中学受験で良く出題される、論説文について知っておこう
中学受験の国語で、出題される分野の上位を占めるのが論説文です。
この分野は、毎年徐々に難しくなっている傾向があるので、事前の準備が成績を大きく左右します。
論説文には、どのような対策が効果的でしょうか?
その詳しい内容について、解説します。
論説文とは?
国語には、様々な出題方法があります。
その中で、論説文とは何を指すのか、明確には知らないという方もいるでしょう。
まずは、論説文というのはどのような問題のことか、解説します。
論説文というのは、あるテーマについて述べた文章の中で、筆者の視点からその内容を述べているものをいいます。
第三者の視点から解説していると、説明文という別の分野になるため、混同しやすいので注意が必要です。
入試に出される論説文のテーマは、様々なものがあります。
特によく見られるものとして、社会学や人類学、自然、科学技術など、子どもには難しいように思えるテーマばかりです。
また、筆者の主観だからこそ、表現にも抽象的なところがあるなど、一筋縄ではいかないような問題が数多く出題されています。
だからこそ、何度も繰り返し勉強して読解力を身につけておかなければならないのです。
国語の文章問題と聞いて、イメージされる分野といえば物語文です。
しかし、物語文と論説文は全くと言っていいほど異なります。
その違いを理解して、しっかりと備えておきましょう。
論説文に備えて
論説文は、小学校の教科書と比べるとかなり難解な文章です。
文字数も非常に多いので、読んでいるうちに混乱して、内容を見失ってしまうことも少なくありません。
論説文は難易度が高いので、普通に読んでいるだけでは理解するのが難しいのです。
構文が複雑なものも多く、一文ずつが長くなっているため、全体を読み進めるよりも部分ごとにしっかりと意味を理解しながら読み進めていき、言葉や文のつながりもいちいち確認しながら読み進めていくべきです。
そのためには、普段からテキストを読む際に、細かいところまで読み解いていくような癖をつけるべきです。
論説文や説明文を読むのは大変なので、嫌がる人も多いでしょう。
しかし、普段からいろいろな本を読んで精読する癖をつけるのが、論説文を解くのに役立ちます。
論説文を攻略するために
論説文を攻略するには、いくつかのポイントがあります。
苦手という人は、このポイントを理解していないことが多いのです。
どのようなポイントがあるのか、解説します。
論説文の基本は、文章を読んで理解することです。
それにより、内容を要約しやすくなります。
そして、文章の中には、読解問題を解く際のヒントがあるため、正解がわかりやすくなるのです。
これを繰り返していくと、ヒントがある場所をすぐに見つけられるようになります。
そうすれば、すべてを読まなくても問題を解けるようになっていきます。
そうやって、スピードを上げていくのです。
練習としては、文章を読みながら重要と思えるところに線を引きましょう。
何度も繰り返すうちに、本当に重要なのがどのポイントなのかをすぐにわかるようになります。
続いてチェックしたいのが、接続詞です。
接続詞には様々な種類があるのですが、その中でも注目したいのは3種類です。
それは、逆接、説明、換言です。
逆接 | だけど、しかし、ところが、にもかかわらず、でも、それなのに、等 |
---|---|
説明 | だって、なぜなら、なぜかというと、というのも、等 |
換言 | つまり、このように、要するに、すなわち、等 |
この接続詞がなぜ重要なのかというと、そこに続くものは重要ポイントが書かれていることが多いからです。
これらの接続詞が問題文の中にあったら、その後ろに続く言葉に線を引くようにしましょう。
これに注目すると、重要な点がすぐに見つけられるようになります。
知っていると、問題を解くスピードが格段に上がるでしょう。
問題文を一度読む際は、上記の接続詞を見逃さないように注意してください。
簡単な例でいうと、「今日は友人と待ち合わせをしている。しかし、目覚めたのは昼だった。」という文章があった場合、昼に目覚めたことで友人との待ち合わせに支障がある、ということが読み取れます。
つまり、友人との待ち合わせは朝から昼にかけての時間、ということが推測できます。
おそらく、昼に起きたことで待ち合わせ時間に間に合わないかもしれない、もしくは間に合わなかったのだろうということが読み取れるのです。
もう一つ例を挙げます。
「今日はスーパーに買い物に行かなければならない。にもかかわらず、車が故障してしまった。」という文章なら、買い物に行くには車が必要だということがわかります。
このように、接続詞に続く言葉はその文章の中で重要な意味を持つことが多いのです。
しかし、前後の言葉と併せて意味を持つこともあるので、その言葉につながる言葉も一緒に探していくといいでしょう。
また、論説文では筆者が考えていることと、それ以外のことが書かれています。
それ以外というのは、要するに筆者の考えを述べるうえでの前提となることです。
これがなければ、筆者が訴えたいことが何なのかわからないことも出てくるでしょう。
そして、論説文の中で重要なのは、当然筆者の主張です。
それが重要でないのなら、説明文で十分でしょう。
筆者の主張があるからこそ、論説文は成り立っているのです。
それを把握するために、主張とそれ以外の文章をしっかりと区別しなければいけません。
そして、それに関連する例や知識などを見つけ、併せて読んでいきましょう。
そうすることで、筆者が何を言いたいのかがわかりやすくなります。
筆者の主張は、文章ごとや段落ごとにあります。
それぞれ、主張とそれ以外の部分を分けて読んでいきましょう。
それが習慣になれば、問題の答えがどこにあるのかを見つけやすくなります。
論説文には、慣れも必要です。
論説文でよく出るテーマがあるのですが、そのテーマの論説文はいくつも読んでみましょう。
近い内容のものなら、読みなれていれば理解も早くなります。
特に重要なのが、事前に知識を仕入れることができるという点です。
テーマによって、それぞれの分野の専門用語が出てくることがあります。
環境論や科学論などでは、日常生活で出てくることがない用語もあるため、先に調べておかなければ理解するのに時間がかかってしまいます。
わからない用語は飛ばさずに、しっかりと調べるようにしましょう。
また、塾の先生や家庭教師などにもテーマの概要を確認して、わからないことは説明してもらうようにすると、理解がより深まります。
出題パターン
論説文で、よく出題されるパターンというものがあります。
それを把握しておくと、どのような問題を解いていけばいいのかがわかります。
全部で6つのパターンがあるので、それぞれどのようなものかを解説します。
1つ目は、筆者が何を言いたいのかを問うパターンです。
これは、文章の中から筆者の意見を見つけて、それを記述します。
たとえ、筆者の意見が間違っていても関係ありません。
ここで重要なのが、書かれている内容を変更しないということです。
筆者がどのように考えているかを書くものなので、文章中の内容を過不足なく書くことが大切です。
ただし、内容が同じなら文章は変更しても構いません。
このパターンは、問題文の文末に特徴があります。
「どのように述べていますか?」などとなっていることが多いので、識別しやすいでしょう。
また、解答に当たる分は逆接や換言の接続詞に続いているものや、強調文になっていることが多いので、そのような文章を問題文から探しましょう。
比較的、わかりやすいパターンです。
2つ目が、筆者の主張に対して、その理由となる部分を問われるパターンです。
筆者がなぜ、そのような主張をしているのかを述べるもので、「なぜ」から始まり「でしょうか。」で終わるような問題文が多いでしょう。
この解答に当たる部分は、主張を述べている部分の前後によくあります。
また、強調文で書かれていることも多いので、よくチェックしてください。
接続詞では、「なぜなら」などが使われている部分が該当します。
3つ目が、具体的な例がどこかということを問われる問題です。
筆者の考えを補足するための部分で、どこからが当てはまるのかを見つけられるかを問われます。
問題文にも、「具体的に」などの言葉が入ることが多いので、迷うことはないでしょう。
解答となるのは、問題文の中にある具体例です。
該当の分の後に、「このような」と書かれていることもあります。
4つ目は、問題文の中にある「これ」や「それ」などの指示語が何を示したものか、ということを問われるパターンです。
こういった問題では、文章のつながりをしっかりと理解しているかを問われます。
答えとなる部分は、基本的にその指示語よりも前にある文章です。
該当する部分が当てはまるかどうかは、その指示語に当てはめてみるとわかります。
文章が成り立てば、正解の可能性が高いでしょう。
文章が成り立たない場合は不正解ということなので、一度当てはめてみるようにしましょう。
5つ目が、文章の空欄に当てはまる言葉を答えるパターンです。
接続詞などを問われることもあるので、どの接続詞がどのようなときに使われるかを把握していないと答えるのが難しいでしょう。
また、該当する言葉を探すものの場合は、前後にそのヒントがあります。
空欄部分の前後には、同じ内容や逆の意味の分があるので、それを手がかりにして当てはまる言葉を探します。
そのため、反対語や同意語などの知識も問われることになります。
6つ目は、文章全体の内容や話題について問われるものです。
何を言いたかったのかを問われるので、文章全体の意味を理解していていないと説くことができません。
重要なのは、第一段落と最終段落です。
そこに内容の起点と結論があるので、それを確認して解いていかなければいけません。
主観や思い込みで解答してしまうと、間違えることが多いので注意しましょう。
中学受験では、このような問題がよく出されます。
過去問などを解く際は、そのことを意識して解いてみましょう。
そうすれば、本番でもより答えを見つけやすくなります。
まとめ
論説文というのは、読みなれていないと複雑に感じるものです。
それを素早く解けるようにするには、繰り返し練習をして慣れていくしかありません。
直接問題を解いていくだけではなく、様々な本を読んでみるのもおすすめです。
よく出るパターンもあるので、事前に把握しておきましょう。
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