駒場東邦中学校の傾向と対策
駒場東邦中学校は、中学受験で志望者が特に多い学校の一つです。
その傾向と対策を知っておくことで、受験に備えた勉強がしやすくなります。
特に、算数は難問が多いため、備えが重要となるでしょう。
駒場東邦中学校の入試に役立つ情報を、紹介していきます。
- 目次
駒場東邦中学校はどんなところ?
まずは、駒場東邦中学校がどのようなところか、紹介します。
駒場東邦中学校は、東京都世田谷区にあります。
中高一貫の私立男子校で、通称は「駒東」です。
偏差値は、10年前は70前後で全国10位前後でしたが、近年は偏差値74から75ほどになっていて、全国10位以内にランクインすることも増えています。
東邦大学が設置した学校で、高校は1956年に、中学校は1957年に設置が認可されています。
1971年以降は、高校からの募集を廃止しているため、完全6年一貫教育となっています。
東邦大学への進学はエスカレーター式ではありませんが、推薦入学制度はあります。
募集人数は、毎年240名と決まっています。
入試科目は、算数、国語、理科、社会の4教科です。
その中でも、算数は記述が多く難易度が高いことで有名で、それ以外の教科も記述問題が多めです。
入試は、算数と国語がそれぞれ120点満点で、試験時間はそれぞれ60分です。
理科と社会はそれぞれ80点満点、40分の試験時間となっています。
基準点や足切りはなく、4教科の総合点の400点満点で判断しています。
合格率80%以上になる偏差値の目安は、68です。
2022年の入試は、出願期間が1月10日(月)の午前10時から、1月26日(水)の午後4時までです。
受験料は、25,000円です。
試験が完了した翌日の2月2日午前9時には、合格発表があります。
合格した場合、当日午後4時までに入学手続きの案内と合格証を受け取って、入学金を納めなくてはいけません。
また、入学金の納入方法はクレジットカードのみです。
駒場東邦中学校の入試の出題傾向
駒場東邦中学校の、入試問題の出題傾向を教科別に解説します。
算数
この学校の入試で特に難しいとされているのが、算数です。
まずは、算数の傾向から解説します。
算数の問題は、過去と比較すると問題数は少なくなっています。
また、難問の比率も減っています。
出題される問題として多いのが、平面図形および立体図形の図形問題です。
図形も、単純な問題ではなく図形の移動や拡大、変化などを組み合わせた問題が出題されるので、推理する思考力が必要とされます。
立体図形の切断面の面積や、切り取られた立体の体積などを求めるような問題がよく出題されているのです。
特によく出題される平面図形も、多くの知識を必要とする問題が出されます。
また、他の学校ではあまり見られないような、数学的視点を問われる特殊な問題も出題されます。
この学校の特色ともいえる問題で、数学でいえば証明問題にあたるような問題などが、毎年出題される宇野です。
非常に手間がかかる、手を動かさなければいけない問題が毎年出題されるのも、この学校の特徴です。
ポイントを掻き出しながら規則性を発見して、解答への糸口をつかむまで根気よく計算を繰り返すような問題が、重視されているのです。
この算数では、解答までのプロセスも重視されます。
途中式や考え方に対しては部分点がもらえるので、解答にたどり着かなくても途中式はしっかりと書いておくことが重要となります。
国語
国語は、毎年大問が1つ、物語文だけという構成になっています。
この物語文はおおよそ6000から8000文字ほどのボリュームがあり、これは難度も含めて毎年同様です。
合格者の平均点は、120点満点中60~70点となっています。
駒場東邦中学校の国語の入試で出題される物語文のテーマは、毎年一貫して「異質な他者の理解」が取り扱われています。
主に、受験生と同年代の主人公の物語が出題されます。
記述問題が毎年出題されますが、字数制限が厳しいというのも特徴です。
字数は20文字から120文字、平均すれば80~100文字ほどの問題が例年5~6題出されています。
これの解答が、毎年合否を分けるポイントとなっています。
駒場東邦中学校の入試は算数が難関ということで知られているのですが、それだけでは決定的な差が付きにくい面もあります。
そのため、国語も合否に大きく影響する可能性が高いのです。
理科
理科の問題は、毎年小問集合で1題、4分野から大問1題ずつという構成になっています。
バランスよく各分野から出題されていて、学習を積み重ねてきたかどうかが試されます。
合格者平均点は5割前後なので、6割が目標です。
小問集合の内容は様々で、時事問題が出題されることもあります。
総じて難易度の低い問題が多いので、なるべく全問正解を目指しましょう。
他の大問では、グラフの作図や読み取りの問題もよく出題されています。
社会
社会は、記述勝負というのが定番です。
毎年5~6題は記述問題が出題され、解答は数行にわたるものが多いので、しっかりと対策をしなくてはいけません。
大問1問のみで、歴史と地理、公民、時事問題が入り混じっています。
比率としては歴史が大きいのですが、他の分野も併せてバランスよく理解していないと、半端にしか理解できないこともあります。
導入文が長いというのも特徴で、知識だけではなく読解力や分析力も重要です。
駒場東邦中学校の入試の対策
では、各教科の入試対策では、どういった点に注意すればいいのでしょうか?
各教科の、入試対策のポイントについて解説します。
算数
算数では、解答の優先度を考えることが重要です。
算数では、優先するべき問題や落とせない問題が明確です。
絶対に落とせない問題は、基本的な解法パターンを理解していれば解くことができる典型問題ですが、選ぶ解法によって解答するまでの時間が大きく変わる問題もあるので、その点に注意しましょう。
算数は、手を動かして調べ上げていく問題が出題されるため、問題の条件に従って書き出した内容を整理していき、問題を解くための糸口を素早く見つけられるよう訓練しなくてはいけません。
調べ上げ問題の類似問題を他の学校の過去問で調べ、類似演習をするのもおすすめです。
論理的に説明させる、いわゆる証明問題に関しては、完璧な解答までは求められません。
ある程度、理由と結論が論理的に書かれてさえいればいいので、添削を繰り返しながら論理構成の型やパターンを身につけましょう。
部分点がもらいやすいのも、この入試の特徴です。
完全に答えられないとしても、どう考えたのかがわかるように言葉や図を用いて補足説明しておくことで、部分点が高くなりやすいのです。
国語
国語は、まず得意分野や解きやすい問題から取り組んでいきましょう。
そうして点数を固めていくことが重要です。
出題される分野が広いので、できる問題から解いていきましょう。
物語文には、前書きが用意されていることもあります。
その前置きには読解の重要なヒントが含まれているので、読み飛ばさないようにしましょう。
話の設定や家族関係、友人関係などの記述は特に重要です。
長文は、まとめて読み進めると途中の理解が抜けてしまうことがあります。
読解は、場面に分けて整理していきましょう。
登場人物の心情変化は頻出問題なので、その点にも注目しながら読み進めてください。
理科
理科は、とにかく得意分野から解いていって点数を固めてしまいましょう。
各分野で頻出の事項をチェックして、集中的に対策しましょう。
理科の出題傾向には大きな変化がないので、過去問はしっかりと解いておきましょう。
社会
社会では、記述対策を特に重点的に行ってください。
資料や地図を読み取って記述する問題が多くなっているので、過去の記述問題をチェックして対策していきましょう。
知識を詰め込むだけではなく、その理由を考える習慣を身につけてください。
まとめ
駒場東邦中学校の入試は、毎年2倍前後の倍率になっています。
その中で合格を勝ち取るには、出題の傾向をつかんでしっかりと対策することが重要です。
他の学校とは出題傾向が異なる部分も多いので、個別の対策が必要です。
過去の問題や他校の類似した問題などもチェックして、繰り返し解いていきましょう。
東京都で中学受験対策の家庭教師をご希望の方は、是非一度、代々木進学会にご連絡下さい。
お電話・メールどちらでもお問い合わせ頂けます。
講師一同、お待ちしております。