鷗友学園女子中学校の学校説明会に出席してきました。
「慈愛と誠実と創造」を校訓とし、これからの時代で新たな価値を生み出すことのできる「鷗友スピリット」を持つ生徒を育てている学校です。
中学入試や教育内容について詳しくご紹介いたします。ぜひご覧ください!
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校長先生より
2024年度より就任された柏校長先生からお話がありました。
ご自身も高校からの鷗友卒業生だそうです。
鷗友学園の創立には市川源三と石川志づの二人が大きく関わっています。
市川源三は、良妻賢母が当たり前だった時代に女子教育を推進し、社会で活躍できる人物を育成しました。
そのあとを継いだ石川志づは、幼少期から世界に目を向けることを重視した国際理解教育を行いました。
また、彼女がキリスト教精神に基づいた教育を行っていたことから、鷗友では聖書を学ぶ授業が設けられています。
現代は先が見通しにくいVUCA時代だと言われます。
将来、既存の価値観が通用しなくなったときに新たな価値を生み出せるよう、生徒の芯となる「鷗友スピリット」を身につけられるような教育をしていきます。
そして、自分のやりたいことを見つけ、それを周りに押し付けずに協力して新しいものを生み出せる「タフで愛ある人」を育てます。
そんな鷗友の卒業生には、実際に世界で活躍している人もいます。中3の「現代社会」の授業をきっかけに夢を見つける人が多いです。
2024年度中学入試結果
◇入試結果◇
前年度の入学手続率を考慮し、第2回の合格者は多めに出された。
入学者は256名となった。
◇得点◇
第1回と第2回の入試の難易度は同程度だが、例年平均点には20~30点の差が見られる。
その要因として、第1回から第2回にかけて大きく点数を上げる受験生が多いことが挙げられる。
割合を見ると、第2回受験者のうち52%が再チャレンジをし、合格者138名のうち49%が再チャレンジでの合格となっている。
再チャレンジにおける合格者平均点は第1回233.3点に対し、第2回290.1点と、56.8点も上昇している。
チャンスは十分にあるので、過去問対策をしっかりとしたうえで2回とも受験するのがおすすめ。
◇併願校◇
2022年度は合格者のうち21%が、2023年度は29%が辞退している。
2023年度に比べ、2024年度は24%と辞退者数は少し落ち着いたが、第1回の辞退者が予想よりも多かったとのこと。
第1回では例年豊島岡女子学園中学校との併願が多いが、2024年度は洗足学園中学校が急増。
第2回では例年女子学院中学校・洗足学園中学校との併願が多い。
合否の分かれた問題
第2回 大問5 図形の比
得点率:合格者68.1 不合格者45.4
鷗友定番の平行線と線分比の問題だが、三角形が出題されたため、過去問で平行四辺形に慣れすぎた受験生は混乱したと考えられる。
テキストや問題集の定番問題を徹底し、基本を定着させておくことが大切。
また、出された問題に対し、自分で筋道を立てて考える力が必要となる。
第2回 大問2 問3 複数テキスト問題
得点率:合格者83.3 不合格者68.8
大問2の説明文を読み、大問1の小説から具体例を探す問題。
満点答案が多かった一方で、それぞれの文章の主題を読み取れずに0点となった答案も見られた。
思考のプロセスを明確にして読解すること、自分の言葉で論理的に書くことを重視した対策が必要となる。
第1回 大問2 問3 物質の分離・ろ液中の水の重さ
得点率:合格者30.8 不合格者12.3
実験操作の手順が多く、整理しながら解けたかどうかで得点が分かれた。
また、計算結果や解答のプロセスをわかりやすくメモできたかによって、正確性にも差がついた。
第1回 大問2 問5 鎌倉時代の守護の役割
得点率:合格者49.4 不合格者33.5
「守護」という用語は知っていても、説明はできないという受験生が多い。
役割を2つ挙げるという問題で、治安維持について書けている答案は多かったが、御家人をまとめることについて答えられている答案は少なかった。
用語を知識として頭に入れるだけでなく、自分で説明できるようにする必要がある。
★鷗友の社会では、平和と戦争・人権・環境・女性がキーワードとなる。
鷗友では、思考を一つひとつ論理的に組み立てていくことで正解にたどりつくということを重視して問題を作っている。
それを意識して対策をすることで合格に近づくことができるだろう。
2025年度中学入試
2024年度までは大問1のみで小問集合が出題されていたが、今後は問題全体の前半が小問集合(解答のみを採点)、後半が記述式(途中式も採点、部分点あり)となる。小問集合では計算問題だけでなく、一行問題も出題される。
前半・後半の出題割合は1:1
全体の問題数は増えるが、問題構成は変わらない。
計算問題・代数の定番・速さと時間・平面図形・立体図形・場合の数・演算記号・数の規則性・グラフの読み取りと利用から出題される。
【帰国生加点制度】
帰国生のみを対象とする入試は行わない。
しかし、協力校であるため、保護者面談によって点数を定めて入試の点数に加点するという制度を採用。
「海外経験1年以上・帰国3年以内」の原則に当てはまらない場合も利用可能。
例年、学年の約1割が帰国生で、入学後は一般生と同じクラスに所属する。
※詳細は9月以降に学校HPにて公開
教育方針
鷗友では、自律した学習者の育成に力を入れています。
自分の「やりたいこと」のために必要な「やるべきこと」を実行することで「やれること」が増え、また新たな「やりたいこと」や「やるべきこと」が生まれる、というサイクルを大切にしています。
「やるべきこと」に取り組ませ、自走できる生徒を育てています。
たとえば数学では、中1・中2のうちは全員に宿題が課されますが、中3になると定期考査で基準に達しなかった生徒にのみ課されるようになり、高校では宿題提出の義務はなくなります。
学年が上がるにつれて宿題が少なくなっても、それぞれの生徒がすべき勉強に取り組み、頑張るのが当たり前だという空気が自然と生徒たちの間で作られていきます。
鷗友では20年来、オールイングリッシュで授業が行われています。
その環境で勉強することで、英語を英語で理解することに慣れ、共通テストの出題内容の変化にも対応することができます。
中1からたくさん読み、書き、聞き、話すことで、英語をコミュニケーションの道具として身につけます。高校からは、より正しく美しい英語の習得を目指します。
進路指導
国公立志向が高く理系の生徒の9割・文系の生徒の3分の2が国公立大学に進学します。
特に2023年度は、東京大学13名・京都大学3名・一橋大学8名など高い実績を出しています。
高2では、希望の受験方式にかかわらず、全員が志望理由書を書きます。
これは、今までの学校生活を通して自分がどう成長したか、大学で何を学びたいのか、自分が社会にどう貢献できるのかを考える機会となります。
また、外の世界へ飛び出してほしいという思いから、さまざまなプログラムが用意されています。
まず、巣鴨学園や市川学園などと行うDouble Helixや韓国ハナ高校との交換留学などを通して、同世代と交流をします。
そして、OG・大学・企業によるプログラムを通して、人生の先輩から刺激を受けることができます。
これらを経験することで、自分の好き嫌いや得意不得意を知り、鷗友という枠から飛び出して羽ばたく準備をします。
まとめ
勉強はもちろん、自他を大切にするための自己表現法も学ぶことで、ともに頑張る仲間や自分の居場所を見つけることができる学校です。
学力を伸ばすだけでなく、人としても成長したいとお考えの方にぴったりです。
9月には学園祭が催されますので、ぜひ足を運んでみてください。