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難関校の合格には記述問題対策が必須!
サピックスの国語は、御三家をはじめとする難関校への合格を視野に入れた記述対策に重点を置いています。
記述問題を通して、国語だけでなく他科目の基礎学力も高めるという方針があるようです。
確かに記述力は論理力を背景としますから、それを鍛えることは大きなアドバンテージを得ることにつながります。
選択問題も志望校によっては大きな割合に
しかし、授業が記述中心に行われる一方で、マンスリーテストや組分けテストに占める記述問題の割合は15~25%程度にすぎず、むしろ記号選択や抜き出し問題の出来不出来がテストの結果を左右している面は否定できません。
また、6年生の場合は、お子さんの志望校の問題が記述問題中心か選択問題中心かによって勉強の仕方に違いが生じる場合もあります。
サピックスの国語を伸ばすために
入試に直結するAテキストの知識
まずデイリーチェックを必ず復習しましょう
間違えた漢字は必ず書いて覚えるべきですが、10回も書くのはただの時間の無駄にすぎません。
漢字の構成やトメ、ハネを意識しつつ、集中して丁寧に書きましょう。
間違えてしまった知識問題の見直しも当然します。
マンスリーテスト前にもう一度見直せるよう、間違えた問題の上にはチェックを入れておくと効果的です。
そして次回デイリーチェックの準備です
まず漢字一字ずつが持つ意味を覚えましょう。
さらに用例に出てくる語句のうち、初めて見る語句の意味について確認しておきましょう。
国語辞典を調べて、それぞれの語句がどのような状況でどう使い分けるべきなのかまで理解できれば完璧です。
また、変わった読み方、たとえば「初」を「書初(ぞ)め」「初々(ういうい)しい」と読むような例は、特によく覚えましょう。
入試に出た場合正答率が下がる(正解できれば差をつけられる)からこそ、わざわざ取り上げてあるのです。
Aテキストに載っている問題は、すべて入試に直結する重要な問題なのだと思ってください。
特に国語の苦手なお子さんにとって、漢字・知識で確保する得点はまさに命綱にもなりかねないのです。
また、国語に苦手意識を持ち、なかなか手がつかないというお子さんの場合は、Bテキストを最小限の宿題だけにとどめ、Aの知識問題と読解は必ずやって解き直す、というところから学習習慣をつけていく方法もあります。
Bテキストで「読み」を深める
サピックスでは、6年生の一学期まではBテキストを中心に授業が展開されます。
授業では、生徒に実際に書かせることで、思考力を鍛えるという方法をとっています。
日常的に書くという行為が授業の中で当然のこととなっているので、記述に対する生徒の抵抗感が他塾と比べ、格段に少なくなっています。
サピックスの内部にいるとなかなか気づかないことですが、外から見るとその差は歴然です。
サピックスが御三家をはじめとした難関校に強い理由の一つはここにあります。
これらの学校の入試問題は記述問題を主体として構成されているため、記述に強くなることが合格する近道となるのです。
書くということは、漠然とした自分の考えを、論理的な流れを意識しながらまとめるということです。
当然のことながら論理的思考力が鍛えられます。しかし、それだけではありません。
設問の意図を見抜く一種の洞察力や、条件を見落とさない慎重さ、手際よく時間内でまとめる作業力、相手に伝える表現力などを育てることができるのです。
サピックスの授業では、テキストの問題を解いている最中に生徒一人ひとりの答案を先生や講師が採点して回ります。
一回目で正解の答案が書けなくても、考えて再び書き直すことができます。
そしてまた採点、書き直し…こうした試行錯誤を通して、読解力・記述力を身につけていこうとするのです。
しかし、当然ながら実際の入試でそう何度も書き直している時間はありません。
授業中もしっかり考えて、これが最後、という意識を持って答案を仕上げることが大切です。
ご家庭では、まず授業中に間違えてしまった問題を、どこが間違いだったのか、何が足りなかったのか、本文のどの部分に注目すればもっと正解の答案に近づけたのか、を考える勉強法から始めましょう。
長文問題の読解は、文章と設問の理解がまずあって、それから論理的に答えを導き出すというプロセスを踏みますから、自分がどの段階で間違えたのかを明確にできなければ正解に近づくことはできません。
設問の単純な読み落としや読み違いだったのか、それとも作問者の意図を理解できなかったのか、設問理解に問題がなかったとしたら、自分が線引きした部分以外にも根拠となる箇所があったのか…というように、落し物をしたときに自分の帰路をもう一度たどってみるような感じで振り返っていきましょう。
そのうえで解答例と比較して、自分の答えに抜けている要素は本文のどこにあるのか、そこは傍線部とどんな関係になっているのか、など徐々に読みを深めていきます。
中には、知らない言葉が出ていた、つまり語彙力が不足していたから間違えてしまった、という場合もありますが、よく読んでみると、周りの言葉から意味を類推できることも多いのです。
常にこういう復習を心がけた勉強法であれ、文章の読解力、設問への対応力は間違いなくアップしていくでしょう。
また、Bテキストの学習は忙しい受験生にとって「読書」の役割を兼ねていることも忘れてはいけません。
「読解と記述」に出題されるのは内容的に完結した長文で、それが一つの作品全体である場合も少なくありません。
比率的には物語文が多く、随筆文、説明文がそれに次ぎます。学年を追うごとに文章が長くなり、字も細かくなっていきます。
6年生の場合、長いものになると10,000字にも達する文章を読むことになります。
取り上げられる作品の筆者は、たとえば宮沢賢治、新美南吉といった昔の児童文学作家や、重松清、村山由佳など現代の流行作家、学者でエッセイストの日高敏隆、河合隼雄等多岐に渡ります。
単に「入試に出た」というだけではなく内容的にもぜひ読んでおきたい作品が多いのは、Bテキストが単なる教材ではなく、忙しい受験生の「課題図書」にもなっているからでしょう。
さらにはカリキュラム自体の中には、「他人に対する想像力を持とう(4年生一学期)」、「いま自分たちが生きている社会の矛盾や人間関係の不条理について問いかけてみよう(5年生二学期)」というようなお子さんの成長度に合わせたメッセージがこめられているように感じられます。
授業ではその内容把握と、主題の発見に多くの時間が費やされます。
問題を解くテクニックよりも文章そのものの理解が優先されるのです。
土特テキストの活用でAタイプ問題の対策を効果的に
6年になると始まる土曜志望校別特訓では、ウィークリーサピックスという教材が配布されます。
ウィークリーサピックスには読解問題が3題載っています。
- Aタイプ、記号選択や抜き出し問題が中心
- ABタイプ、抜き出し問題と記述問題
- Bタイプ、記述問題が中心
それらの問題は、入試問題そのまま、またはその抜粋やそこに一部手を加えた問題がほとんどです。
授業では、3題全てを扱うわけではなく、クラスレベルやクラスの冠名に応じてこの中から1題か2題を選び、時間を区切った演習形式で取り組んでいます。
得点を出し、クラスで何番と発表することもあります。
普段Bテキストの復習に追われて、Aタイプの問題に取り組む機会が少ないお子さんにとって、土特の1、2は貴重な教材といえます。
たとえば豊島岡女子が第一志望として上がってきた場合、あるいは、慶応の付属校を三校連続で受けたいという場合、それらはいずれも上位校の一角を占める学校ですが、慶応湘南藤沢の一部の問題を除けば、記述力はほとんど必要のない国語の出題がされています。
男子の中堅校にも、記述問題より抜き出しや記号選択の問題を鍛えたほうが得、という学校が多いようです。
また、第一志望が男子御三家で記述中心になるとしても、第二、第三志望では、浅野・芝・城北・攻玉社を受ける方が多いのです。
もちろん記述問題の学習を通じて「ほんとうの国語力」を身に付けてきたお子さんには、問題のタイプが変わったくらいは何の問題もないでしょう。
ただ、Bテキスト=記述に追われ、とにかく解答例を参考に正解に近い答を書いて次回のノート提出に間に合わせる、または親御さんのチェックをくぐり抜ける、という勉強の仕方を続けてきたお子さんの場合、「いままでやってきたことは何だったんだ」ということにもなりかねないのです。
早急な対策が必要なケースです。
巻末には、ウィークリーステップという知識内容の確認問題が載っています。
通常のA授業と連動しているので、A授業と合わせて学習しましょう。
これもAテキストの知識問題と同じで、間違った問題にはチェックを入れておき、模試など節目ごとに見直すようにするとよいでしょう。
ご家庭でのフォローとその難しさ
記述問題を見てあげるとき、解答例とどこまで重なっていればいいのか、こういう言い換えは認めてもいいのか、悩まれたことはないでしょうか。
記述問題の答は一通りではありません。
中学入試の問題集で、○○中学の記述の解答例が出版社によってまったく違っていた、というようなことはよくあることです。
どこまでが許容範囲なのかを判断するのは難しいと思います。
サピックスの先生の指示通りに過去問を解き、ノートに貼って出したのになかなか返ってこない。
返ってきたら、励ましの言葉とごく簡単な書きこみがあるだけだった。
これはよく聞く話です。
仕方ないからご家庭で解き直してみたが、結局問題集の解説を親子で読み合わせただけだった―これではお子さんのモチベーションにも響くのではないでしょうか。
より有効な国語対策のために
「サピックスに任せていれば大丈夫」ご父母対象の説明会や個人面談では必ず聞かれる言葉です。
サピックスは実際に合格数を出しているのですから、それを言う資格は十分あると思います。
しかし、そのサピックスについていくために専門の家庭教師や個別指導塾を利用されているご家庭は決して少なくないのです。
国語には絶対的な式や解法はありません。
また、国語はいかなるときも答が一つに定まるという科目でもありません。
国語の指導とは、「論理力」を鍛え、「考え方」「選び方」「検討の仕方」などを身につけさせることです。
それは非常に微妙で、複雑で、根気の要る作業ですが、そうした指導を通じてお子さんを「大人に」育てることができれば、他の科目の学習にもきっと生きてくるはずです。