慶應義塾女子高等学校の入試傾向と対策

科目別ポイント

英語

試験時間60分  配点(非公表)

出題傾向

大問5題、□1がリスニング、□2、□3、□4が長文読解、□5が英作文の構成で安定している。リスニングは4択と英文記述の組み合わせが3問程度。長文は説明文、物語、随筆、会話文から3題出るのが普通。長文の意味を取るのはさほど難しくないが、文は長く、何といっても手間のかかる設問が多い。文の書き換え、和訳、並べ替え英作文、完全英作文、内容についての英問英答…などである。□5の英作文は問いが英文で書かれていて、指定単語数は50語程度。 いわゆる基本レベルの設問はほぼない。難問ぞろいの国私立高の中でも、最高峰に属する学校の1つである。合格最低点は非公表だが、65%は取っておきたい。

対策

リスニング対策は早いうちから始めておきたい。ただ聴いて質問に答えるのではなく、記述対策として、聞きながらメモを取り、内容の要約を作るような練習もしてみよう。朗読のスピードはかなり速いので、大学入試用の教材にもチャレンジしてみよう。 出題される英文はかなり長いが、文自体はさほど難解なものではない。できるだけ速く読んで、レベルの高い設問に十分な時間をかけたい。自分の読むスピードを計ってみて、1分100単語のペースに遅れるようなら特別な訓練が必要になるだろう。 いくら速く読み、内容を理解したところで、問題が解けなければ話にならない。そのために身につけるべき単語力、文法力は英検準2級程度。高校受験対象の問題集では、「ハイレベル」と銘打たれた問題集でも足りないと思われる。できるだけ早く中学校の範囲を終え、英検問題集や高校初級の問題集に進もう。 さらに大きく差がつくのは英作文の能力だ。それも、文法問題によく出てくるような典型的な1文を書く力ではなく(それは入口にすぎない)、自然な日本語をできるだけ自然な英語に書き換える能力だ。特に□5の英作文の対策として、「~についてどう考えるか。その理由は何か(意見を伝える文)」「~とはどういうもので、どのような特徴を持っているか(解説する文)」など、いろいろな構文を書き分けられるようにしたい。和文英訳の元となる日本文をしっかり書けるようにするのは言うまでもない。

数学

試験時間60分  配点(非公表)

出題傾向

大問5題が定番。□1は「計算」、「方程式」、「確率」などから小問が3問出される。他の大問は「関数」「整数問題」「平面図形」「立体図形」というのが標準的。平面図形は「円」、立体図形は「切断」「展開図」などがテーマになる。 問題の難易度はさほど高くないし、新傾向と見られるような出題もまずない。途中経過を書く指定があるために意外に時間がかかってしまうこともあるようだ。□2以降の大問は難易度順にはなっておらず、解く順序に一工夫いる場合もある。

対策

極端な難問はないため、ほぼすべての問題に得点のチャンスがある。図や計算を丁寧に行い、無駄な失点を防ごう。それが途中経過を書くことへの対策にもなる。 対策の第一は、高校受験数学のメインとなる「関数」「図形」に強くなることだ。1つの大問が(1)~(3)に分かれている場合、その(2)までは経験値で何とかなる。数学を苦手に感じる受験生は、まず数多く解いた上で、「時を置いて解法の確認をする」「同タイプの問題でさらに確認する」といった粘り強い学習を心がけてほしい。演習する問題は早慶系の問題を中心にするといいだろう。それらを超える最難関校まで手を広げる必要性はない。

国語

試験時間60分  配点(非公表)

出題傾向

大問3題で、論説文・随筆・小説・古文から1題ずつ出題される。標準的な形は、「論説文/古文ないしは韻文を含む随筆や解説文/小説」の構成である。問題文の筆者を挙げると「芥川龍之介」「太宰治」「串田孫一」「福田恒存」…やや前時代的な匂いがする。問は全部で20問程度、その約3割が記述だが、配点を考えると全体の半分が記述と見ていいだろう。

対策

設問の中で知識の占める割合はさほど多くないが、古文ないしは短歌・俳句など韻文を含んだ文が高い確率で出ることから、古典文学に対する知識や理解は深めておきたい。それも教科書に出ているものにとどまらず、資料集、便覧などもぜひ活用してほしい。 10問ほど出る漢字の読み書きはレベルが高い。特に書き取りは、その言葉自体を知らなければ書けないものがよく出される。平素の学習の中で、ただ問題を解くのではなく、せっかく読んだ文を通じて少しでも語彙を増やそうという意識を持っていたい。 記述問題は「どういうことですか」という傍線部説明と、「どうしてですか」という理由説明がほとんど。前者であれば、傍線部をいくつかのポイントに分けて1つ1つ正確に具体化していくことを心がけ、後者の場合は、直接的理由に加えてさらにその理由、背景、前提条件等を踏まえつつまとめられるようにしよう。字数制限がないため、過不足ない答えを自分で工夫しなければならない。もちろん詳しさ、正確さは大切だが、冗長な解答は求められてはいないことは肝に銘じておこう。

合格体験記

学校情報

学校名(かな)慶應義塾女子高等学校 (けいおうぎじゅくじょしこうとうがっこう)
国公私立の別私立
共学・別学女子校
住所〒108-0073 東京都港区三田2-17-23
ホームページhttp://www.gshs.keio.ac.jp/