NN特訓(志望校別コース)を受講せずに合格を勝ち取る

この章では、NN特訓を受講せずに志望校対策を考えているご家庭に向けて、おもに夏以降の志望校対策―過去問演習の進め方、模擬試験の受け方、弱点補強の仕方などについてご説明いたします。

過去問のフライング実施は「百害あって一利なし」

毎年5月、6月になると来年度受験用・学校別入試問題集が書店の店頭に並び、「いよいよわが子の番だ」と決意を新たにされる方も多いのではないでしょうか。
早速お子さんにやらせてみたくなるのが人情ですが、もちろんそれは厳禁です。
知る限りどの塾でも、夏休み前の過去問演習は「百害あって一利なし」のスタンスをとっているはずです。

これは過去問に限ったことではありませんが、早稲アカというきちんと教材体系を持っている塾にお通いなのですから、カリキュラムが一通り終了する7月まで塾の教材以外には一切手を出すべきではありません。
月並みな表現ですが、塾の授業と家庭学習を車の両輪のようなもの、たとえ同じ方向めざして回っていても、回転数や車の半径が違えば、前進どころか「その場で堂々巡り」になることさえあるのです。

学習効率だけのことではありません。お子さんの精神面について考えても、得になることは何一つありません。
夏前に過去問を解いてみたら、思いのほかよくできた―それで自信がつくこともあるでしょう。
しかしそれよりも、過去問に歯が立たず、要らぬ不安が兆してしまう可能性の方がはるかに大きいのです。
仮に結果がよくても、早期に得た自信は油断や慢心につながりやすいということもあります。

フォローする側は過去問を解いておくべき

しかし、過去問自体は店頭に並んだ時点で購入することをお勧めします
購入後はお子さんの目には触れさせず、ご両親の書棚等に入れて管理されるといいでしょう。

お子さんには「見せない、触れさせない」を徹底する反面、いずれお子さんの学習をフォローすることになるご両親には、早い時期から問題のレベルや傾向を知っておく必要があります
「勉強のことはすべてお任せください」と早稲アカの先生は言いますが、志望校も、そこに向けての到達度もまちまちなお子さんを、校舎レベルで完璧にフォローすることなどできるはずはありません。
同じ目標で集まり、レベルも揃っているNN組とは条件が違いますから。
結局どこかでお父様、お母様の出番が来る可能性が高いのです。

その他の理由としては、志望校の合格ラインとお子さんの到達度との差、それを埋めるために解けなければならない問題が把握できるため、より失敗の少ない受験計画を立てられること、また、学校説明会に出席する際、実際の入試問題を知っているかどうかで説明に対する理解度はまったく変わってくることなどが挙げられます。

そもそも、お子さんに中学受験をさせる、と決意したその時から、保護者の方には受験問題に触れる時間を多く持っていただきたいのです。
そして、そこで得た情報を日常生活にぜひ生かしていただきたいのです。
例えばTVでニュース番組を見るとき、天気予報を見るとき、塾からの帰途に月を見上げるとき、スーパーで生鮮食品を買うとき…「見る人が見れば世界は啓示に満ちている」といいますが、その気になって見ると中学受験に結びつく素材は身の周りにたくさんあふれています
そうしたものに気付けるお母様、お父様の存在はお子さんに頼もしい限りですし、その目は自然にお子さんにも引き継がれていくものです。

たった1つ、保護者の方の「意気込み」「押しつけ」になることだけは注意してください。
極端な例ですが、ご両親がいいと思ったからといってそれを強制しすぎたり、お子さんの興味の対象が向いていることを頭から否定したりするのは逆効果です。

過去問演習の実施方法

開始時期と実施回数

まず過去問演習の開始時期ですが、夏休みの成果を試す「第三回合不合判定テスト」(9月中旬)これが終わったタイミングで始めるのがベストかと思います。
週1回のペースで実施するとして、2月1日までに約20回分の演習が可能です。第一志望に10~12回、その他の志望校に8~10回使うことができます。
とはいえ、これは最低限に近い数字ですから、祝日や学校が早く終わる日などを利用して、あと何回かの時間は確保しておくべきでしょう。

科目別に見ていくと、第一志望の算数・国語については、途中で出題形式の激変がない限り、少なくとも過去10年分(入試が1次、2次に分かれている学校は5年分)は演習しなければなりません。
算数の大問や、国語の記述問題は考え方、解き方が刷り込まれるまで何回も繰り返す必要があります。
2回、3回と復習を重ねる必要もあるので、その時間も考慮に入れておいてください。
理科・社会については過去5年程度で十分でしょう。
4教科トータルの得点を見るために算国に合わせて実施される方も多いのですが、特に社会は、情勢の変化で正解が変わっている場合もあることに気をつけてください。

解いていく順序

次に解いていく順序です。
第二志望から入り、「いける手ごたえ」が得られた段階で第一志望に切り替えるのが無難かと思います。
その「手ごたえ」がなかなか得られないときに、第二志望を見直したり、より安心できる第三志望を用意したりする必要があるためです。
いわゆる「押さえ」の学校にまで不安を残す状況で受験本番に臨むわけにはいきません。
その上で、遅くても11月初旬には第一志望に取りかかるようにしましょう
早稲アカ生の冬は、講習と特訓で息もつけない忙しさになります。
その時期には過去問に触れる間もない日々が続くことを計算に入れておいてください。

「古い年度から解くか、新しい年度から解くか」―これは先生によっても塾によっても判断の分かれる問題です。
単に合格可能性を見たいのなら新しい年度から入るべきです。
10年も前になると、問題の傾向や難易度、他の受験生のレベルが大きく変動している場合もあるので、データとしての信頼度は落ちてしまうからです。
一方、古い年度から解いていくことの利点は、解き始めの頃の得点が良くなくても(初めから合格点に届くお子さんはごくわずかです)受けるショックの度合いが軽くて済むこと、お子さんが最も緊張し、結果も気になる最新年度の問題を、ある程度実力のついた時期に持って行けることです
その点を考えると、第二志望以下は新しい年度から第一志望は古い年度から解いていくのがいいのかもしれません
ただ、学校によっては、ある年度に出題傾向を一気に変えてしまったような場合もあります。
予め過去問には目を通し、そのあたりはしっかり把握しておきましょう。

演習中、演習後の注意

お子さんに得点意識を植え付けるために、また過去問の結果をデータとして生かすために、得点管理はしっかりしてください
得点管理とは、時間の管理採点と解答の管理記録の管理です。

時間の管理
塾によっては「はじめのうち時間は気にしないで」という指導をすることもあるようですが、それはあまりお勧めできません。
言うまでもなく、受験は時間との勝負であり、その部分を鍛えるのも過去問演習の大切な役割だからです。時間内で解ききれ
ない場合は、制限時間が来たところまでを採点対象とし、残りの問題はその後別枠の時間で解くようにしましょう。
採点と解答の管理
採点は厳しく行ってください。
理由がどうであれ、誤答は誤答として扱い、妥協してはいけません。
記述問題は解答文を3つから4つ程度の要素に分け、それぞれに配点をするようにしてください。
また、意外に多いのはお子さんがこっそり解答を見てから解いている場合です。
そこで出てきた得点には全く信憑性がありませんから、お子さんの学習の進捗度、合格可能性を測ることが不可能になってしまいます。
これは極端な例かとは思いますが、お母様が解答を預かっていたにもかかわらず、お子さんが本屋さんで解答を見ていた、という実例もあります。
採点と解答の管理
記録の管理…実施年月日と実施年度、得点は必ず記録に残しておいてください。
また、合格者平均、受験者平均がわかる場合は併記しておくといいでしょう。
いろいろな面で役立つときが来ます。解き終わった過去問の答案用紙は、学校別にファイルを作って保存しましょう。
ファイルのトップには得点の記録用紙をいれておきます。
お子さんの手に余るようでしたら保護者の方が手伝ってあげてください。

解き直しノートを作り、活用する

過去問は必ず解き直し、正解、別解、関連事項などをまとめて書いておくノートを作りましょう。
算・国は学校別に、理科・社会は過去問だけでなく、模試の解き直しを含めて一冊に集約する方法が効果的です。
次の過去問に取り掛かる前、次の模試を受ける前に、それまで書き溜めたことは必ず読み返すようにしましょう。
「同じ間違いを二度としない」―それがノートを作る最大の目的です。

早稲アカの先生からやり方の指示がある場合

早稲アカの先生から過去問演習についての指示が出る場合もあります。
ただ、いつ、どの学校を、どのように進めていくのかなどの運用方法や、答案に対するチェックの細かさは先生個々の裁量に任されているようで、期日厳守で答案やノートの形式にも厳格な先生がいるかと思えば、「持ってきたら見てあげるよ」程度の大雑把な先生もいます。
誤答に対して何か所も添削を入れてくれる先生もいれば、抽象的な感想程度で済ます先生もいます。

さて、ここまでご紹介してきたことと早稲アカの先生の指示した内容が相違している場合ですが、基本的には先生の指示に従うようにした方がいいでしょう
その指示がベストとは限りませんが、「船頭多くして…」のことわざ通り、大人の指示が錯綜すると混乱するのはお子さんです。
解く順序、ノート作りの規則等、形式的な部分はクラス全体の決め事に従っておきましょう。

ただ、困るのは、その手の決め事にはうるさいのに、提出されたノートや答案の返却が遅かったり、結果や誤答に対するアドバイスがおざなりだったりする先生に当たってしまった場合です。
また、なかなか過去問演習が始まらず、気がついたら秋も深まっていた、などという例も過去にはありました。
当然校舎には相談するべきですが、それで解決することはまずありませんし、時間も惜しいので、そのときこそご家庭が主導で動かなければなりません。

弱点補強に結びつける

過去問演習を重視する理由は、1つには合格可能性を把握するため、もう1つは弱点を発見し、その対策を打って合格可能性を高めるためです。
弱点は個人個人で違いますし、その補強は急を要することですから、塾に頼るには限界があります。
過去問演習を始めたらそのための時間は必ず確保するようにしましょう。

いわゆる弱点には、「理科の『ふりこ』ができない」「算数の『ニュートン算』がわからない」といった比較的短期間でも対策可能なものと、「国語の記述問題が書けない」「社会の統計問題をいつも間違える」というような長期的対応を必要とするものがあります。

前者については「2日でけりをつける」覚悟で臨みます。
まず、発見したその週の土日に2~3時間、その苦手範囲を徹底的に演習します。
「苦手」の程度が大きいときは、「予習シリーズ」の解説や例題に戻らなければなりませんから、もう少し時間がかかるかもしれません。
そして次の土日、家庭学習の冒頭に先週演習した問題を何題か、必ずテストしてみてください。
その結果が思わしくないときは再演習です。
しかし、それ以上の労力をかける必要はありません。2週間の間に次の弱点がきっと見つかっているはずです。
1つの範囲ができないことで生じる失点を8点から4点に減らせられれば、学習効率としては満点に近い結果です。

後者については、「60日~90日で改善する」覚悟が必要になります。
苦手が「国語の記述問題」であれば記述に特化した問題集(これはたくさんあります)を、「社会の統計問題」であれば「中学入試問題集・社会編(みくに出版)」から統計問題だけを選び出して、30分から1時間の演習を定期的に行っていきましょう。
ただし、その苦手範囲が合否に直接関わる場合、例えば「芝中が第一志望なのに国語の記述がまったく書けない」お子さんの場合は、その程度の補強ではとても足りません。
もう家庭教師、それもかなり優秀な教師を頼んで任せる以外に方法はないと思います。

お困りの場合は家庭教師を頼ってください

ここまで過去問演習と弱点補強の大切さについて述べさせていただきましたが、これらの対策をご家庭で滞りなく行っていくのはそう簡単なことではありません。
ご両親が仕事でお忙しい場合、下のお子さんがいて手がかかる場合、さらに成長期を迎えたお子さんがご両親の介入を嫌がる場合など、さまざまな事情で万全なフォローをしてあげられない場合もあると思います。

そういう際にはぜひ家庭教師をご利用ください。
塾のフォロー機関としては個別塾などもありますが、個別塾の講師に、過去問の実施計画を立てたり、お子さんの弱点を正確に発見、迅速に補強したりなどできる人間はほぼ皆無です。
中学受験専門でキャリアを重ね、受験情報や塾の情報にも詳しいプロ家庭教師を頼るのが一番確実な道です。

模試の受け方・選び方

最後に、2学期以降の模試の受け方について触れておきます。
1学期は例年4月・7月に行われる第一回、第二回の「合不合判定テスト」を受けるだけで十分です。
まだ学力の安定しない時期ですから、受けなかったとしても特に問題はありません。

2学期以降の「合不合判定テスト」は月1回ずつ、計4回あります。
NNの対象校になっていない中学を受験する場合、「開成オープン模試」のような学校別模試はありませんから、合格可能性を探るためにはこのテストをメインに受けていくことになります。
さらにデータがほしいときや別タイプのテストで対応力を見たいとき、大勢の中で受験する経験値を高めたいときには他塾の模試を併用することになります。
以下に併用の候補を挙げておきます。

SAPIX
「合格力判定オープン」…SAPIX作成とは思えないほど問題は平易ですが、その分平均点が高めになります。「合不合」と日程が重なるときは「合不合」を午後受験で申し込むといいでしょう。
実際の入試でも同日に午前・午後受験をするケースが出てきます。
いい練習になるでしょう。
日能研
「全国公開模試」…難易度・平均点は「合不合」と大差ありません。日程はほとんど
「合不合」とずれているので受けやすいと思います。
12月の20日過ぎにも実施しているのはこのテストだけです。

このほかのテストはあまりおすすめできません。
受験人数の多さから言えば「首都圏統一模試」なのですが、受験者の層を考えると上位校のデータに「?」がつきます。

模試の解き直し

模試の解き直しは、過去問演習と同等に重要なことだとお考えください。
模試用のノートを作ってもいいですし、過去問ノートと合体してもいいので、解き直しの結果もしっかり残すようにしましょう。

特に秋後半の模試は大切です。
もし、そこで出た問題が受験本番にも出題されたらどうでしょう?
しっかりと解き直しをして知識や解き方を身につけたお子さんと、「どこかでやったな」程度の記憶しかないお子さんの差は歴然です。


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