【2022年度版時事問題対策】昨年新たに追加された世界遺産
多くの中学の入試問題では毎年、時事問題が出題されています。
数年間の重要な話題は、必ずチェックしておかなくてはいけません。
その中でも特に注目したい話題の1つが、2021年に新たに追加された世界遺産です。
どのようなものか、また入試ではどんなことを問われるのかを解説します。
- 目次
世界遺産について
世界遺産は、日本でも登録が増えて大きな話題となっています。
しかし、そもそも世界遺産とは何なのでしょうか?
また、どのようなものが登録されているのでしょうか?
世界遺産というのは、世界遺産リストに登録されている建造物や遺跡、自然、景観などのことを言います。
ユネスコ総会で1972年に採択された、世界遺産条約に基づいて登録されています。
リストへの登録は、世界遺産委員会で審議が行われて登録を認めるかどうかが決まります。
この委員会は21の委員国から成り、年1回開催されています。
日本がこの世界遺産条約に参加したのは1992年のことで、参加した翌年には、「姫路城」「白神山地」「法隆寺地域の仏教建造物群」「屋久島」の4つが日本初の世界遺産として登録されました。
世界遺産は、大きく4つに分かれています。
文化遺産、自然遺産、複合遺産です。
最初に登録された4つの世界遺産でいうと、姫路城と法隆寺地域の仏教建造物群は文化遺産、白神山地と屋久島は自然遺産に登録されています。
世界遺産は、世界中で合計1,000以上あります。
2021年に2つ登録され、日本には合計25の世界遺産が存在しています。
2021年に登録された世界遺産は文化遺産と自然遺産それぞれ1つずつであり、文化遺産は20、自然遺産は5となっています。
また、その中には複数の県にまたがっているものも少なくありません。
最も多くまたがっているのは「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」で、岩手県、静岡県、山口県、福岡県、熊本県、佐賀県、長崎県、鹿児島県と東北から九州までの間に点在しています。
新たに登録された世界遺産は?
2021年に登録された世界遺産は、鹿児島県と沖縄県に存在する自然遺産の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」と、北海道から青森県、岩手県、秋田県にある文化遺産の「北海道・北東北の縄文遺跡群」です。
それぞれ、詳しく解説します。
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が登録された理由は、生息する生物の多様性です。
特定の地域にしか生息していない希少な固有種や絶滅危惧種などが、多数生息しています。
絶滅危惧種は、イリオモテヤマネコやアマミノクロウサギ、ヤンバルクイナがいます。
また、生物が独自の進化を遂げていることも登録された理由です。
ここでしか見られない生物が、沢山いるのです。
こういった理由から、ユネスコの諮問機関として世界遺産登録の可否を勧告したのは、絶滅危惧種を定めているIUCN(国際自然保護連合)です。
絶滅危惧種が多い点が、登録の決め手の1つとなったのです。
北海道・北東北の縄文遺跡群
「北海道・北東北の縄文遺跡群」が登録された理由は、いくつかあります。
まず、およそ1万年にわたって発展していて、集落として大規模であり祭祀道具に特異性がみられる地域文化圏であることです。
縄文時代を代表する遺跡群であり、同じ時代にあった別の文化圏にも様々な影響を与えています。
縄文時代の人々の生活と精神文化を現代へと伝える、貴重な文化遺産として認められたのです。
この世界遺産は、合計17の遺跡や貝塚、墓群、環状列石と関連資産である貝塚、遺跡によって構成されています。
また、世界で初めてとなる、発掘された考古遺跡のみで構成された世界遺産でもあります。
登録されたのは2021年でしたが、実は構想自体が生まれたのは2002年のことです。
世界遺産登録は2007年8月から推進していて、2009年には暫定リストに登録されていました。
しかし、2017年までは5年連続で推薦が見送られていました。
また、2018年には2020年の審議の正式候補となったのですが、その年からは審議対象を一国一件に限るという決まりができました。
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」も2020年の登録を目指していたため、自然遺産を優先的に審査することから縄文遺跡群は2021年推薦に回されたのです。
そうして、2021年には両方とも無事、世界遺産として登録されました。
世界遺産に関する問題の予想
では、この2つは時事問題として、どのような形で出題されるのでしょうか?
予想される出題形式や、関連情報についても解説します。
各校の出題傾向と照らし合わせて、参考にしてください。
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島について
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」に関しては、まず歴史的観点における関連した事項が出題される可能性があります。
歴史上の出来事によって生じたものが、問題として出題されるのです。
例えば、奄美大島周辺には多くのアメリカ軍基地があります。
これは、第二次世界大戦後に締結された安全保障条約によるもので、日本にあるアメリカ軍基地のうち約74%が沖縄県に集中しているのです。
また、地理に関連した問題が出される可能性もあります。
鹿児島県や沖縄県は、南西諸島気候といわれる平均気温が日本の中でも特に高い気候です。
日本には6つの気候があるのですが、その中でも特に特徴のある気候です。
そのため、雨温図による出題も考えられます。
雨温図を見分けられるように、しっかりと覚えておきましょう。
また、九州以南には世界遺産に登録された4つの島を含めて7つの島があるのですが、それぞれの島について出題されることもあります。
どの島も重要なので、その島の特徴なども含めて覚えておきましょう。
また、高齢化率に関して出題される可能性もあります。
都市圏は高齢化率が低く、地方都市は高いという傾向があるのですが、実は沖縄県は全国でも有数の高齢化率の低い地域なのです。
北海道・北東北の縄文遺跡群について
もう1つの「北海道・北東北の縄文遺跡群」に関しては、まず縄文時代に関する問題が出題されるかもしれません。
遮光器土偶や縄文式土器と別のものを並べて、どれが縄文時代のものかを選択させる可能性もあるでしょう。
また、遺跡の中でも代表的なものは、その名前を問われる可能性もあります。
例えば、縄文遺跡群の中で青森県を代表する遺跡は?という問題があるかもしれません。
ちなみに答えは、三内丸山遺跡です。
このほか、写真からその遺跡はどれか、という問題が出される可能性もあります。
特に可能性が高いのは、特徴のある大湯環状列石です。
それ以外にも、特徴がある遺跡に関してはその名前をチェックしておきましょう。
その他の予想
世界遺産について出題されるとは言っても、直接的な問題からあまり関係ないように思える問題まで、様々な種類があると考えられます。
そのため、なるべく幅広く対策しておくようにしましょう。
世界遺産登録は、国内だけに収まらない大きな話題なので、出題される可能性は高いでしょう。
それぞれの特徴だけではなく、その漢字での表記なども間違えないようにしておきましょう。
まとめ
2021年に登録された2つの世界遺産は、時事問題として出題されやすいものです。
そのため、内容はなるべく細かいところまで覚えておきましょう。
公式のホームページなどを参考にすると、情報量も多く覚えやすいかと思います。
また、それぞれの関連事項に関しても、忘れずに覚えておくべきです。
どんなものかを楽しみながら学ぶことができれば、覚えやすくなるでしょう。
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