化学の学習方法
化学は‘ペンキ塗り学習’
家庭教師と一緒に合格を目指すための、化学の学習法についてお話しします。
受験本番までの長期的な化学学習としましては‘ペンキ塗り学習’が効果的です。多少ムラがあってもどんどん先に進み、A問題集⇒B問題集⇒A問題集のように知識を広げ、意図的に時間を空けて繰り返すことで知識の定着を図る、という学習方法です。
覚えることが多く、繰り返し全分野を演習しないと知識が合格ラインまで定着するのは難しいので、家庭教師と相談しながら学習計画を立てていくことがとても重要になります。
習熟度別の学習法
次に、化学の学習法を習熟度別に紹介します。今までに化学に費やしてきた時間や学校の進捗具合を考慮して、習熟度を下記3つのタイプに分け、より具体的な学習法をお話します。
- タイプA・・・校内テスト対策程度で、化学にはほとんど手をつけられていない
- タイプB・・・まだ未習分野があるが、既習分野の基礎はできている
- タイプC・・・一通り学習が終了し、標準問題はマスターしている
それでは具体的な学習法をお話します。
タイプA受験生のテーマは【基礎力】
導入段階では、イラストなどが多く、薄くて口語で解説されているタイプの参考書が理解しやすいと思います。本屋で色々とパラパラ見ながら自分が読みやすそうな参考書1冊を購入するといいでしょう。
同時に学校教科書を精読し、校内テスト対策に注力して副教材の『セミナー化学』(第一学習社)、『リードα』(数研出版)などにじっくり取り組みましょう。そして、分からない問題は遠慮なく家庭教師に質問しましょう。
化学の副教材は、これだけでも完璧になるまで繰り返すと、いわゆる中堅大学までは十分に対応できる化学力が身につきます。本番まで最低3周はしたいところです。
タイプB受験生のテーマは【全分野の標準力】
このタイプの多くは有機化学分野などにまだ手を付けられていない時期かと思います。まずは未習分野の基礎を身につけましょう。その際は多少荒い学習でも全く構いません。冒頭で述べたように、化学などの暗記的要素も多い科目は‘ペンキ塗り作戦’で薄く荒く塗った後、何度も塗り直していく学習方法が効果的です。
有機分野の構造決定などは、独学だと壁にぶつかることもあるので、家庭教師に質問しながら進めると効率よく学習できます。また、未習分野の予習と学校の既習分野の定期テスト対策のバランスなどは家庭教師のアドバイスを活かしましょう。
有機化学には、照井駿の『有機化学の最重点 照井式解法カード』(Gakken)などが非常に分かりやすいと思います。
また、参考書としては戸嶋直樹・瀬川浩司の『理解しやすい化学基礎』『理解しやすい化学+化学基礎』(文英堂)のような一通り網羅している参考書から、家庭教師のアドバイスなどを参考に自分に合った1冊を手元に置いておくといいでしょう。
タイプC受験生のテーマは【実践力】
演習を通して実戦力を身につけたいので、『化学重要問題集』(数研出版)、鎌田真彰・橋爪健作の『化学[化学基礎・化学] 標準問題精講』(旺文社)などから最低1冊を完璧に仕上げましょう。
さらに難関大学志望者は、卜部吉庸の『化学の新演習』(三省堂)の☆一つ二つ問題まで挑戦できると強いでしょう。
加えて同じ著者の『化学新研究』(同)を辞書的に使用し、その中の「SCIENCE BOX」欄も興味のある箇所から読んでおきたいところです。この参考書は大学での化学授業でも役に立つと思います。
高3の夏休みからは過去問にチャレンジ
ここまでの学習が終了できたら過去問に積極的に取り組みましょう。高3の夏休みから始められるとベストですが、現実的には9月から過去問演習に入れるとよいでしょう。
過去問各7年程度を複数校演習するのはそれなりに時間がかかります。特に東京大・京都大などの難関大学は問題が独特なので、過去問に早めからじっくりと取り組みたいところです。
ここでは非常に長いリード文から考察する流れを理解して慣れることが大事です。過去問演習を通して自分の苦手分野を再発見し、その部分を重点的に復習しましょう。
おすすめ参考書
全てのタイプの生徒さんに向けて、暗記項目の整理や模試・本番直前のチェックのために、目良誠二の『大学入試の得点源 化学[理論][有機][無機]』(文英堂)をお勧めします。分野別に3冊に分かれており、非常に薄く、ポイントが分かりやすく端的に記されています。特に有機、無機の2冊は直前学習で効果抜群です。
理系科目の中で試験直前に即効性があるのは化学の有機・無機分野だと思いますので、前日、可能ならば当日の電車内、試験当日の昼休みなど最後まで貪欲に知識の最終確認をするとよいでしょう。
化学は志望大学への鍵
高校生は数学英語の学習が中心となり、化学の学習は受験生になるまで疎かになりがちですが、化学は受験本番への追い込みで点数を伸ばしやすく、志望大学への鍵となります。
家庭教師の的確なアドバイスのもと、化学への自信をどんどん深め、志望大学の合格を勝ち取りましょう。

