※国立高や開成など、5教科受験を行う国私立高の理・社については、それぞれの難関国私立高対策のページをご覧ください。ここでは、おもに公立高の理・社を念頭に話を進めてまいります。
A.最後にもうひと伸びするような意識で学習
公立高入試においては、原則どの都道府県も英・数・国・理・社5教科の配点は同じである。「どうしても数学が…」「国語が…」という受験生にとって、理科と社会の占める比重は非常に大きいものがある。
また、受験間際のいわゆる「追い込み」の時期に他の受験生が頑張るのはやはり理科と社会である。
秋の模擬テストの段階と2月の受験期を比べると、ライバルたちの学力が桁違いに伸びているということも起こりかねない。
そうした意味で理科・社会は、先行してつけた力を維持しつつ、最後にもうひと伸びするような意識で学習するのが望ましい科目なのである。
B.学習のペースメーカーになるのは学校の定期テスト
学習のペースメーカーになるのは学校の定期テストである。
中1の初めから、定期テストが近づくたびにその範囲を総復習する。これは教科書準拠の問題集でかまわない。
そして夏休み、冬休み、春休みという節目ごとにも受験問題も絡めた問題集で応用力アップを目指すのが、基本的スタンスだろう。
教科書準拠の問題集は何でも構わないが、最低2種類用意するのがお勧めだ。
どの出版社の教科書に準拠しているのかを確かめてから購入しよう。一方、休み期間の学習は、
を用いるといいだろう。
参考書の『くわしい理科・くわしい社会』とセットになっている問題集で、両方用意しておけば分からないことは自分で調べながら進めることができる。
中1、中2の学習はあくまでも「満遍なく」であるが、先々の入試のことを考えれば、理科は特に実験問題、計算問題に強くなってほしい。
中でも表やグラフが絡む問題は入試でも正答率が落ちる。
例えば中1の「光合成」、「溶解度」、中2の「酸化・還元」、「電気」などはその原理から代表的な実験例まで確実に押さえておかなければならない。
C.受験対策を始めるのは他教科と同じ中3の夏から
まず『全国高校入試問題正解』(旺文社)を使って公立高の問題を5つ6つ解いてみよう。自分の苦手な範囲がよく分かるはずだ。
理科は特に分野ごとの得意不得意がはっきりしやすい科目だから、そうしてあぶりだされた弱点は、『でる順理科』(旺文社)など公立高の問題で構成された問題集を使って確実につぶしておくようにしたい。
夏休み段階ではまだ終わっていない範囲もあるので、過去問に深入りする必要はない。
社会の「日本国憲法」「三権分立」、理科の「運動とエネルギー」が終わった11月頃から本格化しても十分間に合うはずだ。
最後の3ヶ月は過去問をやる→出来なかった範囲を単元別の問題集で手当てする。
そのとき発見した弱点はノートにまとめて、常に確認する。こうしたパターンを繰り返していこう。
また、理科・社会の知識をまとめたポケットサイズの冊子を活用し、暗記に努めよう。
その際注意することは、くわしくなりすぎないことである。
例えば歴史の年号で、確実に覚えなければならないものは数十個にすぎない。
効率という点も考えてむだのない時間の使い方を心がけよう。