サピックスの5年生のカリキュラムと勉強方法とは
サピックスでは、5年生を「中学受験に欠かすことのできない確固とした基礎力を充実させる時期」と位置づけています。
基本的な学習のしかたは4年生までと同じですが、学習内容や学習量は大きく変わり、それまで成績上位にいた子が、5年生になってクラス順位を落としてしまうことも多いようです。
5年生のサピックスでは、どのように勉強をすればよいのでしょうか。カリキュラムとともに解説します。
目次
5年生の学習は中学受験をするうえで非常に重要
中学受験においては、5年生のうちにどれだけ基礎学力を固められるかが非常に重要だといわれています。サピックスの考え方も同じです。
5年生では、次のような対策をとりながら中学受験に向けて進んでいきます。
5年生のうちに中学受験の範囲をすべて終える
サピックスの指導方針としてご存知の方も多いかと思いますが、サピックスでは、5年生のうちに中学受験の学習内容をすべて終えるためのカリキュラムを組んでいます。4年生までは、どちらかというと基礎の基礎を固め、授業で学んだことを家庭で復習するというサピックスの学習スタイルに慣れることに主眼を置いたカリキュラムとなっていました。
しかし、5年生ではその基礎があることを前提に、中学受験に向けてスピードアップした授業が展開されます。1年で受験範囲の内容を終えるわけですから、必然的に学習内容はボリュームアップします。限られた時間の中でその復習もこなさなければなりませんから、どうしても習熟度が下がってしまう傾向にあります。増えた学習量に対して、どのように向き合っていくか、ご家庭でも対策を考える必要に迫られるかもしれません。
志望校診断サピックスオープン
5年生になると、4年生までのテストにプラスして、『志望校診断サピックスオープン』というテストが増えます。これは年に2回実施されるテストで、目的は、子どもそれぞれの問題適性を診断することです。
中学入試の問題は、Aタイプ(基礎力・問題処理能力重視)とBタイプ(思考力・記述力重視)に大別できますが、問題適性診断というのは、そのどちらに適性があり、現時点でどのくらいの実力がついているかを分析して提示するものです。早い段階で自分に合った志望校を選択し、その学校に狙いを定めて本格的に受験勉強を始めることを狙いとしています。
サピックスの5年生のカリキュラム
それでは、具体的にどのように5年生の勉強が進んでいくのかを見ていきましょう。
5年生のカリキュラムは、小学4年生の2月からスタートします。
5年生がサピックスに通うのは週3回
4年生までは週2回の通塾でしたが、5年生になると週3回になります。
時間割は、首都圏の場合、「算数A・算数B」「国語A・国語B」「理科・社会」という2コマずつの授業が週に3日、組まれています。授業時間は1コマ90分です。4年生は60分でしたから、トータルで180分増えることになります。
関西圏は、「算数A・算数B・理科」「国語A・国語B・特別算数」「社会・算数α」という週3日の時間割が組まれていますが、社会と算数αは選択者のみの授業です。授業時間は、社会と算数αは1コマ90分ですが、それ以外は1コマ80分となっています。こちらも、4年生は60分でしたから、1週間の授業時間として見ると、大幅に増えるということです。
学習の流れ
学習の基本的な流れは、4年生と同じです。
『デイリーサピックス』で討論形式の授業を受けます。小テスト『デイリーチェック』を授業の一環として受ける点も4年生と変わりません。
家庭では、『デイリーサピックス』や補助教材を使って復習をし、学力の定着をはかります。
さらに『マンスリー確認テスト』『復習テスト』『実力診断サピックスオープン』『志望校診断サピックスオープン』などのテストを受け、その結果をフィードバックしてもらいながら、日々の学習を進めていきます。
5年生からの学習のポイント
授業内容のボリュームが増えるということは、宿題の量も増えるということです。すべてをこなすことは時間的にハードで、子どもによっては成績が落ちてしまうという事例も耳にすることが増えてきます。大切なことは、何が何でもすべてをこなそうとするのではなく、「弱点強化」など自分なりの目標を定めて効率的に勉強することです。
またサピックスでは、中学受験で欠かせないとされる論理的思考力が5年生のうちに身につくように指導を行っています。これを後回しにしてしまうと、6年生になったときにさらについていけず、勉強時間が足りなくなるという悪循環に……。
慣れるまでは大変かもしれませんが、5年生の早い時期で学習ペースをつくり、授業で教わったことは何度も復習して、できないことやわからないことを残さないようにしましょう。ここにしっかり取り組むか否かで、6年生になってからの成績の伸び方が大きく変わってきます。
まとめ
5年生のお子さまがサピックスに通われる場合は、お伝えした内容を参考にして、日々の学習計画を立ててみてください。学習内容も宿題の量も4年生とはくらべものにならないくらい増えますが、それに圧倒されないことが大切です。5年生で身につけた思考力は、将来に渡っても役立ちます。志望校を目指して、サピックスの5年生の授業を乗り切っていきましょう。