白百合学園中学の傾向と対策

白百合学園中学は、女子の中学受験で志望者が特に多い学校の一つです。
その傾向と対策を知っておくことで、受験に備えた勉強がしやすくなります。
政治・経済の分野や学者、文芸、芸能、アナウンサーなどで活躍する卒業生が多い学校としても知られている、白百合学園中学の入試に役立つ情報を紹介します。

目次

白百合学園中学はどんなところ?

まずは、白百合学園中学がどのような学校なのか、紹介します。
白百合学園中学は、東京都千代田区にあります。
中高一貫校育の私立女子校で、函館に来日した3人のフランス人修道女によって1881年に設立されました。

女子仏学校という名前だったのですが、1935年に白百合高等女学院となり、1947年に白百合学園中学校が、その翌年に白百合学園高等学校が設置されました。
1923年には関東大震災で、1945年には空襲でそれぞれ校舎が全焼したという歴史があります。

教育の特色としては、6年一貫教育によって21世紀の国際社会で活躍できる女性の育成を掲げています。
そのために、キリスト教に基づいた全人教育と外国語の習得、それぞれの希望する進路に対応する学力の習得をテーマとしています。

学習指導では、中学1年から2年までは基礎的な学力や体力の養成、中学3年から高校1年までは基礎・基本の定着と4年間は基礎学力の育成を念頭に置いた教育を行い、高校2年から3年で応用できる力を開発していく、という形で進められていきます。

偏差値はおよそ68で、ハイレベル校の中では珍しく週5日制です。
また、キリスト教精神に基づいているため、朝礼では瞑目して聖歌を歌い、お祈りと聖書の朗読を行います。
学園記念日やクリスマス、修養会、入学時と卒業時はミサが行われます。

入試は、2月2日に行われます。
募集人員は、女子60名です。
出願期間は1月10日の10時から、1月25日までです。

2021年度の入試は、応募者が335名に対して合格者が124名で、倍率はおよそ2.70倍でした。
そのうち入学者は61名で、白百合学園小学校からの入学を含めて197名が入学しました。

白百合学園中学の入試の出題傾向

では、白百合学園中学の入試問題の出題傾向を、教科別に解説します。
試験は国語と算数がそれぞれ40分、各100点です。
理科と社会はそれぞれ30分、各75点です。
では、試験順序に沿って解説していきます。

国語

白百合学園中学の国語の問題は、それほど難解な問題は出題されません。
小問数は20問前後ですが、試験時間が短く40分しかないため、1問ごとにあまり時間をかけられません。

特徴としては、記述問題の割合が多くなっています。
以前は40~60文字の記述問題が多かったのですが、近年では80文字や100文字の記述問題が出題されています。
記述が苦手という人は、重点的に対策する必要があるでしょう。

また、記号選択や適語補充などの問題では、選択肢が7つある問題や接続詞以外の適語補充問題も多いので、正確な読解力が必要とされます。
なんとなくではなく、素早い読解ができるようにしておかなくてはいけません。

算数

算数は、大問5題という構成で毎年出題されていますが、そのすべてが応用問題です。
そのため、点を取りやすい計算問題や一行問題などはなく、最初から全力で取り組まなくてはいけないのです。

時間が40分しかないのですが、ほとんどの問題は解答だけではなく途中式も求められます。
また、難易度は出題順ではなく入り混じっているため、時間の使い方が合格のカギとなるでしょう。

理科

理科は、様々な分野から出題されるため出題範囲が広いのですが、その中で中心となるのが生物分野物質とエネルギー分野宇宙分野です。
これらの中の単元に、頻出問題があります。

試験時間は30分しかないのですが、小問数は30問前後とかなり問題数が多いという特徴があります。
多い年では、解答する箇所が50か所以上にもなっていました。

また、記述問題も多いため、時間をかけずにグラフや図の記述ができるようにしておかなければいけません。
教科書にはない、日常生活に関わる問題も出題されることがあります。

社会

社会は、日本地理日本歴史政治の分野と、時事問題が出題されます。
例年、大問は3~5問という構成になっています。
社会も、30分という試験時間に対して解答箇所が50~60問以上になることもあるので、スピードが重視されます。

特に出題される割合が多いのが、地理と歴史です。
地理は、穴埋め問題だけではなく地図やグラフを読み取る問題も出題されます。
歴史では、出来事を古い順番に並べる問題が出題されやすい傾向があります。

白百合学園中学の入試対策

では、入試対策ではどういった点に注意すればいいのでしょうか?
各教科の、入試対策のポイントについて解説します。
教科別に必要な対策は大きく異なるので、早めに対策を始めた方がいいでしょう。

国語

国語は、まず記述対策をしっかりとしておきましょう。
文章の内容や登場人物の心情をまとめる問題がよく出題されるのですが、文章内から探すだけではなく自分で肉付けや言い換えをする力も必要となります。
そのために、表現力を鍛えなくてはならないでしょう。

また、何度も読み返すと時間が足りなくなるため、一度読んで要点をつかむ力も必要です。
重要なところには、線を引いたりしてすぐにわかるように読み進めていきましょう。

誤字・脱字があると、減点対象になります。
漢字・語句を丸暗記するだけではなく、部首や対義語などもまとめておきましょう。
合格点を取るには、漢字の知識が重要となります。

算数

算数では、途中式を問われる問題が多いので、途中式を素早く丁寧に書くことができるようにしておきましょう。
この途中式で得られる点も、合否を分ける要となります。

頻出問題としては、平面図形や比、速さがよく出題されています。
これらの対策は、重点的に行わなくてはいけません。
また、グラフを書く問題も多いので、書き慣れるまで練習しましょう。

ポイントとしては、順番で1つの問題にこだわらず解ける問題から解いていくのが大切です。
問題に目を通して、解き方がわからなければ次に進んでしまったほうが、高得点につながるのです。

理科

理科のカギを握るのは、基礎知識がどれだけ定着しているか、ということです。
問題のレベルはそこまで難しいものではないので、どれだけ多くの問題を正確に素速く解くことができるか、というのがポイントとなります。
基礎をしっかりと固めたら、記述問題対策にも取り掛かりましょう。

社会

社会では、地理ならグラフや地図を活用して正確な知識を身につけておきましょう。
歴史は、細かい部分より先に全体の流れを把握してから、時代ごとに細かく覚えていくのがおすすめです。
政治は、国会や選挙の仕組み日本国憲法の基本的な知識を覚えて、国内外のニュースなどもチェックしましょう。

白百合学園中学校の入試はどの教科も時間が短いので、素早く解くことを求められます。
過去問を解く際は、スピードを意識して解きましょう。
しかし、焦って間違えてしまうと台無しなので、その点は注意してください。

まとめ

白百合学園中学の入試は、問題数こそ多いものの難易度自体はそれほど高い問題が少ないのが特徴です。
そのため、基礎の学習をしっかりとして、素早く解答できるようにしておくことが何よりも重要となるのです。
基礎から応用まで、素早く判断できるようにしておきましょう。

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