麻布中学校の傾向と対策
麻布中学校は、中学受験で志望者が特に多い学校の一つです。
その傾向と対策を知っておくことで、受験に備えた勉強がしやすくなります。
特に、算数は難問や奇問といわれるような問題が出されるので、しっかりとした対策が必要でしょう。
麻布中学校の入試に役立つ情報を、紹介していきます。
- 目次
麻布中学校はどんなところ?
麻布中学校は、東京都港区にある中高一貫の私立男子校です。
高等学校では生徒を募集しないので、中学校からの生徒しかいません。
1895年に東洋英和学校内に創立された東洋英和学校内尋常中学校が全身で、1900年に現在の場所に移転しました。
特徴として、校則がほとんどありません。
制服も1970年代に撤廃されていて、現在は標準服だけ残されています。
自由な校風の学校として知られ、卒業生には政財界から芸能界まで幅広い世界にいます。
多くのサークルがあり、サークル連合によって予算などが管理されています。
麻布パーソナルコンピュータ同好会やオセロ部、オリエンテーリング部など、多くの実績を残しているサークルがいくつもあるので、その面でも有名です。
様々な事件があったことでも知られている学校で、1954年には相模湖で定員以上の生徒を乗せた遊覧船が浸水したことで、22名の生徒が亡くなっています。
現場には慰霊碑が建立され、毎年職員によって献花されています。
その他、学園紛争に伴う様々な事件も起こっていて、校長が拘束されたり校長室が占拠されたりしていました。
また、校長代行が退任後に逮捕・起訴されたこともあります。
校則の代わりに、生徒によって自発的に考えられた「麻布三禁」というのがあります。
校内での麻雀禁止、授業中の出前禁止、校内の鉄下駄禁止という内容で、それ以外は自分で考えることとなっています。
問題が起こった時は、教員間で話し合って家庭にも連絡を取りながら反省を促します。
入学試験は毎年2月1日に行われ、合格発表は2月3日の15時から17時まで発表されます。
受験料は30,000円です。
合格者は、2月4日の午前中に手続きをしなくてはいけません。
麻布中学校の入試の出題傾向
麻布中学校の入試問題の傾向を、教科別に解説します。
麻布中学の入試では、国語、算数、社会、理科の順で試験が行われます。
ここでは、試験の順番通りに出題傾向を解説していきます。
国語
国語は、基本的に大問1題が出題されます。
近年は物語文や小説から出題されていて、論説文や随筆などからは出題されていません。
文字数は、9000文字近いことが多いので、かなりボリュームがあります。
出題される物語文などの内容は、主人公の自立や自由などの哲学的なテーマが多く、解答は記述がほとんどです。
主人公の心情の変化や主題の把握、文学的表現の意味などを問われることが多いのです。
記述の文字数は制限がありません。
しかし、解答欄には行数が定められているので、一定の文字数にまとめる必要はあります。
単に文中から抜き出すのではなく、心情を読み取る必要がある問題も多いでしょう。
算数
算数は、毎年大問5~6題が出題されます。
特によく出題されている分野は、図形や濃度と速さを絡めた割合、図形と整数を含めた数、数の性質などです。
難易度は高く、考え方や途中式などをすべて記述する方式です。
推理力や思考力が重視される応用問題が多いのですが、基本的な事項を組み合わせたもので構成されているので、論理的に問われていく内容の本質を見極めることができれば特別な才能は必要ありません。
算数は、難度が高く派手な印象を受ける問題と、解法パターンを知っていれば解くことができる問題があります。
発想力が必要な問題が目立つのですが、思考力で解くことのできる問題もあるのです。
図形問題は、移動や対象、相似比などが関係したものや、空間図形、立体図形など多くの種類があります。
応用レベルのものばかりではなく、地道な作業で解く問題もあるので、時間配分に注意しましょう。
社会
社会は、毎年大問1題のみであり、設問数は12~14問ほどが出題されます。
大問に、5ページ前後に及ぶ非常に長いリード文があるのが特徴です。
1つのテーマで、地理、歴史、公民、時事問題をすべて問われるのです。
解答は、用語の記入や記号選択もあるものの、おおよそは記述問題です。
1~2行ほどで、最後の問題は自由記述となっていることが多いです。
過去は200文字ということもありましたが、近年は80~12文字ほどになっています。
理科
理科は、生物、物質、エネルギー、地球から各1問出題され、合計4題出題されます。
問題集などではなかなか見かけない、意表を突く問題がよく出されます。
また、実験や観察に関しての解釈を問われる問題もあります。
珍しい切り口からの問題も多く、小学生には少々難解かもしれません。
コーヒーに関する問題や、お菓子作り、魔法に関する問題など様々な分野で出題されています。
過去には、ドラえもんに関する問題が出題されたこともあります。
各教科には、このような特徴があります。
麻布中学校の入試の対策
各教科の入試対策は、どう言った点に注意したらいいのでしょうか?
入試対策のポイントについて教科別に解説します。
こちらも、国語、算数、社会、理科の順に解説します。
国語
国語の場合、注意するべき点は問題文の長さです。
出題される文章が8000文字前後あるので、事前に同じくらいの長さの文章に慣れておきましょう。
そうして、テーマや主人公の心情などをしっかりと把握できなくてはいけません。
出題されるジャンルは例年共通している点もありますが、他校の過去問なども解いて幅広く対応できるようにしておきましょう。
特に点数が分かれるのが、記述問題です。
解答できるスペースは決まっているので、普段から適切な文字数に慣れておきましょう。
また、書いたものは誰かに添削してもらうと、構成や誤字脱字もチェックできます。
算数
算数では、まず典型問題を間違いなく正解できるようにしておきましょう。
難度が高い問題は、まず基本事項を抑えながら理詰めで解いていきましょう。
計算力も必要なので、スピードと正確さを意識しながら反復練習をしていきましょう。
思考力型の難問であれば、部分点も重視されます。
途中まででも解こうとした努力が見えれば、部分点がもらえます。
難しくてもあきらめず、解こうとする努力を見せましょう。
速さの問題では、ダイヤグラムを使いこなすことがポイントです。
調べ上げの問題では、作業力が必要です。
また、順番通り解いていくことで、手前の大問の答えが次の大問の答えになっているケースもあります。
社会
社会は、まず出題形式になれることから始めましょう。
複数の分野の問題が1つのテーマで出題されるので、慣れていない人も多いでしょう。
時間配分のポイントやリード文の読み取り方など、事前に慣れておきましょう。
出題テーマは広いものの、その内容は知識問題や資料の読み取り、個々の考え方を問う問題が多いのです。
自分なりの考え方を、常に持っておくようにしましょう。
理科
理科は、問題集などにない新しいタイプの問題が出題されています。
しかし、各分野の基本を組み合わせれば解くことができるでしょう。
また、他の部分にヒントが隠れていることもあるので、問題文はよく読みましょう。
時事問題にも注目されていますが、それだけではなく立体図や平面図、グラフなどにも注目しましょう。
作図問題や記述問題もあるので、多くの問題に対応できるようにしましょう。
まとめ
麻布中学校は、男子御三家といわれる学校です。
レベルが高く、目安となる偏差値は68前後です。
試験では、多くの知識を身につけて臨み、ケアレスミスには十分気を付けてください。
算数や国語などは特に重要なので、なるべく多く正解できるよう頑張りましょう。
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