土特とは
土特はサピックスの特別授業「土曜志望校別特訓」の略で、6年生に進級した直後の2月から始まり、入試直前まで続く講座です。
位置づけとしては、入試に向けての実戦力強化兼平常授業の復習(特に理・社)として考えることができると思います。
コースは、基本的には成績で振り分けられ、男女別になります。
コース名には代表的な有名校、地域の重点校の名前がついていますが、志望校別の対策をするわけではありません。
保護者会でも、「土特の冠名は気にしないように」という説明がされるそうです。
土特の授業では、幅広い学校の過去問を解きながら入試本番を意識した演習を行います。
この演習を通じて弱点を明確にすること、より高得点を狙うための技術を身につけていくことが授業の目的です。
問題が「わかる」、「解ける」という段階を、「きちんと得点に結びつける」段階まで引き上げていくのです。
また、理科と社会は4年生からの内容をテーマごとに総復習できるようになっています。
分野ごとの得意不得意の差が大きいお子さん、ある分野がそっくり抜けているお子さんには、絶好の復習のチャンスともなります。
復習は必要最小限に
土特は実戦的な演習力を身につけていくものです。
しかし、基礎的な部分の理解ができていないと、いくら土特で演習をしても実戦力は育ちません。
そこで6年生前半の優先度は「通常授業>土特」ということになります。
志望校が定まった6年生後半になると、順位は「SS特訓および過去問演習>通常授業>土特」に変化します。
ますます授業内完結が求められるようになるので、集中して授業を聞くとともに、復習をより効率化することを心がけてください。
復習は必要最小限でかまいません。
土特が加わることで平常授業の復習にしわ寄せがきては意味がないので、先生に指定されたところや、あと少しで正解できた問題、およびその類題を解く、また、間違えた理由が明確で次に生かせそうなものの確認をするといった程度でかまわないでしょう。
それでも4教科すべてを復習すると土曜日の夜はほぼ使ってしまいます。
ただし理科、社会については、分野によってどうしても復習しておきたい場合も出てきます。
そういうときは何週か先までのスケジュールを見て、無理のない計画を立てることが大切です。
祝日や、学校行事の代休日があるまで待ってもよいのです。
入試直前でもない限り急ぐことはありません。
白紙だらけのウィークリーサピックスを示され、「これはどうすればいいのでしょうか」というご質問を受ける場合があります。
しかし、一冊のウィークリーサピックスには基本から発展までさまざまな問題が収録されているのです。
それをコースによって使い分けるのですから、どのお子さんにも白紙部分が残ってしまうのは当然です。
いつか必要になるときに備えてしっかり保存しておくだけでかまわないでしょう。
ウィークリーチェックはどうするか
ウィークリーチェックは、前回の土特の内容が理解できているかどうかを確認するチェックテストです。
得点がよいに越したことはないのですが、どのお子さんにも、このテストの対策に長い時間を使う余裕はないと思われます。
重点的に取り組みたい科目にしぼって勉強する、早めに塾に行って授業開始までの間に集中して覚えるなど工夫をしましょう。
まとめ
土特やSS特訓の膨大な量のテキストのうち、何をメインに取り組んでいくか、一冊のテキストの中でお子さんが解かなければならない問題はどれか、そのあたりは個人個人でまったく違います。
そして学年が進めば進むほど(受験が近づけば近づくほど)、そうした選択には的確さが必要になってきます。