女子学院中学校の傾向と対策
女子学院中学校は、女子の中学受験で志望者が特に多い学校の一つです。
その傾向と対策を知っておくことで、受験に備えた勉強がしやすくなります。
政治・経済の分野や学者、文芸、芸能、アナウンサーなどで活躍する卒業生が多い学校としても知られている、女子学院中学校の入試に役立つ情報を紹介します。
- 目次
女子学院中学校はどんなところ?
まずは、女子学院中学校がどのような学校なのか、紹介します。
女子学院中学校は、東京都千代田区にあります。
中高一貫校育の私立女子校で、1870年にキリスト教宣教師や日本人のキリスト教徒によって設立された、日本最古の歴史ある学校です。
また、高校部からの入学はできません。
学校名の一部に女子学院とついている学校はいくつかあるのですが、女子学院が学校名そのものなのはこの学校のみです。
プロテスタントのミッションスクールで、毎年卒業生の半分近くは東京大学などの難関国立大学に進学する、進学校でもあります。
かつてはセーラー服が制服として定められていましたが、1972年に廃止されて制服の着用義務がなくなりました。
しかし、多くの生徒がこの制服に愛着を持っていて、今でも指定洋服店で制服と同型のセーラー服が作られ、販売されています。
ハイレベル校の中では珍しい週5日制を導入していて、毎朝の礼拝や聖書の時間を設けるなどキリスト教精神を組み入れた教育が多数あります。
中学1年生から、ネイティブ講師による少人数制の英会話を実施しているのも特徴です。
2022年度の募集人員は、240名です。
国語、理科、算数、社会の4教科の試験と、グループ面接、そして小学校校長の報告書の内容によって試験の合否が決定します。
試験日は毎年2月1日ですが、当日が日曜日の場合は別日に変更されます。
そのため、首都圏の受験生の人数が大きく変動するサンデーショックの要因となる代表的な学校でもあります。
偏差値は76となっていて、合格率80%に達する偏差値は70とされています。
2021年の入試では、240名の募集に対して出願者数は723名、合格者数が274名で出願倍率は3.01倍となりました。
ちなみに、公共の交通機関を利用して90分以内に通学できることも受験資格になっています。
女子学院中学校の入試の出題傾向
では、女子学院中学校の入試問題の出題傾向を、教科別に解説します。
試験は各教科40分で、各100点です。
では、試験順序に沿って解説していきます。
国語
女子学院中学校の国語の問題には、随筆文や論説文がよく出題されます。
しかし、過去には詩や小説・物語文も出題されたことがあります。
そのため、幅広く対応できる知識が必要となります。
以前は文章題が3題出題されていたのですが、2013年からは2題となっていてボリュームが減少しています。
その代わり、記述問題は4題から7題に増えていて、字数問題も10文字以上という指定から文字数指定なしや50~60文字に変更されています。
問題文は合計で5000文字前後あるため、素早く読解していく必要があります。
そして、そのうえで丁寧に内容を読み取る読解力と、文章に要点を詰め込むことができる表現力が必要とされます。
理科
理科は、実験や観察に関しての問題が多いのが女子学院中学校の特徴です。
実験方法を図で示して説明するような問題もあり、実験図やデータを見てその内容を理解できなければ解答がわからない問題もあります。
特に差がつくのは、科学や物理分野に多い計算問題です。
途中式が必要な問題はあまりないので、解答が間違っていると点数を取れません。
そのため、ここで他の受験者と差がつくことが多いのです。
算数
算数は、毎年大問が5問から7問出題されます。
小問数は、20問前後となります。
40分の試験時間では、厳しいことも多いでしょう。
変わった問題や特に難しい問題が出されるわけではないので、確実に合格するなら80%以上正解したいところです。
特に、ケアレスミスには十分注意しましょう。
ほとんどは解答だけを書くのですが、1~2問は毎年途中式も書く問題があります。
それを書かないと減点されることもあるので、素早く計算するばかりではなく途中式や考え方を書く練習も必要でしょう。
社会
社会は、大問が3~4題、回答数は50~80問と非常に多いので、試験時間内により多く解答するには手際の良さが求められます。
とはいえ、問題の難易度自体も高いので、焦って間違えないように注意しましょう。
社会は選択肢問題が多いのですが、知識があいまいだと正解するのが難しいでしょう。
また、日本の地理と日本史の問題は毎年出題されるのですが、丸暗記しているだけでは答えられない問題が多いので、応用できるようにしっかりと理解しましょう。
どの教科も、試験時間に対して問題数がかなり多いというのも、女子学院中学校の特徴です。
だからといって、全問応えなくてもいいというわけではないので、素早く解答できるように対策が必要となるのです。
女子学院中学校の入試対策
では、入試対策ではどういった点に注意すればいいのでしょうか?
各教科の、入試対策のポイントについて解説します。
教科別に必要な対策は大きく異なるので、早めに対策を始めた方がいいでしょう。
国語
まず、国語の対策として必要なのが、速読です。
文章題を素早く読んでその内容をまとめる必要があるので、必要な部分を素早く読んで抜き出せるようにしておきましょう。
また、記述問題では趣旨を端的に表現する能力が必要とされます。
文字数制限がある問題も出題されるので、語彙力を高めて制限内の文字数で答えをしっかりとまとめられるようにしておきましょう。
語句問題は、全体の3割以上を占めています。
四字熟語や意味用法、文法などを問われるのですが、他の問題より簡単なことが多いので、落とさず確実に解答できるようにしておきましょう。
理科
理科は、まず知識を丸暗記しているだけでは答えられない問題が多数出題されます。
まずは各分野の基礎の知識をしっかりと学んで、苦手な分野をなくしつつ、深く理解して応用にも対応できるようにしましょう。
問題量がかなり多いので、素早く解答するためのスピードは必要です。
しかし、この学校の入試問題には知識があればわかる問題のほかに、考えなくてはならない問題もあります。
そのため、解答にどのくらいかかりそうかを素早く判断して、時間内になるべく多く解答できるようにする判断力も必要とされます。
算数
算数は20問前後が出題されるのですが、そのほとんどは基礎から標準程度のレベルです。
そのため、問題を見ると同時に解答できるくらいに練習問題を繰り返しましょう。
また、後回しにした方がいい時間がかかる問題をすぐに判断できることも重要です。
時々は、グラフなどを用いた応用問題も出されます。
しかし、それに時間を取られるくらいなら標準クラスの問題を全問解答していた方がいいのです。
特に他の受験生と差がつくのは、少数を含む計算問題です。
計算問題の後半によく出されるのですが、少数の打ち間違いや計算ミスがよく起こります。
計算練習で、慣れておきましょう。
社会
社会は、とにかく問題数が多いので、基本的な問題を落とさないように心がけましょう。
知識問題は、問題を見た時点で解答がわかるようにしておくべきです。
また、当てはまるものをすべて選ぶという問題もあるので、時間を取られ過ぎないように気を付けましょう。
内容が難しすぎるような問題は滅多にないのですが、女子学院中学校の独特の視点から出題されることもあります。
知識を増やして、それを柔軟に結び付けられるようにしておきましょう。
読解力や作文力も必要です。
まとめ
女子学院中学校の入試は、問題数こそ多いものの難易度自体はそれほど高い問題が少ないのが特徴です。
そのため、基礎の学習をしっかりとして、素早く解答できるようにしておくことが何よりも重要となるのです。
基礎から応用まで、素早く判断できるようにしておきましょう。
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