桐朋中学の傾向と対策
桐朋中学は、中学受験で人気のある中高一貫教育の男子校です。
受験における傾向と対策を知っておくことで、受験に備えた勉強がしやすくなります。
難関中学なので、備えが重要となるでしょう。
桐朋中学の特徴や、入試に役立つ情報を紹介していきます。
- 目次
桐朋中学はどんなところ?
まずは、桐朋中学がどのようなところか、紹介します。
桐朋中学は、東京都国立市にあります。
桐朋学園としては、幼稚園から大学まであります。
このうち、小学校は桐朋小学校と桐朋学園小学校があり、中学・高校は桐朋中学校・高等学校と、東邦女子中学校・高等学校があります。
また、音楽学校の桐朋オーケストラ・アカデミーや、短期大学の桐朋学園芸術短期大学もあります。
中高一貫教育を掲げる男子校ですが、高等学校から入学する生徒もいます。
偏差値はおよそ、およそ67から71となっています。
中学入試の募集人員は、2回の入試で合計180名です。
桐朋中学は、元々軍人指定養成の学校として設立されました。
しかし、開校後すぐに終戦となったため、軍系列として廃校の機器を迎えていたのですが、現在の筑波大学の支援を受けて財団法人桐朋学園を設立して、再発足しました。
桐朋中学校という名前になったのは、1948年のことです。
中学校の入試は、年2回実施されます。
1回目の募集人員は、約120人です。
2回目は60人で、2回目のほうが偏差値は高くなります。
2021年度の入試では、1回目の入試で約120名募集のところ421名から応募があり、合格したのは148名で倍率は約2.84倍でした。
2回目の入試は約60名の応募に対して674名が応募、247名が合格して倍率は2.73倍でした。
桐朋中学校の最大の行事として、桐朋祭が6月に開催されています。
来場者数は、延べ2万人という一大イベントです。
クラス単位ではなく、主にクラブや融資団体での出し物があります。
桐朋中学の入試の出題傾向
桐朋中学の入試問題の傾向を、教科別に解説します。
桐朋中学は、それほど癖のない問題が出されますが、その分高水準の知識が必要とされます。
算数
算数の問題では、例年の出題傾向として、計算問題が1問、応用の小問が1問出題され、応用問題が5つ出題されています。
難易度に関しては、後半になるにつれて難しくなっていきます。
また、途中式や考え方を記入する記述問題が出題されます。
さらに、応用問題では作図問題が出題されることもあるのです。
大半は答えだけを書けばいいのですが、一部の記述問題には対策が必要です。
また、思考力を求められる問題も多く出題されています。
単に公式を当てはめるだけではなく、自分で考えて問題構造を理解しなくてはいけない問題も多いのです。
典型題に見えるのに、実は解き方が違うということもよくあります。
また、特殊算の出題が比較的多いため、図形の求積や速さ、消去算などの対策も必要です。
算数は特に大きな差が付きやすい科目なので、しっかりと対策をしましょう。
国語
国語は、問題構成が変化しがちでしたが、近年では読解問題が小説・物語文から1題、随筆文から1題という構成で出題されています。
また、2021年は説明文が1題出題されました。
内容としては、読解問題の中で漢字の書き取りや慣用句を問うような問題が出されています。
しかし、特に多いのは記述問題です。
字数制限がなく、わかりやすく解説しなさいという問題が5問前後出題されています。
国語の試験時間は50分ですが、文章量は6000文字以上です。
記述問題も文字数の制限がないため、時間がかかるでしょう。
従って、偏差値以上に難易度は高い、と感じる人も多いと思います。
理科
理科は、特に出題される傾向が高い単元というものがありません。
毎年、4分野の異なる単元から出題されているのです。
2年続けて同じ単元から出題されることは少ないので、前年に出題された単元は除いて考えることができるのですが、絶対ではありません。
問題構成は、基本知識を問う問題がまず出題され、そこから発展的な内容につながります。
記号選択問題が大半ですが、文章記述問題や計算問題、作図問題、グラフなどからの読み取り問題なども数問出題されています。
理科は60点満点ですが、合格ラインはその6割から7割となっています。
受験生の平均点は近く、なかなか差がつけにくい科目です。
その分、ケアレスミスなどが明暗を分けるかもしれません。
社会
社会は、ほとんどの問題が基本的なレベルです。
その点では、他の私立中学の入試とは傾向が異なるといえるでしょう。
歴史と地理、政治経済からバランスよく、それぞれ大問1題ずつ出題されています。
どの分野も、多くの単元にまたがっている総合問題の形式で出題されることが多いのですが、歴史に関しては特定のテーマで出題されることが多いのです。
また、地理はグラフや地図など、資料を使った問題が中心となります。
設問形式は様々で、記号選択や文章記述、稀に記入問題などが出題されます。
また、例年文章記述問題も2問前後出題されています。
その中には、表現力やグラフの読み取りなどを試される高度な問題も含まれます。
桐朋中学の入試の対策
各教科の入試対策では、どういった点に注意すればいいのでしょうか?
入試対策のポイントを、教科別に解説します。
桐朋中学では、総合的に点を取れないと合格が厳しくなるでしょう。
算数
算数は後半になるほど難易度が上がるため、まずは前半の問題を落とさないようにしましょう。
特に、最後の2問に関してはかなり難しい問題が出題されます。
基本問題だけではなく、応用問題も多数出題されるため、考えて解く力を身につけなくてはいけません。
その中には、苦手とする人が多い問題も出されるので注意しましょう。
図形問題の比重も大きいため、対策は念入りに行わなくてはいけません。
図を書いて答える作図問題はそう出されませんが、解答を導くために展開図を書く必要がある問題や、条件を整理するために図が必要となる問題なども出題されます。
高得点を目指すには、基本レベルだけではなく、少し上のレベルの問題まで学んでおきましょう。
時間が足りない場合は、頻出問題に絞って対策することをおすすめします。
国語
国語では、まず読解力が求められます。
数行にわたる設問の中で、行間に込められた意味や登場人物の心情なども読み取らなくてはいけないのです。
そのためには、様々なジャンルの文章を読みなれておく必要があります。
また、記述問題の比率が高いので、その対策も必要です。
わかりやすく説明しなさいという問題も多いので、要点をまとめる力と内容を整理する力、わかりやすく説明できる文章力などが必要です。
記述問題には文字制限はないものの、解答欄は2~3行程度です。
その長さで、文章をまとめることができるテクニックも必要となります。
また、漢字や語句は配点の1割以上を占めているため、落とさないように注意しましょう。
理科
理科では、実験や観察、観測問題なども多く出されます。
合否を分けるのは、データの分析力、および計算力でしょう。
単に知識を丸暗記しているだけでは到底合格できないため、こういった力を養っておくことが大切です。
社会
社会では、マニアックな知識を必要とする問題はあまりないため、そこに時間をかける必要はありません。
ただし、地理に関してはなるべく細かいデータまで調べておきましょう。
記述問題を苦手とする人も多いので、典型題の演習をしっかりとしておいた方がいいでしょう。
まとめ
桐朋中学は、中学受験の中でも難関とされる学校です。
そのため、準備はしっかりと行わなければ、合格には結びつかないでしょう。
それほど特異な問題は出題されないので、基礎をしっかりと固めたうえで応用問題に対応できるよう対策をしておきましょう。
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