【2021年度中学入試を踏まえ】受験校の選び方を考える
中学入試の第一歩は、受験校選びから始まるといっても過言ではありません。
どの学校にも魅力的な要素がありますから、各々の特色から志望校を絞り込むことが大切です。
しかしどのようにして、受験校を選ぶと良いのでしょうか?
数ある中から受験校を選ぶ基準を解説します。
目次
2021年度の中学入試の結果をおさらい
まずは、中学入試の現状について触れておきましょう。
2021年度の中学入試の特徴としては、高倍率の試験、かつ合格者を絞る傾向が見られました。
受験生にとっては、とても厳しい状況だったと言えるでしょう。
イレギュラーな状態の中、戦い抜いたのは凄いことです。
このような状況は、2022年度の中学入試にも続くのではと、不安になりますが、コロナ対策の影響等で結果が大きく変わっている要素もありますので、全く同じと捉えることはできません。
昨年度の倍率や結果が、そのまま反映されるとも言い切れない状況なのです。
これは、今年度の受験生にとって悩みを抱える最大の要因となっています。
確実に合格するためには、受験校選びの段階で何を押さえるべきなのでしょうか?
これから受験校を選ぶ場合に大切な考え方
志望校選定テストは、日能研が持っている700校以上の私学のデータを基にして、それぞれの中学を受けた際の合格率を示すためのテストです。
この結果から、自分の志望校をよりリアルに決めることができます。
テストを受けると、志望校選定のための情報が確認できます。
それぞれの学校で、合格最低偏差値とR2(合格可能性20%)から、R4(合格可能性80%)までの偏差値を表示します。
テスト結果とその情報を基にして、志望校の併願パターンを地域・成績を考慮して提示されます。
他地域の中学受験を検討している場合は、会員用Webサイトから自由にエリアを選んで表示できます。
テストの結果は、設問ごとの正誤情報と採点結果、それぞれの解説と正答、基本的な成績情報や志望校選定のグラフです。
志望校を決めかねている場合も、これを基にいくつかの学校に絞り込むことができるでしょう。
①学校情報のチェックの仕方
受験校を選ぶ段階では、まだ学校の具体的な情報を集めきれていません。
まずは候補となる学校の情報を収集しましょう。
ここで注意すべきことが2点あります。
それは、有名校ばかりをチェックしないことと、偏差値表を鵜呑みにしないことです。
この2点は、受験を初めて経験される方が特に陥りやすいミスとなりますから、気をつけましょう。
まず、有名校がお子さんに合っているとは限らないことです。
学校の指導方針や雰囲気、先生方の対応等から、通いたい学校を探していきます。
確かに、ネームバリューのある学校は、真っ先に見学候補になりやすいです。
しかし、今まであまり馴染みのなかった学校でも、思わぬ情報を手に入れられる可能性があります。
「有名校」というカテゴリーだけで、視野狭窄に陥ってはいけません。
有名校以外にも気になる学校があるなら、どんどんリサーチすべきです。
次の偏差値表に関しても、同じことが言えます。
偏差値表は、学校のレベルを把握し、勉強の方針を考える上でも大切な情報源になります。
しかし、偏差値表でわかるのは、あくまで学校の学力レベルです。
実際の学校生活の状況は、読み取れません。
たった1校、2校をチェックしただけで、受験したいと思えるような学校は見つかるものではありません。
「この学校を受験したい!」という強い意志は、多くの学校を情報収集するところから生まれるのです。
この土台の形成を、怠らないようにしましょう。
②学校経営や入試日程の変更の有無
次に押さえるべきポイントは、共学か否かや、経営方針、入試日程にあります。
なぜ、このような視点をチェックするのかというと、受験校の「人気」を左右する要素だからです。
受験校の人気は、「通いたい」と思える要素が強い学校ほど高くなっていきます。
それは学力面だけでなく、普段の学校生活のサポートが充実していることも影響しているでしょう。
近年人気が高くなっているのは、共学化している学校です。
従来ならば、男子校・女子高といった、同性のみの環境で学ぶ学校が主流でした。
所謂、昔ながらの伝統校は、このパターンが多いと言えます。
同性のみの学校生活にはのびのびと成長できる反面、同性しかいないが故のデメリットも存在します。
また、実際の社会では男女が一緒になって活躍しますから、卒業後の環境に戸惑ってしまう人もいるでしょう。
公立学校は基本的に共学ですから、その流れのまま進学することを考えると、お子さんの環境の変化を少なくできます。
このような経緯から、共学校の人気が高まっているのです。
また、人気の学校の場合、入試日程を複数回設けていることがあります。
入試日程が複数回あるのは安心しますが、後の日程になるほど受験者数が増えてくる傾向にあります。
そうなると、学力的に問題ない試験であっても、倍率の関係で不合格になってしまうこともあるかもしれません。
この点を踏まえると、高倍率でなくても注意すべきです。
また、「午後入試」を導入している学校も、選ぶ場合は注意して下さい。
午後入試は、受験生を多く集めたい学校の意向と、早めに合格が欲しいという家庭の意向によって、約20年前に始まった入試制度です。
午後入試を利用して受験をする場合、午前中に志望校、午後に難易度を下げた学校を受験するというパターンができあがります。
要するに、1日フル活用して、複数受験できるということです。
そうした利便性から、午後入試は受験生が集まりやすく、倍率が高くなる可能性があります。
午後入試の受験校を志望先の一つとして考える場合、レベルの高い人たちとの競争になる可能性が高いでしょう。
人気の高さには、学力以外の要素も関係しています。
「なぜ人気があるのか」受験校選びの際はこの視点の分析を忘れないようにして下さい。
③大学入試まで通用するか
また、6年間を通して、大学入試まで対応できるかどうかも考えるべきです。
大学入試改革に伴い、試験内容に変更が出たのは記憶に新しいでしょう。
それを踏まえ、入試だけでなく、日々の授業で「思考力・表現力」を形成できる学習を行っている学校が増えているのです。
最近の受験生や親御さんは、安定志向を望む傾向が強いです。
なるべくならば、苦労せずに進学してほしいと考える親御さんも多いですから、中学入試のニーズが高まる事情にも共感できます。
公立学校に進学するかどうかも、大きなターニングポイントになるのは間違いありません。
どちらの選択肢でも、メリット・デメリットはあります。
ですが、中学受験をクリアして、長く勉強に集中できる環境があると、伸びしろがあることも事実です。
大学入試まで通用するかどうかは、まず大学の進学実績を見てみましょう。
進学実績を見ると、どの大学に対しての進学に強いのかが一目で分かります。
④学校の求める生徒像とマッチしているか
最後にお話しする考え方は、生徒像です。
求める生徒像は、学校のパンフレットやホームページで確認することができますが、入試問題でも見えてくるのです。
勘違いしやすいのは、問題が解きやすく高得点が過去問で取れている場合です。
問題が解けているからと言って、合格できるとは限りません。
問題の解きやすさには、理想の生徒を多く迎えるため、あえて平均点を高くしている可能性があります。
従って、問題のレベルで判断するより、その難易度、理想像に合わせていくような考え方が大切だと言えるのです
特に、コロナ対策の影響で2021年度の試験形態が違っていたとしても、2022年度も同じだとは限りません。
過去の問題形式に戻る可能性も充分にありますから、前年度だけでなく、数年前も含め、まとめてチェックすべきです。
まとめ
今回は、2021年度の中学入試を踏まえた、受験校の選び方について解説しました。
受験校の情報収集や分析は、合格したいという強い意思形成や、理想とする生徒像を把握する上で大切なことです。
さらに、コロナに配慮した試験内容になる可能性もありますから、多角的な視点で考えるようにしましょう。
学校によっては、前年との違いが大きく出ることもあります。
じっくり時間をかけて検討するようにして下さい。
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