てる。
- 過去問演習の結果や経過に、お子さんの性格や伸び加減、問題との相性など、模試だけではわからない要素を加えて合格可能性を導き出すことができる。
代々木進学会には過去に多くの合格者を送り出した実力派のプロ家庭教師がたくさん所属しています。
志望校対策に不安をお感じの場合はぜひ代々木進学会までご連絡ください。
もちろん早いに越したことはありませんが、受験1か月前、2か月前のご相談にもしっかり対応いたします。