国際基督教大学(ICU)高等学校の入試傾向と対策
科目別ポイント
英語
試験時間70分 配点100点
出題傾向
大問は全5題の構成。大問1~4は長文読解の問題だ。長文読解の問題が4題も出されているが、その内容は、説明文、物語文や会話文と多彩である。本文の理解はもちろんのこと、英単語の意味を答えさせる問題や、類似の意味を持つ語を答えさせる問題など、読解力だけではなく英語の総合力を見ていると言える。 大問5は、ICU高校特有の問題で、イラストの隣に英文があり、続く問題に答えさせる、というもの。問題の形式としては、整序英作が2~3題出される他、イラストの中の登場人物の台詞を英語で答えさせたりする問題も出される。一見珍しい形式だが、内容的には平易である。
対策
ICU高校の英語のポイントは、長文読解が4題出題されることだ。したがって、受験を考えている場合は、長文読解の問題に慣れることが必要である。といっても、1つ1つの文章は難解というわけではない。平易な文章を大量に読みこなす練習を心がけたい。 大量の長文読解に慣れるには、長文読解の問題がたくさん載っている問題集を何度も繰り返し読み込むことが効果的だ。『英語長文マスター新55題』が難易度も手ごろで使いやすいだろう。さらに、『全国高校入試問題正解』(旺文社)には有名私立30校程度の入試問題が掲載されている。過去問をやる時期に並行して進めたい教材だ。
数学
試験時間70分 配点100点
出題傾向
ICU高校の数学は、極めて特異である。ある年度の問題を例に取ると、まず「資料文」と呼ばれる書き出しから始まる。それは28ページ続き、内容は先生と生徒の会話だ。29ページ目に入ると、ようやく「問題」となり、全17題の問題が続く、という形式になっている。
対策
ICU高校の数学の対策としては、まず集中力をつけることだ。決して冗談ではない。長い文を正確に読み、与えられた約束事を的確に押さえる、例として挙げられた式やその計算過程を理解する、そうした脳内作業を30ページにわたって実行しなければならないのである。与えられた数式を機械的に解くだけの学習に慣れている場合は太刀打ちできない。表層的な学習にとどまらずに、概念や意味にまで踏み込んだ勉強を心がけよう。 それは具体的には公式を覚えるのではなく、公式を理解することであり、1つの解き方を学んだら、なぜその解き方が有効なのかを考えることである。残念ながら、この学校のようなタイプの問題を練習する機会は限られている。そのために使える問題集はないし、他の学校の過去問にも類例はない。実際にICUの過去問に触れてみて、独特の出題形式に慣れるとともに、そこに結びつく論理的な思考力平素から心がけなければならない。 合格最低点は年度によってかなり変動する。受験生に話を聞いても、「5割もいってないと思う」と不安がる生徒が多い年、「9割くらいいったかもしれない」と手ごたえ十分で帰ってくる生徒が多い年、さまざまである。仮に解いた感触が思わしくない場合でも、「今年は難しい年なんだ」と割り切って、次の日の受験に影響が出ないようにしよう。
国語
試験時間70分 配点100点
出題傾向
大問2題の構成だ。いずれも現代文の読解問題だ。大問1は随筆文で、大問2は論説文だ。書き取りの問題は少なく、ほとんどが選択肢から正解を選ぶ問題だ。 試験時間は70分間なので、時間の割り当てとしては、2題とも各30分間程度で解き、残りの時間を全体の見直しに当てるのがよい。
対策
ICU高校の国語は、大問2題とも読解問題のため、これを制することが合格の条件となる。したがって、読解問題の対策が有効になる。現代文の文章を読んで学習する際には、以下の点に注意しながら読もう。文章全体のテーマや方向性を追いながら読むこと、今読んでいる箇所が全体の中でどういう位置づけにあるのか念頭に置きながら読むことなどだ。また、今読んでいる部分が筆者の考えを述べている部分なのか、あるいは単に具体例を述べている部分なのか、といった段落の機能に着目しながら読むことも大切である。そういう目を養うことができれば、文章を読む際に緩急をつけて読むことができ、問題を解く際にいち早く重要な部分にたどり着くことも可能になるのである。もちろんそれは読解の時間短縮にもつながっていくだろう。
合格体験記
学校情報
学校名(かな) | 国際基督教大学高等学校 (こくさいきりすときょうだいがくこうとうがっこう) |
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国公私立の別 | 私立 |
共学・別学 | 共学 |
住所 | 〒184-8503 東京都小金井市東町1-1-1 |
ホームページ | https://icu-h.ed.jp/ |