大学受験の現代文とは
現代文とは、文章を読み、そこに書かれていることの意味を明らかにする科目です。
現代文の筆者は、現代社会の諸問題の解決法を、一定以上の知的水準の人に伝えようと文章を書いています。付される設問も、若干の引っ掛けはあっても、基本的には、伝えようとして書かれた文に関する設問です。真っ直ぐ問題と向き合う素直な心さえあれば、誰にでも解くことができるはずです。
ところが我々は、往々にして文章を読まず、「個人の人生経験をベースにした想像・妄想」で答えを出そうとします。文章と向き合い、筆者が伝えたいことをしっかり読み取りましょう。
また、現代文は、高校の定期試験と大学受験で対策の立て方が違う科目です。
高校の定期試験では、一部の例外を除き、授業で扱った文章が出題されます。よって極論すれば、あらすじを暗記してしまえば、点が取れてしまいます。その結果、ノートに書かれた文章の意味を、試験時に「思い出す」ことが国語の勉強だと捉えがちです。
一方、大学受験の現代文では、文章を初見で読み解き、設問に答える力が求められます。「学力=思い出す力」と考えている人では、当然答えは出ません。
では、初見の文章を読み、設問に答えるために、具体的にどうすればいいでしょうか。
受験に向けて学ばねばならないこと
大学受験に向けて、まず皆さんが取り組まなければならないことは、まず以下の3点です。
1 語彙を覚えること
入試現代文で扱われる文章は、ある程度の教養ある人に向けて書かれたものです。使われる言葉も、高度に抽象化されたものとなります。「抽象化・具体化」「アイデンティティ」「パラダイムシフト」などの言葉の意味はわかるでしょうか。こうした語彙を理解していなければ、文章全体の意味を掴むこともできません。まずは、言葉の意味を覚えていきましょう。
2 論理関係を意識すること
基本的に評論文では、「主張」を、「言い換え」「因果」「対比」等を用いて、論理的に説明していきます。やみくもに文意を頭に流し込んでいくのではなく、論理の枠組みを意識して文意を捉えていく練習をしましょう。こうした論理的判断力は、すべての学問に共通する考え方です。
3 設問解法を学ぶこと
設問には、解き方・解くコツがあります。そうした解法を覚え、運用する練習を積むことで、「試験に強い受験生」になってください。
例えば、選択肢を見る際には選択肢末尾とその理由部分に注目する。「理由を答えよ」と言われた場合は「〜ので」「なぜなら〜」などの理由を示す信号を探す。筆者の特に伝えたいことは、逆接(〜だが等)の後に来ることが多い…などは代表例です。
盲目的ステレオタイプはいけませんが、解法の「型」を意識することは、特に初学者において大事です。
難関大に向けての具体的取り組み
また、よりレベルの高い大学を目指していく場合は、次のような取り組みも必要になります。
1 頻出のテーマを覚えよう
現代文入試で出題される評論文では、奇抜な主張や無意味な笑い話は出題されません。入試で出題される文章は、筆者が「現代社会の諸問題」を論理的に解決しようと試みたものです。扱われる「現代社会の諸問題」には、多くの人が頻繁に取り上げる定番のテーマがあります。「近代と前近代」「グローバル化の功罪」「ネット社会の弊害」などの入試頻出テーマについて、現在どのような議論がなされているかを知っておくことは大事です。
2 「言い換え力」を鍛えよう
抽象的な表現を具体的に言い換える、具体的な表現を抽象的に言い換える、難度の高い言い方を解りやすく言い換える…と言った「言い換え力」は、国語力の根幹とも言えます。普段から、教科書にある文章や新聞の社説などの要約を行う等のトレーニングを積んでいきましょう。国公立の記述対策では、特にこの「言い換え力」が求められます。
3 書く練習をしよう・読んでもらおう
難関大では、たとえ設問が客観形式だったとしても、書く力の有無は問われていると考えてください。首尾一貫した、論理関係の明確な日本語が書けるよう、練習を積みましょう。そして書いた文章の主旨が通っているかを、必ず先生に確認してもらうことも大事です。
受験に向けてのステップとおすすめの参考書
上記の学習をスムーズに進めていくためには、次のような段階を踏んで、学習を完成させていく必要があります。おすすめの参考書とともにまとめます。
1 高2〜夏期前半
まずは語彙力を高め、基礎的な設問解法について学びましょう。上位志望であれば、頻出テーマについて知ることも大事です。『入試現代文へのアクセス』(河合塾出版)は、設問を解くための技術がわかりやすく説明されており、「基本編・発展編・完成編」と段階を追ったレベルアップが可能な参考書です。また、『現代文キーワード読解』(Z会)は、現代文で頻出のテーマについて、図解等を用いて解りやすく説明しており、辞書としての使い方もできます。ぜひ手元に置いておきたい一冊です。一学期〜夏期前半までに、こうした参考書を一冊仕上げておくと自信がつき、学習の方向性が見えてきます。
2 夏期後半〜二学期前半
語彙力や設問解法がある程度付いてきたところで、読解の問題集を解いていきましょう。『大学入試全レベル問題集』(旺文社)は「基礎レベル・私大標準レベル・共通テストレベル」と段階を追って読解練習ができるので、使いやすい問題集です。自分のレベルや受験校に合わせて取り組んでみてください。なお共通テストについては、センター試験時代と異なり、必ずしも基本的で易しい問題ではありません。短めな中堅私大の問題から段階を踏んでいく方がよいでしょう。
3 二学期後半〜冬期
最終的にはやはり過去問です。過去問を解く目的は、あくまでも時間配分と問題傾向を知るためです。過去問だけの学習では、手に入る問題数が少ない・頻出テーマをバランスよく学べない・悪問難問が気になってしまう等の点で効率が悪く、注意が必要です。過去問で学力を付けようとしないことです。
4 直前期
直前期には原点に戻り、今までに解いてきた問題をやり直しましょう。新しいことを学ぶのではなく、過去に学んだことを固め、本番で落とさないようにすることが大事です。直前期に難問に当たることは避け、冬期までに学んだことを復習するべきです。逆に言えば、冬期までに、ある程度の合格への目処を付ける必要があります。よって、受験勉強のスタートは早めに切らないといけません。
家庭教師の活用法
以上の学習を進めていく上で、家庭教師は、次の点で有効な選択肢となります。
1 点を取る方法が学べる
家庭教師の先生は、文章の味わいではなく、入試問題の解き方を教えてくれます。塾や予備校はそうしたメソッドに強いですが、それらは、予備校講師の書いた参考書やYouTubeチャンネル等を用いて学んでいく方が、むしろ効果的に学習できます。様々な教材を統合し、生徒一人一人の資質に合わせて処方してくれる家庭教師は、あなたの力強いパートナーとなります。
2 弱点に刺さるのが個別指導
塾や予備校では、カリキュラムが決められており、基本その流れに準拠して授業が展開していきます。途中入学や欠席などに対しての、一定のフォローはあるものの、その範囲には限界もあります。あなたのペースで、あなたの弱点に刺さる授業をしてくれる家庭教師ならば、無駄のない密度の高い授業を受けることが可能です。
3 対話を通じて広がる思考力
人と人との対話こそが、本質的な思考力を高めるきっかけを作ります。家庭教師には、塾や予備校では困難な「個と個の対話」があります。そうした対話を通じて、本質的な国語力の向上を目指すことができます。
今の受験生に必要なのは、受験生の軌道を修正し、適切な助言を行うアドバイザーと、長い受験準備期間を伴走するパートナーです。家庭教師は、良き受験生のアドバイザー・パートナーとして有効です。

