東京農業大学第一高等学校中等部 2024学校説明会レポート

東京農業大学第一高等学校中等部の学校説明会に出席してきました。
2025年度より高校募集を停止し、完全中高一貫校となります。
それに伴う中等部入試の変更点についても詳しくご紹介いたします。
ぜひご覧ください!

今からでも農大一中に間に合います!
農大一中に合格した生徒さんの合格体験記はこちら>>>

目次

校長先生より

幸田校長先生からお話がありました。

農大一中では、「知耕実学」という教育理念を掲げています。
「実学」とは本物に触れることであり、そうすることで知識を蓄えて学びを深めていくことにつながります。

本物に触れることで「なぜ?どうして?」「おもしろい!」と五感で感じ取り、そこから仮説を立てて実験をし、考察するという体験をしてほしいというのが学校のねらいです。
こういったことは授業だけでなく委員会や学校行事を通しても体験することができるため、学校生活の中で理論と実践を繰り返して本物の学力と人間性、社会性を養うことを目指しています。

そして、この「実学」をさらに充実させるために新校舎の建設を進めています。
2023年には芸術棟が完成し、2026年には理科棟が完成予定です。理科棟のサイエンスストリートには生徒の作品を展示するスペースを作る計画をしています。

農大一中では「共創し、新たなステージへ」というスローガンも大切にしています。
このスローガンは生徒にも浸透しており、たとえば文化祭では学年を問わず生徒が団結しました。
スケジュールや企画内容を決めたり、先生たちへの説明や質疑応答を行ったりなど、生徒が一から文化祭を作り上げました。
このように、「共に創る」ことに学校全体で取り組んでいます。

2024年度中等部入試結果

【第1回 2月1日PM】
応募者1031名 受験者963名 合格者422名  倍率2.3倍

①受験者平均点 ②合格者平均点 ③合格者最低点
算数:①71.1点 ②84.4点 ③54点
理科:①57.7点 ②68.4点 ③47点
国語:①60.6点 ②70.7点 ③43点

算理:①132.4点 ②155.1点 ③140点
算国:①127.8点 ②152.5点 ③137点

算理・算国のいずれかを選択して受験。(各教科100点満点・算数は共通問題)
受験者比率と※算数の点数を考慮して算理・算国それぞれの合格基準点が定められ、合格者が選抜される。
※算理選択者のほうが算数の得点が高くなる傾向にあるため
どちらを選ぶかで有利・不利の差が生じるわけではないので、過去問を見たうえで得意なほうを選択して問題ない。

【第2回 2月2日PM】
応募者1014名 受験者651名 合格者171名  倍率3.8倍

①受験者平均点 ②合格者平均点 ③合格者最低点
算数:①109.0点 ②132.9点 ③111点
理科:①62.3点 ②75.3点 ③60点
国語:①57.4点 ②68.8点 ③52点

算理:①175.1点 ②209.3点 ③195点
算国:①161.9点 ②200.4点 ③187点

第1回同様、算理・算国のいずれかを選択して受験。(算数150点満点、理科・国語各100点満点、算数は共通問題)
受験者比率と算数の点数を考慮して算理・算国それぞれの合格点が定められ、合格者が選抜される。

【第3回 2月4日AM】
応募者643名 受験者318名 合格者40名  倍率8.0倍

①受験者平均点 ②合格者平均点 ③合格者最低点
算数:①47.8点 ②65.1点 ③45点
国語:①50.9点 ②65.2点 ③41点
理科:①63.4点 ②74.5点 ③60点
社会:①58.6点 ②69.7点 ③48点

4科合計:①220.7点 ②274.3点 ③259点

4科の合計点で合格者を選抜。(各100点満点)

【併願校】
例年、最寄り駅が同じことから鷗友学園女子中学校との併願が最多。
今年度は男子の受験者の増加に伴い、駒場東邦中学校早稲田中学校麻布中学校などの男子校との併願が増えた。

2025年度中等部入試

高校募集停止に伴い、募集定員を昨年度の175名から約200名に増員
また、東京農業大学の設置校である稲花小学校の卒業生約70名も農大一中に入学します。
稲花小の卒業生と農大一中の合格者、合わせて250名強が同じ学年で学校生活を送ることになります。

【第1回 2月1日AM
試験科目:4科(国語・算数各100点満点、理科・社会各80点満点)
定員:約40名
志望度が高く、総合的な力を持ち学校の中心となって活躍する生徒を求める。

国語は、これまでの2月4日AM入試を踏襲。
漢字・説明文または随筆・物語文の3問構成。各文章の文字数は4000字程度。
従来の2月4日AM入試では60~70字の記述が出されていたが、2025年度の2月1日AM入試では40字程度の記述問題が出題される。

算数はこれまでの2月1日PM入試を踏襲。
5~6問構成。答えのみ答案用紙に解答する形式だが、グラフ記入問題が含まれる。
基本的な問題を素早く処理する能力が求められるため、基礎を定着させて臨む必要あり。

理科もこれまでの2月1日PM入試を踏襲。
物理・化学・生物・地学を1題ずつ出題。ほぼ均等に出題されるので、バランスよく勉強しておくことが重要となる。
実験考察問題における表・グラフの読み取り問題や、記述問題も出題される。

社会については、理科と合わせて出題されていた2020年度までの過去問を参照するとよい。
地理・歴史・公民から均等に出題され、地理・歴史においては1行程度の記述問題も出される。過去問を参考に練習しておくこと。

【第2回 2月1日PM】
試験科目:算数・国語 または 算数・理科(各100点満点、算数は共通問題)
定員:約85名
※受験科目は出願時に選択

国語は例年通り、漢字・説明文・随筆の3問構成。各文章の文字数は4000字程度。
文章内容の難易度が高いため、新書などに触れておく必要がある。

算数も出題内容は例年通りだが、全体的な難易度が上がる。算数を得意とする場合はここで差をつけたい。問題数に変更はない。

理科は変更なし。各分野をバランスよく勉強しておくこと。

【第3回 2月2日PM】
試験科目:算数・国語 または 算数・理科(算数150点満点、国語・理科各100点満点、算数は共通問題)
定員:約60名
※受験科目は出願時に選択

国語は例年通り、漢字・説明文・随筆の3問構成。各文章の文字数は4000字程度。
文章内容の難易度が高いため、新書などに触れておく必要がある。
記述対策もしっかりしておくこと。

算数も出題内容や難易度は例年通りだが、時間に余裕のある生徒が増えてきたため問題数を増やす。
じっくり考えないと正解できない問題も出されるため、過去問での対策が必要となる。

理科は変更なし。各分野をバランスよく勉強しておくこと。

【第4回 2月4日AM】
試験科目:4科(各100点満点)
定員:約15名

国語は例年通り、漢字・説明文または随筆・物語文の3問構成。各文章の文字数は4000字程度。記述問題も出題される。

算数も例年通り。一部記述式の解答となり、途中式も採点される。
自分の考えを正しく表現できるよう、練習しておくこと。

理科も例年通りだが、記述やグラフ作図問題が出されるため過去問で対策しておく必要がある。

社会も例年通り。
地理・歴史・公民から均等に出題されるが、公民において記述問題がやや多めに出される。
地理・歴史の基礎知識をしっかりと身につけたうえで、記述問題の対策に取り組むこと。

【合格者数・特待生について】
2月1日AMは定員40名に対し、約60名の合格が見込まれる。
2月1日PMは400~450名、2月2日PMは150~180名と例年と同数程度。
2月4日AMは定員が15名に減るため、20~25名の合格が見込まれる。

各回において、85%以上の得点を目安として特待生合格が出される。
対象者には1年間の授業料相当が支給される。
2年次以降は、1年次の成績等により決定される。

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大学合格実績

国公立・難関私立大学の合格者は計672名と、過去最高実績となりました。
そのうち81名が国公立、191名が早慶上理、400名がGMARCHに合格しています。

進路指導として、さまざまなプログラムが用意されています。
まずは進路ガイダンスです。医学部・併設校のように希望進路別に行っています。
また、「大学生を囲む会」や「卒業生を囲む会」などを通して、生徒たちが刺激を受けながら自分の夢を追えるよう後押しをしています。

農大一高の生徒は約5%が東京農業大学へ内部進学し、約95%が他大学を受験します。東京農業大学を確保しながら他大学を受験できる制度もあるので安心です。

現役進学率は2~3年前までは75%ほどでしたが、今では約80%に上がっています。
系統別で見ると、2024年度は文系:理系=47.7%:52.3%となっています。
例年、理系のほうがやや多いようです。

昨年度からは、OB・OGがチューターとして放課後に在校生の相談に乗っています。
在校生は参考書やモチベーションなどについてアドバイスを受け、受験に臨みます。

教育内容

農大一中では「リベラルアーツ」「探究・研究」「国際教育」に力を入れています。

【リベラルアーツ】
中1~高3を対象に「一中一高ゼミ」が開講されます。
教科横断・学年縦断型のゼミで教科学習だけでなく、教養を深めることができます。
このゼミはさまざまな種類のものが数多く開かれ、中には生徒がテーマを発案したものもあるそうです。
対象学年であれば自由に出席することができ、約500名の生徒がいずれかのゼミに出席しています。

5月にはチェリストの伊藤悠貴さんの講演会が開かれ、約70名の生徒が参加しました。
チェロの演奏はもちろん、イギリス留学や英語についてもお話があり、生徒たちは積極的に質問もしていたそうです。

【探究・研究】
中1で関心のある事柄を広げ、徐々に研究テーマを絞っていきます。その中から中2でテーマを一つに決め、調査を始めます。

調査の際には、データを取るために企業や大学に行くこともあります。単に本やインターネットで調べるのではなく、自身の手で実験をしてデータ計測やグラフ作成を行います。
そうした調査で得られた結果をまとめ、中3で発表します。

【国際教育】
海外修学旅行や海外語学研修、留学制度を通じて国外の人々との交流をすることもできます。
長期留学では、東京農業大学国際センターが協定を結んでいる44校から留学先を選ぶことができるのも魅力です。
留学といえばアメリカやヨーロッパが浮かぶかもしれませんが、協定校にはアジアやアフリカなどの農業と関連のある国・地域も多く含まれます。
これは東京農業大学との連携ならではと言えるでしょう。

まとめ

「知耕実学」を教育理念として掲げ、本物に触れる経験をたくさん積める学校です。
ただ知識を詰め込むのではなく、得た知識を深めて自分のものにできるので、幅広い物事を目にして自身の手で取り組んでみたいという方にぴったりです。

また、大学受験の準備も万全です。目標に向けて努力しつつ、人間性にも深みが出るような、充実した6年間を過ごせるでしょう。
校内見学は事前予約が不要ですので、ぜひ足を運んでみてください!

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