中学入試の理科の問題として、近年出された問題の中にこのようなものがありました。
「コーヒーはどうして苦いのか?なぜ、大人はコーヒーが好きなのか?」という問題です。
皆さんは、答えられるでしょうか?
まず、コーヒーとは何なのかというところから考えてみましょう。
コーヒーが木に生る実というのは、多くの人が知っているでしょう。
しかし、一般的にそのあたりに生えているものではないので、それを実際に見たことがあるという人はごくわずかだと思います。
コーヒー豆ですから、大豆などのように豆を覆うように殻やさやなど、可食部位ではないところがついているのではないか、と考えるかもしれません。
しかし、実はコーヒーというのは、果肉に覆われているのです。
コーヒーの実は、基本的に赤いものです。
サクランボに似ていることから、コーヒーチェリーといわれることもあります。
ただし、種類によっては黄色やオレンジ、紫色のものもあります。
そこから果肉の部分を取り除くと、中の種だけが残ります。
この種の部分が、コーヒー豆といわれるものです。
つまり、豆とは言いますが、実際には種のことを言うのです。
豆のように、2つに割れる形で1つの実に2つずつ入っていますが、中には1つや3つ入っていることもあります。
この周囲の果肉も、食べることができます。
食べたことのある人の感想は、甘酸っぱいというのが多いようです。
しかし、果肉はほとんどなく、中の種を少しだけ大きくしたサイズで木になっているのです。
その中の種を取り出し、乾燥させたものが生のコーヒー豆です。
緑色なので、グリーンコーヒーともいわれています。
聞いたことがあるという人も、多いのではないでしょうか?
この状態でコーヒー豆をかじっても、おいしいものではありません。
青臭く、乾燥させているので非常に硬いのです。
ほとんど味はなく、苦みもありません。
では、コーヒーの苦みはどこからやってくるのかというと、それは焙煎することによって生じるのです。
焙煎というのは、コーヒー豆を加熱することです。
この焙煎によって、様々な成分が化学変化を起こします。
コーヒーの成分として有名なカフェインも、苦みを感じる成分です。
それ以外の、クロロゲンというのも代表的な成分です。
こうした成分が複雑に絡み合うことで、コーヒーの苦みを生み出しているのです。
コーヒーには酸味や苦みがありますが、それは焙煎のやり方で大きく変わってくるのです。
では、大人はなぜ苦いコーヒーを飲むのでしょうか?
それには、いくつかの理由があります。
その1つが、経験の蓄積、つまりは慣れです。
子どもは、苦いものが苦手なことが多いでしょう。
それは、子どもの味覚が敏感であるのと同時に、おかしなものを口に入れないための防衛本能です。
毒物などは苦味のあるものが多いため、本能的に苦味を嫌うようになっているのです。
大人になっても、苦味があるものは苦手、という人もいるでしょう。
しかし、苦味のあるものを食べ続けていると、苦味があっても毒ではないという経験が蓄積されていきます。
そうなると、苦味も味のひとつとして、純粋に楽しめるようになるのです。
コーヒーの苦みも同様です。
最初は砂糖やミルクを入れていたとしても、何回も飲むうちにその苦味が毒ではないという経験が、体に蓄積されていきます。
その結果、コーヒーの苦みを楽しめるようになるのです。
また、コーヒーにはリラックス効果や、ストレスを解消する働きがあるともいわれます。
ストレスが溜まっている大人は、その効果を求めるようになるので、コーヒーが好きになるともいわれます。
コーヒーが苦い、というのは当たり前のことですが、その理由を考えていくとこのような内容になるのです。
雑学のようなものなので、つい見過ごされることが多い知識ですが、入試に出ることもあるので覚えておいても損はないでしょう。





