サンデーサピックスの受け方

サンデーサピックスとは

サンデーサピックスとは、6年生の9月以降に始まる特別授業のことです。
「難関校SS特訓」というのが正式名称ですが、通常は「SS」と略されることが多いようです。
サピックスにとっては看板とも言えるオプション講座で、外部生にも門戸が開かれているため、他塾からも腕に覚えのあるお子さんたちが集います。

サンデーサピックスは、その名の通り毎週日曜日に行われます。
授業は全18回で、そのうちの14回が通常講座、残りの4回が「合格力判定サピックスオープン」というテストになり、入試直前の1月まで行われます。

サンデーサピックスの講座は、志望校別特訓単科講座に分かれ、志望校別特訓から1コース、単科講座から2講座選択します。
どちらかだけの申し込みはできません。

授業時間は志望校別特訓が1教科80分×4、単科講座が1教科100分×2で、朝9時から夕方6時頃まで続くまさに1日がかりの授業になります。

志望校別特訓

志望校別特訓は、以下のコースがあります。

男子校 開成、麻布、武蔵、駒場東邦、栄光、慶應普通部、早稲田、早大学院、桐朋、灘、甲陽学院、など
女子校 桜蔭、女子学院、雙葉、フェリス、学習院女子、横浜共立、神戸女学院、など
共学校 慶應中等部、慶應湘南藤沢、早稲田実業、渋谷幕張、など

自分の志望校の講座が自分の校舎で開講されるとは限らず、他校舎へ通う場合も出てきます。
また、中堅校(サピックスにとっては、ですが)の場合は、「海城・芝・攻玉社特訓」のように一まとめの名前になってしまうこともあります。

コース分けについて、原則として生徒の希望を優先しますが、自分の偏差値と志望校の合格基準偏差値に大きな開きがある場合、たとえば一学期の平均偏差値が44だったが「麻布コース」に入りたいという場合は、希望が通らない場合もあります。

単科講座

単科講座は、算数・国語がそれぞれ基礎と発展の2講座、理科・社会がそれぞれ1講座になります。

算数 算数思考力講座 大型問題の実践演習を中心とする講座です。
算数の基礎力に全く不安がなく、筑駒・灘・開成・栄光・駒場東邦・渋谷幕張等の難関校を志望する生徒で、大型問題の攻略だけが残された課題である生徒のための講座です。
算数解法力講座 基礎から応用まで、レベルに応じて解法テクニックの強化を図る講座です。
算数を苦手とする生徒から、確実な得点源にしたい生徒までに幅広く有効な講座です。
国語 国語記述表現力講座 長文記述問題に対応する講座です。
基本的な読解力がすでに身についている生徒向けの、記述力養成に特化した講座です。
国語読解力講座 実践的な読み方や論理的な解法を身につけることにより、確実に得点力を向上させていく講座です。
知識問題や短文記述のトレーニングも行う総合力養成講座です。
理科 理科知識論理力講座 知識をベースとして理科の基礎力を固め、実践演習を通して情報処理能力の向上と応用力の完成を図る講座です。
スピード(情報処理)が不足して点を落としていた生徒にも有効です。
社会 社会知識論理力講座 知識をベースとして社会の基礎力を固め、実践演習を通して情報処理能力の向上と応用力の完成を図る講座です。
スピード(情報処理)が不足して点を落としていた生徒にも有効です。

一人2講座を選択して受講することになります。
算・国1講座ずつ選択されるお子さんが比較的多いようです。
「算数思考力」「国語記述表現力」は非常に高度な内容を扱うため、本当に必要なお子さん以外は避けたほうが無難です。

理科・社会の講座には、基礎の確認に役立つ内容もふんだんに盛り込まれており、いわゆる「追い込み」をかけるには非常に役に立つ講座です。
もしどちらかの科目が苦手で、入試でもネックとなりそうな予感がするなら、ぜひ受講をお勧めします。
また、入試の得点配分がオール100点で理・社の比重が高い学校(女子学院、鴎友など)の受験にも有効かもしれません。

それぞれ魅力的な講座ですから、何を選択するかは迷うところです。
お子さんの状況と志望校の傾向などをよくお考えのうえ、ご判断ください。
受講開始時に選択した講座を途中変更することも可能ではあるようですが、限られた時間数ですから、一つの科目を継続した方が効果的であることは言うまでもありません。

プロ家庭教師がお子様の学習効果を上げられる理由。

合格への100題

「合格への100題」とは、サンデーサピックスの授業とは別に配られる算数の問題集のことです。
授業では使われないので家庭学習用ということになります。

「開成への100題」「駒東への100題」「慶應への100題」のように、「○○への100題」というタイトルで志望校別に分かれています。

入試の過去問の類題や、サピックスオープンの過去問で構成されているので、難易度は高めになっています。
6年生後半のタイトなスケジュールの中にこの教材を割り込ませる余裕はあまりないと思いますが、ちょっとした空き時間を利用して進めておくと自信になります。

サンデーサピックスを上手に使おう

集中して授業を受ける

サンデーサピックスの志望校別特訓では、志望校の過去問やその類題の演習、解説を中心に授業が進んでいきます。
それだけに、授業中にしっかり聴いて必要なことはメモをとるように心がけていないと、同じ学校を受験するライバルに後れをとることになります。

復習を大切にする

授業と同じくらい復習を大切にしてください。
日曜日に疲れて帰ってきた後は大変だと思いますが、単科講座だけ、または志望校別講座のうち2~3教科だけでも片付けてしまうと、その週全体のスケジュールが楽になります。
あるいは、算数以外はその日に済ませ、算数は翌日にじっくり取り組むというのもいいかもしれません。

9月~10月はまだ解けない問題がたくさんあると思います。
それは気にせずにきちんと解き直し、解き方、考え方の要点をまとめておけば、いずれ同じような問題にチャレンジするチャンスが必ず来ます。
ですから得点やクラス内の順位(演習するごとに発表されるようです)に一喜一憂する必要はまったくありません。

残り100日を切った11月からは考えを変えてください。
ここでしっかり身につけないと、もう再復習のチャンスはない、という考えに立つのです。
算数、国語には、この問題が正解できれば総得点が6割を超えるのに、というような問題があるはずです。
その一問の理解のためなら、時には夜遅くまでの学習も必要になるかもしれません。

理科、社会は自分用「まとめノート」を作るようにしましょう。
授業中に出てきた知識の中で、自分の知らないもの、知っていても不完全なものについて、正しい情報と関連事項をまとめておくのです。
サピックスのカリキュラムが終了する夏休みから始めるとよいでしょう。
それが溜まってきたら、テストの前に必ず見直すようにします。
すぐには効果が出ませんが、何といっても自分の弱点だけを集めたノートです。
じわじわ効果が出てくるようになります。

体調に気をつける

SS特訓は1日いっぱいの長丁場ですから、体調には十分気をつけてください。
前日の睡眠はしっかりとらせるべきです。

また、SSの後半は寒い時期に入ります。
風邪がかなり悪化した状態でお子さんを出席させると、それこそお母様同士のトラブルにも発展しかねません。

体調管理にはくれぐれもご注意ください。

必要でない場合は受けないという選択肢も

意外に思われるかもしれませんが、SS特訓を受けず、その時間を別の形で活かすという方法で成功された方も一定数はいらっしゃいます。

まず、ご自分の志望校向けのコースがない場合です。
いわゆる混成クラスですから、特定の志望校へ合わせた授業は当然少なくなります。
失礼ですが、先生の質も御三家コースより落ちることになります。
そもそもコース編成の基準が難易度と地域性に置かれ、入試問題の質はあまり考慮されていないように感じられます。
それなら過去問と弱点補強に日曜日をフル活用する方が有効なのかもしれません。

次に、SS特訓で扱われるレベルとお子さんの現状にギャップがある場合です。
具体的には偏差値40くらいが目安になるかと思います。

6年生後半をその位置で迎えてしまった場合は、第一志望の合格よりも、まず「一定以上の学校に合格すること」に重点を置く必要が出てきます。
とはいっても、サピックス生の「一定以上」ですから、決して易しい学校ではありません。
その対策もしっかりしないと受験計画が土台から揺らいでしまう可能性があるのに時間は限られています。

となると、削るのはSSではないでしょうか。
サピックスの先生はこういう場合決まって土特を削るよう提案しますが、時間がより増え、費用的にも助かるのはSSの方ですから。

さらに、SS特訓を受けても何のデメリットもないように思われるお子さんでも、SSは見送って家庭教師との二人三脚体制を選択される方がいらっしゃいます。

  • 「極端に苦手な教科のフォロー」
  • 「よりきめの細かい志望校対策や志望校変更に伴う対策」
  • 「中高一貫校に向けた指導」

など、目的はさまざまです。

明確な意志と具体的な目的に基づく選択であるとともに、お子さんの気持ちも合格に向けて引き締まっている時期ですから、その成功率は非常に高くなっています。

 
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