お茶の水女子大学附属高等学校の入試傾向と対策

科目別ポイント

英語

試験時間50分  配点100点

出題傾向

大問7~8題。最初の2題はリスニングで、聴き取った英文の内容について質問に答えたり、英文の一部を書き取ったりする形式になっている。続く3題~4題は、長めの英文を読んでその要約文への適語補充、短めの英文(物語文)の内容について日本語の記述、さらに文脈を追いながら適文や適語を補充させる問題など。最後の2題は英作文で、不足語を補いながらの英文完成、およびあるテーマについて外国人に説明するという自由英作文(40字以内)が例年の形である。

対策

説明文の長文は、あまりなじみのないテーマが扱われるためか、途中で意味を見失いやすい面がある。「注」はたくさんついているが、一つひとつ確認するためには何度も本文から目線を切らねばならず、意外に読む時間がかかってしまう。関西圏も含めて国私立上位校の過去問から説明文をピックアップし、短時間で読みきる練習をしよう。 物語文では、内容についての説明や、理由の記述が詳しく求められる。短い文章ではあるが、正確な訳が得られないと答案がまとめきれないこともある。曖昧さが生まれやすいのは会話の部分だろう。誰が、何についてそう言っているのか、特に指示語に気をつけながら読んでいきたい。訳さえできれば、設問自体は小学生の国語レベルである。 英作文はパターンが決まっているだけに対策が打ちやすい。「形態についての説明」「使用法についての説明」というふうに、「あるもの」について説明する日本文を3~4文で作ってみて、それを英訳する練習を徹底しよう。

数学

試験時間50分  配点100点

出題傾向

大問は5題。□1は独立した小問3~4題。全問題数は15題程度。□1はさまざまな分野から出るが、「因数分解」が特に出る可能性が高い。続く4題の大問は「関数」「確率」「方程式」「平面図形」になる場合が多い。 問題のレベルは標準的。かなり手ごわい問題が含まれる年もあるが、その1問で合否が左右されるとは思えない。(1)、(2)が取れたら(3)、(4)は相手も仕方ないという見切りをしっかりさせよう。

対策

「平面図形」には作図の問題が1問ふくまれる。中1で習う基本的な作図法の発展形なので、過去問で練習しておけば大丈夫。 すばやく条件を整理する能力、図形(特に空間図形)における洞察力、複雑な座標計算など圧倒的な作業力などを鍛えるためには、灘高、筑駒高など全国トップレベル校の問題を数多く解かなければならない。『日々のハイレベル演習』(東京出版)も、掲載問題のレベル、解答の丁寧さでお勧めだ。

国語

試験時間50分  配点100点

出題傾向

大問3題から成る。論説文・随筆・小説・鑑賞文から2題、古文から1題というのが定番である。 記述問題が5~6問で、それぞれ10点ないしはそれ以上の配点が予想される。記述力が分かれ目になるのは間違いない。文章はやや長めで、特に解説系の文章は内容が高度である。記述に字数制限はないが、解答欄の大きさから見て、中心となるのは40~50字程度の記述で、長いものは出ても1題。

対策

まず、必ず出題される古文だが、これについては比較的点が取りやすいということができる。中世~近世にかけての意の取りやすい文が出題されるため、内容の把握がさほど難しくないこと、また、内容が分かれば答えやすい設問の並んでいることがその理由である。国語の苦手な人ほど、古文専門の問題集で読みなれておくべきである。 詩や短歌についての鑑賞文もかなりの頻度で出題されるが、こちらは一転難解なものが多い。中学生には骨が折れると思うが、岩波、中公、講談社などの新書を通じて韻文に対する解釈力を高めておいてほしい。 記述については、2通りの訓練法がある。1つは解答例をよく分析、検討することである。「問」が何を求め、それに対してどのようなリアクションをすればいいのか、本文のどの部分を利用し、その部分に対してどんな処理(まとめ、言い換え、展開など)を施せばいいのかを徹底的に研究しよう。2つめは当然自分で書いてみることである。その場合、書いた答案を自分で解答例と対照するとともに、できれば他人の目から批評してもらうとよい。塾の黒板に展開される解説では「納得しただけで終わり」になってしまうことも多いため、記述が苦手な生徒は、できれば個別指導を受けることをお勧めしたい。

理科

試験時間50分  配点100点

出題傾向

大問6題に分かれ、全分野からの小問集合が2題。物理・化学・生物・地学からそれぞれ1題ずつ出されるのが基本的な形。選択問題には「正しいものをすべて選ぶ」という条件がつく場合も多く、また、問われる知識はかなり細かい。

対策

問題数が多いため、スピードが必要だ。計算問題、作図問題、文章で答える問題に十分な時間を割くためには、とにかく知識問題を素早くこなすこと。公立高校入試レベルの知識では明らかに不足なので、それを補うために詳しい参考書を常に併用するようにしたい。

社会

試験時間50分  配点100点

出題傾向

日本史・世界史・日本地理・世界地理・政治・経済と中学社会科のすべての分野から漏れなく出題される。 記述問題が多いこと、資料の読み取り等思考力を要する問題が多いことが特徴である。

対策

当たり前のことだが、まずは幅広い知識を身につけることだ。例えば歴史でも、時の為政者にばかり注目して政治的事件を追うのではなく、庶民の意識や生活、経済の状況などにも十分目を配った学習をすることが大切なのだ。 しかし、このレベルの学校になると、記述問題にせよ選択問題にせよ、知識で対応可能な問題ではまず差がつかないだろう。だからこそ、1つの歴史的事件や社会現象について、その原因や背景、問題点などを常に意識し、理解に努めるような学習をしてほしいと思う。そうした視座を育てるためには、新聞や書籍、あるいはインターネットなどを活用することもおそらく有効であろう。国語力も同時に養うことができればまさに一石二鳥である。

合格体験記

学校情報

学校名(かな)お茶の水女子大学附属高等学校 (おちゃのみずじょしだいがくふぞくこうとうがっこう)
国公私立の別国立
共学・別学女子校
住所〒112-8610 東京都文京区大塚二丁目1番1号
ホームページhttp://www.fz.ocha.ac.jp/fk/