豊島岡女子学園中学校の傾向と対策
豊島岡女子学園中学校は、女子の中学受験で志望者が特に多い中高一貫校です。
女子御三家以外の女子高で唯一、鉄緑会の指定校になっていることでも有名です。
その傾向と対策を知っておくことで、受験に備えた勉強がしやすくなります。
豊島岡女子学園中学校の入試に役立つ情報を紹介します。
- 目次
豊島岡女子学園中学校はどんなところ?
まずは、豊島岡女子学園中学校がどのような学校なのか、紹介します。
豊島岡女子学園中学校は、東京都豊島区にあります。
元々は1892年に設立された東京女子裁縫専門学校で、その後東京家政女学校、牛込高等女子校、と変更され、1948年に今の豊島岡女子学園に改称されました。
現在は、高校からの入学者も募集していて、3年生でクラスが混合するようになっています。
しかし、2022年からは高校からの入学者を募集せず、完全中高一貫校になる予定です。
特徴として、朝に行われる「運針」という教育があります。
これは、白い布を二つ折りにして赤い糸で縫い、最後まで行ったら引き抜くというものです。
基礎の大切さや集中して無心になることを教えるもので、試験の時以外は毎朝行われていて、大学受験の試験場で落ち着くために運針をした生徒もいました。
教育理念として、道義実践、勤勉努力、一能専念を掲げています。
一能専念というのは、その人の持つ特有の能力を発見・育成し、磨いていくことが人を生かす所以としたもので、運針でも特技を持つことを目的としています。
2022年度の募集人員は、240名です。
国語と算数が各50分100点で、社会と理科が合計50分合計100点という構成になっています。
試験日、2月2日に募集人数160名、3日と4日に募集人数40名と分けて行われます。
出願期間は、1月10日から2日の受験は1月31日12時まで、3日と4日の試験は前日12時までとなっています。
合格発表は、HP上で試験日当日の21時から翌日12時まで、掲示は翌日の13時から15時まで行われます。
合格率80%に達する偏差値は、69とされています。
2021年の入試では、1回目の試験は160名の募集に対して出願者は1109名、合格者は410名でした。
2回目の試験は40名の募集に対して出願者は931名、合格者は71名です。
3回目の試験は40名の募集に対して出願者は779名、合格者は75名です。
豊島岡女子学園中学校の入試の出題傾向
では、豊島岡女子学園中学校の入試問題の出題傾向を、教科別に解説します。
豊島岡女子中学学園では、社会と理科が同じ時間枠で試験を行うという形をとっています。
国語
豊島岡女子学園中学校の国語の問題は、例年長文2題と漢字1題という構成で出題されています。
読解はそれぞれ小設問が10~13問あり、決して少なくはありません。
長文は、小説・物語文から1題、説明・論説文から1題出題され、内容は心情の読み取りや書き抜き問題、助動詞の補充、文の並べ替えなど、バランスよく広い範囲から出題されています。
選択肢問題が中心で、文章の中から要点を客観的に読み取っていく力が必要です。
漢字では、同音・同訓異義語や特殊な語彙が出題されることが多く、重要な得点源となっています。
算数
算数は、例年大問6題が出題されます。
大問1と2は計算小問で応用問題が続き、後半になるにつれて難しくなっていくため、いかにして時間を残して後半にとりかかれるかが重要となるでしょう。
そのため、まず前半の問題は間違えないようにして、素早く正確に解いていかなければいけません。
平均点が高いので、簡単なものを落としていると後が厳しくなってしまいます。
理科
理科は、社会と合わせて50分しかないのですが、問題数は決して少ない訳ではありません。
大問4題前後、小問数は20問前後と、問題量はかなり多いのです。
物理、化学、生物、地学からそれぞれ大問1題ずつ出されるのが定例となっています。
物理や化学では計算問題が多く、かなり複雑です。
実験問題も多く、単純なものではなく一ひねりしたものが良く出されます。
実験過程や結果を考えて、そこから法則性を導き出す必要があります。
社会
社会も、大問3題、小問数25問前後となっていて、政治と歴史、地理からそれぞれ出題されます。
単なる知識ではなく、絞ったテーマに対する体系的な知識を問われることになります。
記号選択問題と、短文解答式の問題が出題されます。
短文解答式では、特に指定がない限り漢字で解答し、平仮名はNGとされているため、漢字の間違いなどがないよう正確に回答しなくてはいけません。
豊島岡女子学園中学校の入試対策
では、入試対策ではどういった点に注意すればいいのでしょうか?
各教科の、入試対策のポイントについて解説します。
教科別に必要な対策は大きく異なるので、早めに対策を始めた方がいいでしょう。
国語
まず、国語の対策として必要なのが、選択問題の解き方を身につけることです。
選択問題は、文章の中から的確に要点を見つけることが重要です。
何となく答えが分かることもありますが、何故その答えなのかを筋道立てて説明できるようになることが重要です。
速読読解力も必要とされますが、時間配分や答える順番も考慮する必要があります。
物語文と説明文のどちらも、読解法をまとめた参考書があるので、それを見ながらどうやったら得点を稼ぎやすいのかを考えておく必要があるのです。
また、記述問題は例年2~3題程度しか出題されないのですが、そこでしっかりと答えられるかが差をつけるポイントです。
傾向を踏まえて、しっかりと対策をしましょう。
算数
算数は、前半の8問を必ず正解することをまず考えましょう。
そこを正解すれば40点取れるので、後半の10問は半分正解すると70点に届きます。
そのためには、基礎的な問題を中心とした、工夫して計算しなければいけない問題などにも取り組んでいくことが大切です。
また、後半の大問の(2)を特には、その(1)をじっくり見ることが重要です。
(1)の解答、及びその解き方に、(2)のヒントがあることもあるのです。
また、初見の問題に対する対応力も重要です。
理科
理科は、前半に物理・化学分野の計算問題が出題されます。
この計算問題がどれだけできたのかが、合否を分けるのです。
難度が高い問題が多いのですが、なるべく時間をかけられるようほかの問題を先に解いてしまった方がいいでしょう。
後半は、基本的な知識問題がほとんどです。
こちらは、しっかりと知識を修めていれば、それほど時間も書けずに全問正解できるでしょう。
社会
社会では、まず基本的な知識問題を落とさないようにしましょう。
出題範囲はかなり広いので、全面的に正確な知識を覚えるように注意しましょう。
そして、短文解答式の問題は、早く正確に解ける力を身に着けておきます。
大問ごとに分野は違うのですが、中には他の分野に関係する問題が出されるのも特徴です。
知識を活用して、考えて問題を解くことのできる力を身に付けましょう。
まとめ
豊島岡女子学園中学校の入試は、国語や社会で特色ある問題を出しているのが特徴です。
そのため、基礎の学習をした上で様々な応用もこなし、どんな問題も素早く解答できるようにしておくことが何よりも重要となるのです。
豊島岡女子学園中学校の過去問はもちろん、その他の多くの学校の過去問にも取り組んで、対応力を鍛えましょう。
東京都で中学受験対策の家庭教師をご希望の方は、是非一度、代々木進学会にご連絡下さい。
お電話・メールどちらでもお問い合わせ頂けます。
講師一同、お待ちしております。