勉強を頑張っているのに成績が伸びない原因と対策法

このタイトルこそ、皆様からいただくご相談の中でもっとも多いものです。
宿題はきちんと言われた通りにやっている。テスト前の復習もそれなりに時間をとってやっている。にもかかわらず成績が伸びない・上がらない原因はいったいどこにあるのでしょうか?

まず、お子さんの思わしくない状況を「伸びない」「上がらない」という表現でひと括りにするのではなく、3つの具体的なタイプに分けて原因と対策法を考えてみましょう。
なお、ここでいう「成績」とは、全員が等しく受ける「組分けテスト」の偏差値を指しています

「低迷型」 半年以上の長い期間、成績が低めに安定してしまい、ほとんど変わらない
「変動型」 テストの度に成績が上下し、その幅が大きい
「下降型」 学年が進むにつれ、成績が一方的に下がっていく

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① 成績が伸びない「低迷型」の問題解決法

偏差値30台から40台前半に低迷している場合

厳しい言い方になりますが、別に成績が安定しているわけではなく、ただ最下層から抜け出せない、すなわち「下がいないから下がらない」というだけのことです。
一生懸命やっているのに偏差値30台ということはまずありえないことで、お子さん自身は勉強しているつもりでも、それがまったく勉強になっていない、加えて塾の授業もしっかり理解できていないことが予想されます。

そういうお子さんには、たとえば5年生の算数なら「小数の割り算」「四則混合計算」「単位の変換」「割合の三公式」等の基本分野から再構築してあげなければなりません。
国語なら「漢字の練習法を定着する」「記述に使える気持ち語を10語覚える」という基本行動から指導しなければならないでしょう。
「勉強を教える」というより「勉強の仕方を身につけさせる」のです。そのために少々塾のカリキュラムから乗り遅れるのはやむを得ないことです(30台ということは現に乗り遅れているわけですから)。
このままずるずると行っても何一つ良いことはありません。

できれば6年生の4月までには状況を改善したいものです。
それを過ぎている場合は、むしろ塾のカリキュラムから離れて(退塾も一つの手です)、ベテランの家庭教師に入試までのルート再設定を頼んでみるべきだと思います。

偏差値40台後半から50前後に低迷している場合

サピックスや早稲アカなどの進学塾に限らず、集団塾の中学受験生を教えていてよく感じるのは、偏差値48~52のところに「見えない壁」があるということです。

たとえ下位のクラスからスタートしたお子さんでも、日々の課題を確実にこなし、そこに効果的な復習を加えていけば、おのずと点数が伸びる傾向にあり、ほとんどの場合40台の後半には到達するようになります。
しかし、そこからがなかなか続かず、一進一退の期間が長くなってしまう、ときにはこらえきれず下降線を描いてしまう、という場合も少なくないのです。
一方、偏差値60以上あったお子さんの成績がある時期を境に下降し始めるというケースも、(SAPIXほどではありませんが)よく目にします。そういうお子さんの成績がいったん下げ止まり、落ち着くのがこの48~52のあたりです。

正規分布の中央に位置する偏差値50前後は、もともとの「定住人口」が多いところに、そのような「上昇あるいは下降過程の踊り場状態」に置かれた「旅人」が加わり、大変競争の厳しいゾーンとなっているのです。
当然「壁」は高くなるはずです。

今現在40台後半にいるお子さんには、ぜひこの高い壁を乗り越えて、見晴らしのいい位置に立っていただきたいと思います。
50を超えれば志望校選択にも幅が生まれ、「攻めの受験」をすることができるようになります。

そのための作戦としては、一にも二にも「解ける問題の範囲とレベルを上げる」ことです。
苦手分野の克服、得意分野の絶対化、そして応用力の養成に努めるしかありません。

算数

算数の偏差値が50を超えて安定するためには、「予習シリーズ」の基本問題が全問、練習問題なら6割程度解ける力をつけることが必要になります。
「組分けテスト」や「合不合判定テスト」は四谷大塚のカリキュラムに沿って作られているテストですから、四谷のメイン教材である「予習シリーズ」への対応力が上がれば当然テストの得点も上がるはずです。
土日祝日は「予習シリーズ」および「予習シリーズ演習問題集(6年生は実力完成問題集)」を徹底演習しましょう。
NNアタックなどへのチャレンジはそれからのことです。
また、する際には、「『解ける』ということは単に『解き方がわかった』ということではなく、『正解および正解に至る道のりを紙の上に、自力で、再現できる』ことだ」という大原則をくれぐれも忘れないようにしましょう

国語

次に国語ですが、国語の勉強といえば・知識が中心、読解問題はただ解いて、答え合わせをしているだけ、というお子さんが非常に多いように思います。
早稲アカからの課題も、指定された解答用紙に指定された問題を解いて提出するだけ、解説はもちろん添削すらないという例をよく見かけます。
これでは時間の無駄、その時間を他の科目に使った方がましなくらいです。
解答・解説をよく研究して、正解となる根拠や、正解に結びつくキーワードを発見する、あるいは記述問題の解答例を分析し、効果的な語句の選び方順接・逆接・対比を意識したフレーズのつなぎ方などを身につける努力が大切です。
理想を言えばご両親がサポートしてあげるべきなのですが、それが難しい場合は早めにプロによる指導を考えられるべきかと思います。

理科

理科で得点が伸びないお子さんには、ほぼ共通して計算問題に弱いという特徴があります。
「てこ・てんびん」「滑車・輪軸」「ばね・浮力」「気体の反応・中和・酸化反応」「溶解度・飽和水蒸気量」「光源(星)の明るさ」「電流と発熱」「蒸散量」「個体数の推定」「音源までの距離」「地震波」「星の日周、年周運動」…よく出題されるものを思いつくまま並べただけでも、これだけの種類の計算問題があります。
この部分に対する苦手意識を払しょくするだけで理科は間違いなく平均を超えるようになります。

社会

社会で問題になるのは、「一生懸命覚えても長続きしない」、つまり記憶の定着と持続がうまくいかないということです。
記憶が定着し、持続するには「理解」が伴っていなければいけません。
単に言葉を覚えるのではなく、意味や背景を一緒に覚えることが大切なのです。
漫然と「予習シリーズ」を読んでいるだけではなかなか記憶に残りません。
たとえば、予習シリーズの表やグラフをコピーしてノートに貼りつけ、そこから読み取れることを書いてみる。
1930年代だけの年表を作って空で書けるようにする。
「御成敗式目と武家諸法度」など、まぎらわしい用語の対照表を作る、など自分なりに工夫した作業を取り入れてみてください。
とにかく社会については問題集をざっとやっただけでは点数にならないと心得てください
 

② 成績が上下する「変動型」の問題解決法

「組分けテスト」は範囲のあるテストです。直近3~4回の学習内容がどの程度理解できたかによって結果は大きく変わってきます。
偏差値が少々上下するくらいは気にせず、むしろ理解度の浅い分野を復習する指針として考えればいいのだと思います。

伸び盛りのお子さんの成績は理想的な右肩上がりのカーブを描く―そう信じている方が意外に多いのに驚かされることがあります。
いい加減な塾やいい加減な家庭教師センターの無責任な広告に騙されてはいけません。
そのようなケースも全くないわけではありませんが、それは非常にレアな部類に入ります。

成績が上がるお子さんに多いのは、多少の上下を繰り返しながら上方に偏移していく、例えば51→46→54→49→58→53→56というような偏差値の動きをする場合、あるいは一定の期間を経るごとに1段階ずつ上がっていく、たとえば45→46→43→48→50→54→53という動きをする場合が多いのです。

以上少々の変動は許容範囲だとご理解いただいた上で、いわゆる「波がある」お子さんの傾向と対策について考えてみましょう。

週テストの成績が組分けテストになると急落する。

⇒ 週テストをa問題で受けている場合は、受ける母体のレベルが上がるのですから、組分けテストで下がってしまうのは当然です。
下がり幅をできるだけ小さくする、1科目でもいい、下がらない科目を作るところから始めていきましょう。
次にb問題で受けているにも関わらず組分けテストで下がってしまう場合ですが、まず週テストをテストだと思うことをやめることから始めてみてはいかがでしょうか。
週テストの得点部分は無視して、失点部分だけに注目する、つまり未完成部分を発見するための機会だと割り切ってしまうのです。
週テストのための詰め込み勉強にあまり意味はありません。
事前の勉強は国語の漢字・語句、理科、社会の基本用語とその意味を覚える程度で構いませんから、とにかく、テスト後の解き直しを充実させてください。

テストの難度が上がるとついていけなくなり、一気に成績が降下する。

⇒ 平均点105点のテストでは96点くらいに健闘できるのに、平均が90点になると得点が65点前後まで落ちてしまうというような場合がこれに当たります。
戦う相手が強いと気圧されてしまって実力が出せない、それどころかまるで相撲の「腰砕け」のようにミスを連発してしまう…。
理由の1つは精神力の問題です
テストを受けていて「難しい」と感じるときほど冷静になり、「良い点を取る」から方針転換して「取れる問題を確実に取る」ことに集中しなければなりません
入試問題にも合格者平均点が100点中45点だったというようなケースがよくあります。
この科目を35点にとどめておけば差はたった10点、残り3教科での逆転は十分可能です。
もう1つ、考えられる理由は「本当の力がまだついていなかった」ですが、これについての答は言わずもがな、とにかく実力をつけることです。

問題量が多くなったり、途中に手間のかかる問題があったりすると、時間内にこなせなくなり、実力を発揮できないまま終わってしまう。

⇒ 時間配分がうまくできない場合でも、6年生の1学期までならそう心配はいりません。
夏以降、数多くの外部模試を受けたり、入試問題の過去問演習を繰り返したりするうちに、「時間感覚」は身についてくるものです。
勉強が進むにつれて、反射的に解けるパターンが増えてきますし、文章を読んだり、実験や観察資料を読み取ったりするスピードも速くなります。

もちろん、ただ手をこまねいてその時を待っていればよいというものでもありません。
なかなか答えの見つからない国語の抜き出し問題は捨てる(答が文中にあるのが分かっているだけについはまってしまいます)、算数の大問は(1)を確実に拾うなどテストの度ごとに具体的な作戦を練り、試行錯誤してみてください。
さらに家庭学習の中でも、問題演習をするときは必ず制限時間を設定してそれを厳守する、1度机に向かったら50分は立たないなど集中力の養成に努めましょう。

プロ家庭教師がお子様の学習効果を上げられる理由。

③ 成績がどんどん落ちる「下降型」の問題解決法

この傾向が見られるようになるのは5年生から、特に算数の難しくなる夏以降に顕著になるようです。
「下降型」に陥っていることはある程度時間がたたないとわからないため、6年生になってから慌てて対策を始めたものの、結局は遅れ、志望校のランクを大幅に下げるか、成績ほとんど上がらず受験そのものを断念するかというところまで追い込まれるケースもないわけではありません。
また、以前の成績が良かったために、どうしてもそれを基準にものを考えてしまい、現状把握にずれが生じるということも起こりがちです。

このような状況に至る原因がお子さんの勉強不足にあるのなら、話は簡単です。

  • 塾から帰ったら、その日の授業で解けなかった問題だけを解き直してから寝る。
  • 指定された宿題を、自力で解けるぎりぎりのところまでやって提出する。
  • 範囲の示された暗記テストは必ず合格点を取る。

こうした受験生なら誰もがやっている基本ルーティンを復活させてください。
そういうことを疎かにしていたから成績が下がり続けたのです。
これだけで成績が上昇するほど甘くはありませんが、少なくても下降は止まります。
お子さんが一人でできなければ、家の方がリードするか、それが難しければ思い切って家庭教師に任せてください。上げるための方策に出るのはそれからです。

対応が難しいのは、ずっと真面目に頑張ってきたのに成績が下がり続けているという場合です。
原因は大きく2つあります。

原因1

1つは学習の仕方にミスがあった、あるいはお子さんに合っていなかったため、せっかくの努力が空回りしていた場合です。
授業の内容やテスト問題のレベルは時とともに上がっていきます。周りのお子さんたちも日々成長していきます。4年生の勉強の仕方が5年生のどこかで通用しなくなるのは当たり前です。
ましてや6年生ともなると、集団塾の最大公約数的な授業を受け、そこで与えられる課題をこなしているだけでは解決できない問題がいくらでも出てきます。
偏差値はあくまで相対値、どんなに努力していても、それが効果的な学習になっていなければ置いていかれる一方になってしまいます。

原因2

もう1つは、大変失礼ですが、以前の成績が実力以上に高く出すぎていたという場合です。
このことは営業上の理由なのかどの塾も家庭教師センターも言わないことですが、プロとしての経験から申し上げると、小学校3年生から4年生くらいまでの成績は実はあまり当てにならない(能力や可能性の絶対的な指標にはならない)ものです。
受験向きの理解力や発想力に富んだお子さんでも、勉強の習慣がついていなければこつこつ努力するお子さんには負けてしまいます。
しかし、前者のお子さんがだんだん大人になってきてそれなりの努力ができるようになると、残念ですが「こつこつ型」だけでやってきたお子さんの大部分は抜かれてしまいます。
非情ですがそれが中学入試というものです。その中で、下がり続けた偏差値を復活させるのは並大抵のことではありません。
学習方法を根本から改める必要もあるでしょうし、受験で大きな失敗をしないよう、受験計画を練り直す必要も出てきます。

手遅れになる前に・・・

上記のようなご心配がある場合は、手遅れにならないうちにぜひ代々木進学会にご相談ください。
塾に相談を持って行ってもただ時を逸するのみです(これについては次章で詳しく申し上げます)。
あくまで客観的に、しかし理想は高く持って、お子さんのための最良の道を探ってまいります。


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