子供が志望校に合格できなかった場合、親としてどう接するべきか?
2021年の中学入試も、無事終わりを迎えました。
志望校に合格できた子もいれば、第一志望はダメでも第二、第三志望に合格できた子もいるでしょう。
また、すべて落ちてしまい地元の中学に通うことになった子もいると思います。
志望校に落ちてしまったとき、親としてはどのように接するべきなのでしょうか?
第一志望に合格できる子はどのくらい?
そもそも、中学受験で第一志望に合格できる子というのは、どのくらいの割合なのでしょうか?
それは、難関校の倍率からおおよそ推測できます。
多くの子どもは、第一志望を自分の成績に見合う学校、もしくはそれより少し上の学校にします。
そのため、難関校といわれる中学校を第一志望にすることが多いのです。
難関校の倍率を見ると、倍率は少なくても2倍、高ければ5倍ということもあります。
平均すると、3倍より少し高くなるのです。
そうなると、単純に計算して第一志望の学校に合格できる子は3割程度です。
中学受験では、その3割に入ることができるかどうかを競うことになるのです。
全員がこれまで受験勉強をしてきた中で3割に入るのですから、そうそう簡単なことではありません。
合格確実と思われていても、ケアレスミスで不合格になることもあり得るのです。
ですから、第一志望に落ちてしまったからといってそれほど落ち込むことはありません。
そもそも、合格することが目的ではないのです。
合格して、より高度な教育を受けることが目的ということを忘れてはいけません。
周囲からの否定はやる気を下げる
中学受験で第一志望に合格できないと、落ち込む子どもも多いでしょう。
しかし、それに対して否定的なことを言ってはいけません。
元気づけようとしているのかもしれませんが、逆効果になってしまいます。
落ち込んでいるときは、自分で自分を否定する気持ちを抱いています。
努力の量や合格する自信が多ければ、それだけ否定する気持ちも強くなってしまいます。
そんな時に、周囲から否定的な言葉を投げつけられてしまうと、どうなるでしょうか?
確実に、その子の心は傷つくでしょう。
そして、その傷は何年も心に残り続けます。
その結果、考え方が後ろ向きになってしまうのです。
中学受験で、直前模試などの成績がいいと、期待も大きくなります。
その期待が大きければ大きいほど、合格できなかった時のショックも大きくなります。
保護者も、これまで一緒に頑張ってきて応援してきたため、つい否定的な言葉を発してしまいがちです。
中学受験が終わっても、高校受験、大学受験、そして就職が控えています。
しかし、努力してきたことを否定された子どもは、その後再び努力をしようにも疑問が残ってしまいます。
この努力が、本当に結果へと結びつくのだろうか、と思ってしまうのです。
その時、前に失敗したときでも保護者から応援されていれば、前向きに頑張ることもできます。
しかし、否定されていると、努力をしてもどうせ無駄だと思ってしまい、勉強にも身が入らなくなってしまうのです。
第一志望ではなくても、立派な学校
第一志望で難関校を目指していた場合、そこに落ちてしまうと第二、第三志望の学校はダメな学校と思ってしまいがちです。
特に、滑り止めで落ちた偏差値が40台の中学などに通うようになった場合は、そう考える傾向が高くなります。
そんなとき、「あれだけ努力したのにこんなダメな学校にしか通えないなんて」といわれてしまうと、本人としても「ああ、ここはダメな学校なんだ」と思ってしまいます。
そうなると、「こんなダメな学校で努力したって何にもならない」と考えて、成績がどんどんと落ちていくこともあり得ます。
少なくとも、滑り止めとしてその学校を選んだ以上は、もしもの時に入学する意思があったはずです。
それなら、どの学校になったとしても「いい学校に入学できたね」といってあげるべきでしょう。
偏差値ばかりを気にしていると、いい学校、ダメな学校と分けてしまいます。
しかし、偏差値以外でも注目するべき点があります。
それは、居心地のいい学校になるかどうか、ということです。
ダメな学校と思っていると、「自分は本来ならこんな学校に通うはずじゃなかった」と思うことで、自分を正当化しようとします。
しかし、それは周囲との軋轢を生むことにつながってしまうのです。
その学校に通うことに前向きな子どもから見ると、自分がここにいるのは間違いだと思っている人は邪魔です。
そういうのなら、好きなところに行けばいいと思われるでしょう。
その結果、学校内での孤立につながるのです。
その学校での居心地がよくなるかどうかは、学校の雰囲気によるものではありません。
自分が、その学校にいることを前向きにとらえられるかどうかで決まるのです。
親としては、少しでもその学校で居心地よく過ごせるようにするために、学校への否定的なコメントは避けるべきでしょう。
否定され続けると、最終的にはその学校に通う意味さえも分からなくなってしまいます。
そうなると、極端にいえば引きこもりになってしまうこともあり得るのです。
そうならないように、努力した結果を肯定してあげることが大切です。
大切なのはこれから
中学受験で第一志望に合格できなくても、それで終わりというわけではありません。
最終的な目標に向けて、努力を続けることが大切なのです。
そして、それは何も難関中学に合格することが絶対条件ではありません。
例えば、最終的な目標が東大の現役合格だとします。
そのためには、確かに難関中学に合格して、有名塾へと通うのが近道かもしれません。
しかし、そうしなければ合格できない、というわけではないのです。
東大に進学する人には、様々な人がいます。
例えば、進学校の私立高校どころか私立中学すらないような地方からでも、東大へと進学する人もいるのです。
また、極端な例でいうと高校生で偏差値40台の人でも、適切な努力をすれば東大に合格できます。
ドラマでもありましたが、現実でもそれが叶った例もあるのです。
そのために必要なことは、努力を諦めないことです。
しっかりと勉強を続けて、自分なりにできることを精一杯こなし、結果を受け止めて次回の反省に生かすというのが、合格するための最低条件といえるでしょう。
勉強に対するモチベーションを下げないためにも、まずは入学する中学についてお互いに前向きな気持ちを持つようにしましょう。
そして、中学での勉強方法に気持ちを切り替えるのです。
中学受験までは、保護者が中心となって勉強のスケジュールを組み立てることが多いのですが、中学生になったらそれも切り替えなくてはいけません。
自分で勉強のスケジュールを立てて、保護者はそのサポートに徹するようにするのです。
そして、試験の結果などを見ながら、リスケジュールなどを話し合いましょう。
この時も、親が主導になるのではなく、子どもの意見を中心に組み立てます。
そうやって、前向きに取り組んでいきましょう。
まとめ
中学受験は、非常に厳しいものです。
まだ小学生のうちからかなりの勉強時間を設けて、毎日努力しているのですから、誰でもその成果が実ることを願っているでしょう。
しかし、思い通りにならなかったとしても、否定せずその結果を前向きに受け止めましょう。
努力をしたという結果が残っているのですから、後はそれを続けられるようにすることが大切なのです。
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