中学受験における「調査書」の重要性はどの程度なのか?
中学受験の際、出願先の学校によっては入学願書以外に調査書、もしくは報告書を提出しなくてはならないこともあります。
実は、この書類が合否に影響することもあるのです。
中学受験において、調査書はどのくらい重要なのでしょうか?
その重要性や、手配の方法を解説します。
- 目次
調査書とは?
中学受験をする際は、志望校に入学願書を提出します。
しかし、中学校の中には入学願書以外に、調査書の提出を求めるところもあります。
調査書については、聞き覚えのない人もいるかと思います。
調査所は、現在通っている小学校の先生が作成するものです。
内容は、お子様がどのような人なのかを書いたものです。
各教科の成績や学校生活で行っていた特別活動、日常での行動、出欠などがかかれています。
イメージとしては、高校受験の時に中学校から出される内申書のようなものです。
必要となるのは、公立中高一貫校や私立中学校の一部です。
すべての中学受験で必要となるとは限らないので、必要に応じて書いてもらうようにしましょう。
調査書の対象となるのは、小学校に入学してからずっと、というわけではありません。
大半の学校は、5年生と6年生の2年間を対象としています。
一部の中学校では異なっているので、募集要項などを呼んであらかじめ確認しておきましょう。
調査書の中で、特に重視される項目がいくつかあります。
それは、出席日数、各学科の成績、学校での様子などです。
学校での様子は、授業態度や生活態度、クラブ活動や児童会活動等に対しての評価が含まれます。
この他に、習い事で表彰された場合や資格を取得しているなどの課外活動での成果があれば、それも子どもの自主性として評価に繋がるケースもあります。
学内以外のことでも、先生が知っていれば調査書に記載されるのです。
受験の合否に対する影響
入試の点数はもちろんのこと、調査書を要求される中学校ではその内容も合否の判断材料になります。
それだけで合格することはありませんが、学校によっては大きく影響することもあります。
調査書の重要性は、それぞれの学校で異なると言われています。
特に、私立中学と公立中高一貫校では、かなり違いがあると言われているのです。
その重要度は、どう違うのでしょうか?
私立中学の場合
私立中学の場合は、重要度も低いと言われています。
調査書をそもそも提出する必要がないところも多く、提出を求められたとしてもそれほど重要視されていないのです。
しかし、出席日数がかなり少ない場合や、一部の強化だけ成績が極端に低い場合などは、注意が必要です。
その場合、与える印象は大幅に低くなるでしょう。
例えば、受験をする子どもの中には受験と関係のない音楽や図画工作などは、授業をしっかりと受けていないこともあります。
しかし、調査書にはそれも影響するため、しっかりと授業を受けなくてはいけません。
出席日数も、風邪などの理由がある場合は問題無いのですが、特に用事もないのに何度も休んでいるようだと、合否判定に影響することがあります。
例えば、難関校として有名な灘中学校では調査書の提出が必要なのですが、そこでは出席日数が特に重視されています。
公立中高一貫校の場合
公立中高一貫校では、調査書が重視されます。
入試の筆記テストは適性検査と呼ばれるのですが、それと並んで調査書の内容も重要となるのです。
その点は、高校受験の内申書と変わりません。
適性検査と調査書は、配点比率が決められているのです。
その比率は中学校によって異なるのですが、最も多いのは適性検査が80%、調査書が20%という割合の学校です。
最も高いところでは、調査書が30%となっています。
低いところでは、18%ほどです。
志望校がどのくらいの配点比率なのかは、募集要項で必ず確認しておきましょう。
調査書の作成依頼の注意点
調査所は、成績表のコピーで代用できるケースもあります。
しかし、中にはオリジナルの書式を用意してそれに記載しなくてはならない中学校もあり、その場合は小学校の先生に作成してもらえるよう頼む必要があります。
ただし、調査書の作成というのは小学校の先生にとって、通常業務ではありません。
言うなれば、余計な手間なのです。
そのため、作成してもらって当たり前のように考えないようにしてください。
調査書は、合否に大きく影響する重要な書類です。
そのため、期日までに不備なく揃えておく必要があるのです。
間違いがないように、細心の注意を払って準備しておきましょう。
まず、作成を依頼するときは十分な余裕をもって依頼してください。
先生にとって、調査書を作成する手間は決して軽いものではないのです。
また、担任の先生が作成してから複数の先生によって確認されるのがルールなので、ほかの先生の都合も考えなくてはいけません。
そういった事情もあるため、作成依頼は余裕をもってお願いしなくてはいけません。
願書を入手するころに依頼するのが一般的ですが、その前の三者面談などで先生に会ったとき、あらかじめ中学受験を考えていて調査書をお願いすると思うと伝えておきましょう。
依頼する際は、先生がわかりやすいように情報を添付するなどの工夫をしましょう。
また、複数校で必要な場合はそれぞれ依頼するのではなく、まとめて依頼したほうが先生の手間が省けます。
調査書でアピールしておきたいポイントがある場合は、それも先生に伝えておきましょう。
特に、志望校の特徴につながるようなアピールポイントがあれば、必ず入れてもらうようにしたほうがいいのです。
調査書は、完成すると封緘して渡されます。
内容が気になるでしょうが、開封は厳禁です。
開けた場合は無効になってしまうので、注意してください。
調査書対策
合否判定に影響する以上、調査書にも対策をしたいと考えるのは当たり前です。
しかし、特別な対策は必要ありません
いくつかのポイントに注意していれば、問題はないのです。
さしあたって、学校生活はルールを守って過ごしましょう。
調査書は普段の学校生活が大きく影響するので、一朝一夕には改善されません
普段から授業をしっかりと聞いて、忘れ物をせず提出物の起源は守るなど、基本的なルールを守っていれば問題ないのです。
また、クラブ活動や委員会活動に取り組むなど学業以外にも熱心にしていれば、評価は高くなるでしょう。
そうすることで学校生活もより楽しくなり、そのことが調査書にも反映されるでしょう。
中学受験をするとなると、学校の他の子どもとの関わりが減ってしまうことがあります。
しかし、調査書では集団での生活の様子もチェックされるため、集団生活は大切にしなくてはいけないのです。
他の子と切磋琢磨することで、向上心が磨かれます。
協力しながら何かを成し遂げると、協調性が身につくでしょう。
そういった面も、調査書ではみられることになるのです。
集団生活をする場合は、そこでしか経験できないこともたくさんあります。
学校で友達と過ごす時間を有意義なものにするために、受験が近づいても学校生活をおろそかにしないように注意しましょう。
学校での出来事なども、こまめに子どもから聞くようにしてください。
まとめ
中学受験で調査書の提出が必要な場合、わざわざ求められている以上合否と無関係ではありません。
配点割合には違いがあるものの、どの中学校でも一定の重要性はあるものです。
志望校が調査書の提出を必要とする学校の場合、調査書がどのような内容なのかを確認して、その内容がなるべくいいものにすることを考え学校生活の基本を守って過ごしましょう。
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