開成高等学校の入試傾向と対策

科目別ポイント

英語

試験時間50分  配点100点

出題傾向

大問7問 長文3題 単語・文法・整序英作文3題 リスニング1題で構成される場合が多く、総小問数は50題程度。 長文1つの分量は極端に多いわけではないが、長文が3題出題されることや、50分の試験時間の途中にリスニングが行われることなどを考えるとかなりの速読力を要求されることは間違いない。目安としては1分100単語程度のスピードで読むことが必要。単語のレベルは相当高い。基本的な語意だけではなく、そこから派生した語意が分からないと文全体の意味が取りにくくなるケースがある。

対策

速読力を育てるためには普段から後戻りせず先へ先へと読んでいく訓練をしなければならない。関係代名詞に導かれる節から先行詞に、後置修飾として働く句から被修飾部分に、といちいち戻って文の構成を明らかにする読み方をしていては、内容の理解だけで試験時間を使い果たしてしまうことになる。長文問題演習はもちろん、過去問演習の際も、常に厳しめの時間設定の下で行うべきである。 長文問題において難しい単語には「注」が付く場合もあるが、公立中学校の教科書レベルを超える単語でもその7割は「注」なしで使われていると見ていいだろう。また、基本的な意味は知っている単語でも、文章の種類によっては特別な意味にとらなければならない場合もある。辞書である単語を引いたとき、そのとき自分が必要とする用例だけでなく、他のさまざまな用例にも目を通しておく習慣を身に付けるべきである。それ以上にレベルが高いのは単語そのものの知識を問う問題である。一例を挙げると、afford(余裕がある) lengthen (伸ばす) cube (3乗)などが27年度に出題されている。 ただ、文法問題や並べ替え英作文問題については、問題集等でよくみかけるタイプの標準問題も多い。例年英語のボーダーは6割5分程度であることも鑑み、まず取るべき点は確実に取るという発想を忘れてはならない。

数学

試験時間50分  配点100点

出題傾向

問は1から4まで。問1は独立した小問2~4題からなる。全問題数は12~17題。式や計算は問題用紙の所定の場所に書くように指定されている。 問1の内容は「計算」、「図形」、「数の性質」、「関数」、「方程式」など多岐にわたり、予測は不能。小問とはいえ、発想力やかなりの計算量を必要とされる場合があり、決して易しくはない。他3問の大問には、「図形」が1~2問必ず含まれている。他には「関数」「確率」などがよく出ているが、「規則性」など、より論理性の高い分野の出題も今後は予想されるだろう。

対策

年度によっては極端に得点が下がることもあるが、大体は6割台の合格ラインで推移している。図形、関数中心の出題で対象が絞りやすく、難解とはいえ、まったく目新しいタイプの問題でもないというのがその理由だろうか。合格ラインがこれでは、やり残しを作ってしまうと非常に苦しいことになる。取り組む順序の選択や、途中からでも次の問題に進む見切りをしっかりさせたい。 立体図形に関しては典型的な形だけではなく、多面体に関する問題も数多くこなしておく。平面図形はまず「円」をしっかり固めることだ。 すばやく条件を整理する能力、図形(特に空間図形)における洞察力、複雑な座標計算など圧倒的な作業力などを鍛えるためには、灘高、筑駒高など全国トップレベル校の問題を数多く解かなければならない。『日々のハイレベル演習』(東京出版)も、掲載問題のレベル、解答の丁寧さでお勧めだ。

国語

試験時間50分  配点100点

出題傾向

大問3題から成る。論説文・随筆・小説・鑑賞文から2題、古文から1題というのが定番である。 記述問題が5~6問で、それぞれ10点ないしはそれ以上の配点が予想される。記述力が分かれ目になるのは間違いない。文章はやや長めで、特に解説系の文章は内容が高度である。記述に字数制限はないが、解答欄の大きさから見て、中心となるのは40~50字程度の記述で、長いものは出ても1題。

対策

まず、必ず出題される古文だが、これについては比較的点が取りやすいということができる。中世~近世にかけての意の取りやすい文が出題されるため、内容の把握がさほど難しくないこと、また、内容が分かれば答えやすい設問の並んでいることがその理由である。国語の苦手な人ほど、この範囲は完全にしたい。『古文完全攻略63選』(東京学参)、『高校入試でる順古典問題の征服』(旺文社)など古文専門の問題集で読みなれておくべきである。 受験生を悩ませる記述問題だが、これには2通りの訓練法がある。1つは解答例をよく分析、検討することである。「問」が何を求め、それに対してどのようなリアクションをすればいいのか、本文のどの部分を利用し、その部分に対してどんな処理(まとめ、言い換え、展開など)を施せばいいのかを徹底的に研究しよう。2つめは当然自分で書いてみることである。その場合、書いた答案を自分で解答例と対照するとともに、できれば他人の目から批評、添削をしてもらうとよい。塾の黒板に展開される解説では「納得しただけで終わり」になってしまうことも多いため、記述が苦手な生徒は個別指導を受けることをお勧めしたい。

合格体験記

学校情報

学校名(かな)開成中学校・高等学校 (かいせいこうとうがっこう)
国公私立の別私立
共学・別学男子校
住所〒116-0013 東京都荒川区西日暮里四丁目2番4号
ホームページhttp://kaiseigakuen.jp/