中学受験で必ず耳にする「繰り上げ合格」について
中学受験では、必ず繰り上げ合格という言葉を耳にすることがあります。
最初は不合格だったものの、追加の合格者になり無事合格できることをそう呼んでいるのですが、これはなぜ起こるのかがわからない、という人もいるでしょう。
これがどのようなものか、詳しく解説します。
- 目次
繰り上げ合格とは?
中学受験が終わり、合格発表が出されて結果が決まります。
しかし、合格発表では不合格で後になって繰り上げ合格、または補欠合格や追加合格として、合格になることがあるのです。
毎年必ず耳にするこれは、どういう仕組みなのでしょうか?
中学受験では、ほとんどの人が複数校を受験しています。
志望校が複数あるケースもあれば、滑り止めなどで受験していることもあります。
そのため、合格しても他の中学に進学するために、入学を辞退するケースがあるのです。
学校側でも、毎年のことなのであらかじめ募集人数以上の合格者を出しているのですが、その年にどれだけの人数が辞退するのかは先に把握できるものではありません。
想定していたよりも辞退者が多かった場合、入学希望者が募集人数を下回ってしまうことがあるのです。
例えば、240人の募集に対して500人が受験し、そのうち300人を合格者としたものの、辞退者が68人出た場合は定員に8人足りなくなります。
その場合は、不合格だった人の中から上位の成績の人8人繰り上げ合格としているのです。
繰り上げ合格はどのようなものか
選ばれ方は基本的に点数順ですが、同じ点数の人が複数人いた場合は算数など、その学校で力を入れている特定の教科の点数を比較してより高い方を優先的に繰り上げ合格とするなど、学校によってルールが定められています。
その判断の基準に関しては、公表しているかどうかは学校によって異なります。
事前に自分の志望する学校の基準が公表されているか、されている場合はどんなルールになっているのか、また連絡はどのタイミングでどうやってくるのかを確認しておきましょう。
後から合格になる可能性がある生徒には事前にそのことを通知する学校もありますが、必ずしも事前通知があるとは限りません。
事前通知がない場合は、いきなり通知がきて合格になるのです。
かつては、合格発表時に正規合格者と合わせて補欠合格候補者の受験番号が掲示され、それを通知としていたのですが、今はほとんどの学校でその掲示が行われることはなくなり、候補者となった人にのみ封書などで通知されるようになっています。
もしそうなった場合、合格になったという連絡は入学手続きが終わってから数日以内に来るケースがほとんどです。
そのタイミングで、入学する生徒の数がほぼ確定するからです。
しかし、候補者が多い場合などはその限りではありません。
学校での選考や処理が遅れてしまい、連絡が通常以上に遅くなる可能性もあるのです。
また、その際の連絡は主に電話での連絡となっています。
電話は、入学願書に記入した番号にかかってくるので、保護者との連絡が付きやすい携帯電話などを記入しておくのがおすすめです。
また、学校によっては非通知でかけてくることもあるので、連絡が来る可能性のある期間は携帯電話、固定電話ともども非通知拒否設定にしないよう注意してください。
どのくらいの人数が追加になるのか、そもそもその年はそうなる可能性があるのかは、学校によっても異なる上に同じ学校でも毎年違います。
また、連絡方法も電話とは限らないので、注意しなくてはいけません。
そういった情報は、最新の入試情報や動向をチェックしてみましょう。
ほとんどの子どもは塾に通っていると思うので、塾の先生に聞いてみるといいでしょう。
多くのデータを持っていて、適切なアドバイスをしてくれます。
実際にそうなる可能性はどのくらいある?
中学受験のために頑張って勉強してきたのに、不合格となってしまうことはあります。
その場合、一度落ちていても合格になる可能性があると思えば、期待してしまうでしょう。
実際にそうなる可能性は、どのくらいあるのでしょうか?
先ほども言いましたが、どの学校もあらかじめ入学辞退者が出ることを想定して合格者を募集人員よりも多くしています。
その際は例年のデータを参考にして決定しているのですが、たまたまその年だけ合格辞退者が特別多かった、ということはめったにありません。
また、トップクラスの難関校になると、そもそもそこを辞退するという人があまりいないため、最初の合格者だけで終わりとなる年があるのも珍しくありません。
後から合格になるのはごくまれなことなので、過度の期待はやめておきましょう。
それよりも、正規合格者になることを目指すべきです。
学校によっては、入試の結果が出てから合格者の平均点、および合格最低点が発表されます。
その場合に、点数がほんの少し足りなかったという場合なら、その後で合格になる可能性もあります。
その点差を分けたのが、ケアレスミスだったということもよくあるのです。
ほんの些細な間違いで、合格できずそれでも期待を続けるよりも、ケアレスミスを無くする努力をしたほうが確実です。
連絡が来た場合に備えて
あまり期待ができないとはいっても、毎年ある程度の人数が出ているものなので、自己採点で合格まであと一歩だったという場合は連絡が来ることも考えられます。
その場合、どうしたらいいのでしょうか?
まずは、連絡が来た場合を想定してどう対応するかを考えておきましょう。
受験生の親として、あらかじめ準備しておく必要があるのです。
ただし、それは自分だけで決めていいものではありません。
こういったケースでの連絡は、その場で入学するつもりがあるかどうかを聞かれます。
そこではっきりと返事ができるように、あらかじめ子どもと話し合っておきましょう。
もしかしたら、他にもっと行きたい中学校があるから不合格でいい、と思っているかもしれないのです。
入試が終わったら、子どもと一度話し合っておきましょう。
通うのは子どもなのですから、子どもの意思を尊重するべきです。
決して、無理強いはしないようにしてください。
また、普通の合格ではないということを嫌がる子どももいます。
同じ合格でも、正規に合格した他の子どもより劣っている気持ちになるのです。
そのせいで、せっかく運良く合格できたのに行きたくないと思ってしまうのです。
しかし、そもそも選ばれたということは、点数が合格者よりごくわずかに少なかったということです。
そのため、入学に必要とされる学力には十分に届いているといっていいでしょう。
まずは、そのことを子どもに伝えてあげてください。
その上で、子どもが正しく判断できるように子どもを導いてあげてください。
一時の感情で入学を辞退すると、後になってから後悔するかもしれません。
大切なのは正規合格者かどうかよりも、入学後に頑張ることができるかということなのです。
まとめ
複数受験をする以上、繰り上げ合格者が出るのは当たり前といえます。
そうなったときはラッキーなのですが、あまり期待していても仕方がないものです。
ただし、繰り上げ合格になったときの対応については、あらかじめ考えておきましょう。
連絡が来てからは、待ってもらうことができないのです。
すぐに返事ができるよう、子どもと話し合っておくことは忘れないようにしてください。
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