【2022年度版時事問題対策】SDGsについて抑えておこう
毎年、多くの中学の入試問題では毎年、時事問題が出題されています。
その年の重要な話題は、必ずチェックしておかなくてはいけません。
その中でも、特に注目したい話題の1つがSDGsです。
どのようなものか、また入試ではどんなことを問われるのかを解説します。
- 目次
SDGsについて
まずは、そもそもSDGsというのは何のことなのか、解説します。
これは、「Sustainable Development Goals」を略したもので、日本語にすると「持続可能な開発目標」という意味になります。
ここ数年で特に注目されていますが、国連サミットで採択されたのは2015年9月です。
そして、国連加盟国である193か国が、2016年から2030年までの15年間で達成することを掲げた目標がSDGsです。
SDGsは、17の大きな目標と169のターゲットから成っています。
まずは目標があって、それぞれに10前後のターゲットがあるという形になっています。
目標を達成するために必要なステップを、ターゲットとしているのです。
ちなみに、ターゲットの下には更に、232の指標があります。
これは、ターゲットをクリアするための具体的な数値目標です。
まずはこの指標を達成してターゲットをクリアしていき、最終的に大きな目標を達成することを目指します。
大きな目標は、以下のようになっています。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
これに対して、ターゲットがそれぞれいくつか定められているのです。
例えば、1.貧困をなくそうという大きな目標のターゲットには、「2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。」といったターゲットがいくつか定められています。
このターゲットでは「終わらせる」となっていますが、それ以外では「半減させる」というものもあれば、「十分な保護を達成する」のように具体性があまりないものもあります。
これらに具体性を持たせるために、232の指標があるのです。
中学受験で出題される内容
中学受験では、どのような形で出題されると予想されるでしょうか?
実は、2021年度の入試でもSDGsについての問題が多くの学校で出題されています。
その中で、最もシンプルな出題方法だったのが、「持続可能な開発目標を示した行動指針をアルファベット4文字で何というか?」というものでした。
また、SDGsは日本語でどんな意味か?という問題を出したところもあります。
しかし、そういったシンプルな出題ばかりではなく、より深い内容を問われた学校もあります。
例えば、早稲田実業で出題された問題は、東京オリンピック・パラリンピックのメダルの原材料のため、小型家電から集めた金属をメダルの原材料とするプロジェクトが実施されたのですが、これはSDGsの17の大きな目標のうち、どれに貢献する活動になるのかを5つの選択肢から選ぶという形で出題されました。
また、東邦大学付属東邦で出題されたのは、SDGsに取り組む企業についてです。
化粧品メーカーが女性管理職を増やすために研修制度や育児・介護制度、テレワークの導入を行うのはどれに該当するのか、といった問題です。
こうした問題が何問かあり、それぞれどの大きな目標に向かうものかを答えるのです。
また、近年は受験生の考えを問う問題も増えています。
型にはまった答えがなく、記述式で要点を押さえて解答しなくてはいけません。
教科書や参考書に書かれている通りに書くより、さらに深い答えを求められることもあります。
春日部共栄の入試で問われたのは、17の大きな目標のうちエネルギーと気候変動に関して、身近な二酸化炭素に関する課題が出題され、排出を減らすために自分たちができることは何があるか、を記述式で答える問題が出題されています。
共立女子の入試では、「世界人口の変化」「二酸化炭素排出量の推移」「世界の穀物生産量と消費量の推移」といったグラフの資料を6種類提示して、その中から1つ選択して内容を説明すると共になぜSDGsでの取り組みが必要とされるのか、その理由について説明するという問題が出されました。
この他、レジ袋有料化についても問われる問題が出題されたところもあります。
2020年7月に有料化されたものは何かという問題や、レジ袋の中でバイオマス素材のものは有料化の対象外となったのはなぜかを答える問題などがあります。
朝日新聞が2021年度の国立・私立中学の入試問題を約80校分分析した結果では、時事問題で最も多かったのが新型コロナウイルスについてですが、次いで目立っていたのがSDGsに関連した問題でした。
中学校でのSDGsに対する取り組み
また、入試にSDGsの問題を出題する中学校の多くは、授業の中でもSDGsに取り組んでいます。
教科書でも、多くの出版社がSDGsに関する説明に多くのページを割いています。
中学校での取り組みの例として、青山学院中等部では選択授業の「ソーシャルイノベーション入門」で、生徒たちがSDGsの17の大きな目標について理解し、それを多くの人に分かりやすくするにはどういったコピーがいいかを考えるという授業に取り組んでいます。
東京女子学園では、SDGsの特別授業としてその日の新聞を掲示し、その中でSDGsに関連する記事があればSDGsのアイコンを貼付する、という授業を行っています。
これは、17の大きな目標を覚えておかなければ、簡単には見つけることができないでしょう。
桜美林での取り組みは、まず国際理解教育や英語学習、海外とのネットワークの発展のためにユネスコスクールへと加盟しています。
また、2013年から続けている東日本大震災を発端とする東北支援として行っているさくらプロジェクトも、SDGsの目標に合致するものです。
収穫感謝礼拝では、全校生徒に呼び掛けて集められた献米を野宿生活者への炊き出しへと使用しています。
これも、SDGsの目標に沿ったものです。
フィリピンへの短期留学も行っていて、現地で英語研修を受けるプログラムが行われています。
また、週末はシスターたちと暮らす女の子の住む孤児院へと赴いて、交流を深めています。
さらに、文房具やTシャツを集めて寄付しようという活動にもつながっています。
桜美林は特にSDGsへの取り組みを熱心に行っているのですが、それ以外の中学でも多くのところでSDGsは授業に取り入れて何らかの取り組みをしています。
受験のために覚えるべきものというだけではなく、入学後の授業でも役立つのです。
そのため、SDGsに関しては受験のために丸暗記するだけではもったいないでしょう。
せっかく覚えるのですから、より深く、詳しく学んでおくことで、入学後の授業にも備えておくようにしましょう。
まとめ
SDGsは、世界的に注目されている問題です。
ニュースでも見ることが多く、ほとんどの人がその名前や意味について知っているでしょう。
だからこそ、入試ではより詳しく問われることも多くなるのです。
そのため、SDGsについては表面上ではなく、深い内容まで知っておきましょう。
そうすれば、入学後も役立つことが多いでしょう。
東京都で中学受験対策の家庭教師をご希望の方は、是非一度、代々木進学会にご連絡下さい。
お電話・メールどちらでもお問い合わせ頂けます。
講師一同、お待ちしております。