筑波大学附属高等学校の入試傾向と対策

科目別ポイント

英語

試験時間50分  配点60点

出題傾向

例年大問4題、□1がリスニング、□2、□3が長文読解、□4が英作文の構成になっている。長文は物語文がほとんどで文は長い。英作文は5題。元になる和文が会話体のこなれた日本語なので、まず日本語の「翻訳」が必要になる。

対策

リスニング対策は早いうちから始めておきたい。最終的には英検準2級レベルまでいくのが理想。ただ聞いて問題を解くだけではなく、聞きながら書き取る練習もしてみよう。設問自体は易しく、「聴く力」さえつければ満点も可能。 長文には特に難しい単語や語法が使われているわけではないので、1文1文の和訳は容易である。しかし、1000語を超える長文を、和訳にこだわって読んでいると時間はどれだけあっても足りない。ましてや、登場人物が多くなり、会話が増えていくと、内容を見失ってもう一度初めから読み直すということにもなりかねない。筋を追うための「軽い読み」と、設問に答えるための「強い読み」をうまく使い分けられるようにしよう。早実の長文問題などを利用して速読速解練習を積んでおくと効果的だ。 英作文は、少々硬くてもいいから同意の文に改めてみることから始める。その際、終助詞や感動詞にこめられた微妙なニュアンスに振り回されてはいけない。「その時間には間に合わないなあ」を「I am afraid~」で表すことができれば理想だが、思いつかなければ「I think~」でもかまわない。とにかく書いてみることだ。

数学

試験時間50分  配点60点

出題傾向

大問4題。□1は別ジャンルからの小問集合で6~7題。□2~□4の大問は小問2,3題に分かれ総問題数は15問程度。

対策

新傾向で、どこから手をつければいいのか分からないといった出題はまずない。難度は高くても、それは今まで学んできたことの延長だから対応は可能だ。経験的に言うと、筑駒の中学はかなり素質のある受験生でなければ入れないが、高校は努力で何とかなるという側面がある。学習の重点はあくまで「難しさ」に慣れることに置き、徹底的な演習を繰り返すべきである。 途中式を書くことに対してもきちんとした対策が必要である。「式を書く時間を含めて45分」という時間制限に慣れておく必要があるし、そもそも普段やらないことを入試本番できちんとできるわけがない。そして何よりも、普段の学習で問題を解く経過を大切にする意識は、確実な理解につながり、長い目で見れば学習の効率化になるからである。 灘高、開成高など全国のトップレベル校の問題を数多く解き、『日々のハイレベル演習』(東京出版)などの問題集も精力的にこなしていこう。

国語

試験時間50分  配点60点

出題傾向

大問3題で、論説文・随筆・古文から1題ずつ出題される。解答形式はほぼ全問が記述式である。文章は国私立高の中では短いほうである。 漢字は4題程度で易しく、差はつかない。記述問題は15題ほどあり、5点~10点の配点が予想される。字数制限はない場合が多いが、解答欄の大きさから推察するに、短いものが40~50字、長いものだと80~100字くらいが目安だろう。

対策

□3の古文は短く、意味が理解できさえすれば答えやすい設問になっているため、ここは確実に得点しよう。どの塾でも習うような古文単語や基本的な助動詞、敬語の知識があれば、意味を取るのはそうつらくない。出題の順序は最後だが、最初に手早く済ませてしまうという手もある。 記述問題で中心になるのは傍線部の意味を説明する問題である。傍線部が「具体的」であれば「抽象的意味」を、比喩や象徴を含めて「抽象的」であれば「具体的内容」に置き換えて説明する能力が問われる。出題傾向が似ている学校はほとんどないため、できるだけ古い時期からの過去問を入手して練習を重ねるのが理想だ。さらに灘高や開成高の過去問も併用することで、総合的な記述力の強化も図れるだろう。

理科

試験時間50分  配点60点

出題傾向

物理、化学、生物、地学から2題ずつ出題されるのが標準的な形。記号選択、用語記述、文章記述、計算、作図など、さまざまな解答方式で知識と思考力が試される。とはいえ、極端に手のかかる問題は少なく、上位校の中では時間的余裕に恵まれている方だろう。記号選択には「すべて選べ」方式も混じっている。

対策

難問は少ない。問題に使われる実験や観察にまったくの初見は少ないはずだし、付随する設問にしても、「このテーマならまずここが問われるだろう」といった典型的な問題が半分以上を占めている。かといって、知識だけで機械的に解いていけるような出題ではなく、全体のレベルは標準以上だ。差がつきやすい入試問題の典型的な例だろう。 差がつきやすいのであれば、まず差をつけられないことを考えるべきだ。早い時期、できれば中3の夏休みには自分の不得意分野を把握し、基本知識の確認から始めて、標準的な問題集→ハイレベルな問題集と段階を上げながら弱点を確実に埋めていくようにしよう。

社会

試験時間50分  配点60点

出題傾向

理科と同じ傾向がある。どの分野からもバランスよく出題され、極端な難問はない。問題形式も語句の記述、正解が1つだけの記号選択が中心で解きやすい感じを与える。おそらく時間も十分だろう。

対策

比較的解きやすい問題であるだけに高得点を狙いたいところ。そのためにはまず歴史を完璧にしたい。歴史には史料に基づく問題が多いので、教科書に掲載された史料のほか、厚めの歴史資料集も用意して読みこんでおこう。写真が出されることも多いため一石二鳥の効果となる。 公民分野は学校の授業の進行を待たず、参考書や公民資料集を利用して夏には一通り終えてしまうのがよい。難しい用語もあるが、インターネットを利用すれば簡単に調べられることが多い。また、インターネットには予想される時事問題を解説したサイトもある。そういうものにも目を通しておくと、思いがけず役立つことがある。

合格体験記

学校情報

学校名(かな)筑波大学附属中学校・高等学校 (つくばだいがくふぞくちゅうがっこう・こうとうがっこう)
国公私立の別国立
共学・別学共学
住所〒112-0012 東京都文京区大塚一丁目9番1号
ホームページhttp://www.high-s.tsukuba.ac.jp/