コロナのせいで不足した授業時間はどうすればいいのか?

コロナのせいで不足した授業時間はどうすればいいのか?

2020年の学校生活は、新型コロナウイルスの影響で大きく変わってしまいました。
特に問題なのが、学校が休校になったことで不足した授業時間です。ƒ√
学校ごとに夏休みを短縮するなど様々な工夫はしていますが、まだまだその遅れを取り返せていない学校も少なくありません。
再びコロナの感染が再拡大したら、どうなってしまうのでしょうか?

授業時間はどのくらい不足しているのか?

新型コロナウイルスの影響は、春ごろにかなり大きくなりました。
その結果、4月以降に学校が休校となることが多く、新学年が始まった直後に休校となった学校も多かったでしょう。

休校などの対処は、各地域で期間などが異なっていましたが、全く影響がない地域というのはありませんでした。
特に、人口密度が高い関東などの都市部では、感染者も多かったことで長めに休校期間を取るなどの対処がされていました。

埼玉県では、8月の時点で夏休み前までの学習状況などについて県内の小中学校に調査を行い、特に受験を控えた小学6年生、中学1年生の授業時数の不足について確認していました。
これによって、コロナ禍での学校教育の課題について考えようという目的です。

その結果、授業時数の不足として最も多かったのが、190時間から219時間となり、全体の3割以上を占めていました。
次いで、160時間から189時間、220時間から249時間という回答が多く、160時間以上不足していると回答した学校が小中学校ともに85%以上と、そのほとんどを占めていたのです。

不足分の日数はどこから捻出する?

1週間の授業時間は、おおよそ30時間です。
つまり、ほとんどの学校では5週間分以上が不足していて、特に3割以上の学校では6~8週間分が不足しているということになります。

これを回復するために長期休みを削るとしたら、1~2か月分は削らなくてはいけません。
それでは、冬休みも春休みも返上となり、それでも足りずに日曜祝日さえも返上することになるでしょう。

しかし、そういうわけにはいきません。
長期休業日にも、きちんと意味があるからです。
できるとすれば、日程の短縮くらいでしょう。

実際に、調査を受けた中ではすべての学校で長期休業日を短縮すると回答していました。
すでに、夏休みは短縮されているでしょう。
それに加えて、9割以上の学校では学校行事を見直して、行事やその準備期間などを削って授業に充てるとしています。

また、小学校では6割ほどの学校で、日課表を工夫して時間を捻出するとしています。
中学校では半数以上が、土曜授業を実施する予定です。
しかし、これでもまだまだ授業数は不足しているでしょう。

埼玉県の教育委員会では、授業時数だけで学校の取り組みについての評価はするべきではないとしています。
しかし、同時に子どもたちが学習内容をどのくらい理解しているか確認し、それが不足している場合には授業時数の確保に努めるべき、という要請もしています。

埼玉県以外では、東京都内で夏休みを25日も短縮するとしている小学校もありました。
しかし、それでも授業数はかなり足りないため、どうするか頭を悩ませていました。
さらに、流行の再拡大が懸念される地域などは、夏休み以降も適宜休校などの措置をとられるため、より不足することもあります。

文部省では、家庭学習の分も授業時間として認める、という通知を出しています。
そのために、学校から大量の宿題が出されることも増えているでしょう。
ただし、家庭学習はあくまでも補助的なものであり、本来は学校で学んだことを復習し、次の授業を予習するのが正しいことでしょう。

家庭学習の割合が増えると、学びの質が低下する恐れや、地域による教育格差が拡大する恐れなどがあります。
また、保護者の負担も増えてしまうので、それをどうクリアするべきかが現在の教育現場の課題といえるでしょう。

今注目される、ICT

その中で、注目されているのがICTの活用です。
ICTは、Information and Communication Technologyの略で、情報通信技術という意味です。
要するに、教育現場にPC、タブレットなどを活用しようということです。

これまでも、PCなどが教育現場で活用される機会は増えていました。
授業を分かり易く説明するために使われるだけではなく、生徒情報の管理等にも使われています。

また、全校生徒にタブレット端末が配布された中学校もあり、注目を集めています。
教育のペーパーレス化が進められ、生徒が興味を持ったことをすぐに調べるアクティブラーニングも広がっていきました。

現在の状況では、このICTが非常に大きな意味を持ちます。
例えば、生徒全員がインターネットに接続できる端末を持っている場合、それを使ってオンライン授業が可能となるのです。
そうなれば、家にいながらにして授業を受けることも可能でしょう。

しかし、実際にはそううまくはいきません。
クラスに1人でもパソコンやタブレットが家にはないという生徒がいる場合は、この方法ができないのです。
また、学校側でもオンライン授業をするための設備やマニュアルがなければ厳しいでしょう。

それでも、少人数を対象に行っていた学校もあります。
塾なども、オンライン授業を取り入れたところは多いでしょう。
現在の状況において、ICTは有効な手段であることは間違いないのです。

ICTの活用を考えよう

残念ながら、現段階では学校でICTの活用が十分にされているとは言い難い状況です。
休校期間には注目されましたが、通常授業が始まったとたんに活用しなくなっている所も多いのです。
埼玉県内でいうと、およそ半数は活用しなくなっています。

しかし、これは非常にもったいないことです。
なぜなら、休校期間中にICTを活用するための下地は整っているからです。
そして、新型コロナウイルスの脅威はまだ去ったわけではありません。

いつ、再び休校措置を採ることになるのかがわからない現状、今まで以上にICTを活用できるように準備しておく必要があります。
そのためには、普段からICTを活用することで生徒の戸惑いをなくしておくべきでしょう。

いきなり、対面授業からオンライン授業に切り替わったとしても、生徒たちにとっては馴染みがなく落ち着かない環境となります。
これは授業だといっても、教師が画面越しにいることに慣れていないと、集中するのは難しくなります。

例えば、毎日の授業の他に2日に1回、30分だけでも補習授業をオンラインで行うと、生徒もその環境に少しずつ慣れていくことができるでしょう。
まずは、短時間からでも画面に集中するという訓練が必要になるのです。

新しい環境での生活となっている現在、今ある問題を解決しながら新様式の生活に慣れていくために、色々と変化を許容しなくてはいけない状態です。
そのために重要となるICTという便利な技術があるのですから、今後はこれを活用した教育に力を入れていくべきでしょう。

まとめ

新型コロナウイルスの影響で授業数が不足している現状は、教育現場にも大きな混乱をもたらしています。
先生方の負担も、かなり大きなものとなっているでしょう。
だからこそ、今は新しい技術を活用して、教育の現場を変化させていく必要があるのです。
今後、ICTを活用した授業が増えるようなら、家庭でもその準備をしていかなければいけないでしょう。
今後の変化に注目して、対応できるようにしておきましょう。
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