入試に出る意外な問題?素朴な疑問に対応できる知識を!
子どもから、ふとした疑問を投げかけられるのは、よくあることです。
大人なら知っているだろうと聞かれても、答えられないこともあるかと思います。
実は、そんな素朴な疑問も、入試問題として出されることがあるのです。
2019年以前、どんな問題が出されたのか、解説します。
2020年の入試対策にもいかしていきましょう。
コーヒーはどうして苦いのか?なぜ、大人は好きなのか?
中学入試の理科の問題として、近年出された問題の中にこのようなものがありました。
「コーヒーはどうして苦いのか?なぜ、大人はコーヒーが好きなのか?」という問題です。
皆さんは、答えられるでしょうか?
まず、コーヒーとは何なのかというところから考えてみましょう。
コーヒーが木に生る実というのは、多くの人が知っているでしょう。
しかし、一般的にそのあたりに生えているものではないので、それを実際に見たことがあるという人はごくわずかだと思います。
コーヒー豆ですから、大豆などのように豆を覆うように殻やさやなど、可食部位ではないところがついているのではないか、と考えるかもしれません。
しかし、実はコーヒーというのは、果肉に覆われているのです。
コーヒーの実は、基本的に赤いものです。
サクランボに似ていることから、コーヒーチェリーといわれることもあります。
ただし、種類によっては黄色やオレンジ、紫色のものもあります。
そこから果肉の部分を取り除くと、中の種だけが残ります。
この種の部分が、コーヒー豆といわれるものです。
つまり、豆とは言いますが、実際には種のことを言うのです。
豆のように、2つに割れる形で1つの実に2つずつ入っていますが、中には1つや3つ入っていることもあります。
この周囲の果肉も、食べることができます。
食べたことのある人の感想は、甘酸っぱいというのが多いようです。
しかし、果肉はほとんどなく、中の種を少しだけ大きくしたサイズで木になっているのです。
その中の種を取り出し、乾燥させたものが生のコーヒー豆です。
緑色なので、グリーンコーヒーともいわれています。
聞いたことがあるという人も、多いのではないでしょうか?
この状態でコーヒー豆をかじっても、おいしいものではありません。
青臭く、乾燥させているので非常に硬いのです。
ほとんど味はなく、苦みもありません。
では、コーヒーの苦みはどこからやってくるのかというと、それは焙煎することによって生じるのです。
焙煎というのは、コーヒー豆を加熱することです。
この焙煎によって、様々な成分が化学変化を起こします。
コーヒーの成分として有名なカフェインも、苦みを感じる成分です。
それ以外の、クロロゲンというのも代表的な成分です。
こうした成分が複雑に絡み合うことで、コーヒーの苦みを生み出しているのです。
コーヒーには酸味や苦みがありますが、それは焙煎のやり方で大きく変わってくるのです。
では、大人はなぜ苦いコーヒーを飲むのでしょうか?
それには、いくつかの理由があります。
その1つが、経験の蓄積、つまりは慣れです。
子どもは、苦いものが苦手なことが多いでしょう。
それは、子どもの味覚が敏感であるのと同時に、おかしなものを口に入れないための防衛本能です。
毒物などは苦味のあるものが多いため、本能的に苦味を嫌うようになっているのです。
大人になっても、苦味があるものは苦手、という人もいるでしょう。
しかし、苦味のあるものを食べ続けていると、苦味があっても毒ではないという経験が蓄積されていきます。
そうなると、苦味も味のひとつとして、純粋に楽しめるようになるのです。
コーヒーの苦みも同様です。
最初は砂糖やミルクを入れていたとしても、何回も飲むうちにその苦味が毒ではないという経験が、体に蓄積されていきます。
その結果、コーヒーの苦みを楽しめるようになるのです。
また、コーヒーにはリラックス効果や、ストレスを解消する働きがあるともいわれます。
ストレスが溜まっている大人は、その効果を求めるようになるので、コーヒーが好きになるともいわれます。
コーヒーが苦い、というのは当たり前のことですが、その理由を考えていくとこのような内容になるのです。
雑学のようなものなので、つい見過ごされることが多い知識ですが、入試に出ることもあるので覚えておいても損はないでしょう。
雑学で入試が有利になることもある
中学入試だけではなく、大学入試でも「眼鏡をかけると、なぜよく見えるのか」という雑学のような問題が出されることがあります。
もちろん、同じような問題であっても、求められる答えは異なります。
それぞれの知識量に見合った答えが求められているのです。
実際に、眼鏡の問題で求められている答えは、高校物理の範囲で説明できるものです。
しかし、それを簡略化したような問題が、中学受験で出されないとも限りません。
余裕があれば、対策しておいた方がいいのです。
このような問題に強くなるには、やはり雑学の本を読むことが大切です。
昔から、雑学をまとめた本というのは人気があります。
最近では、生き物の中でも行動や生態が残念なものを紹介している本が人気で、シリーズ化もされています。
このような本は、何もまじめに読むことはありません。
範囲も広く、いつまでも終わらないからです。
また、興味がないものは読んだとしてもなかなか覚えられないでしょう。
そのため、雑学に関しては興味があるものを見つけて、勉強時間の合間などに息抜きとして読むのが効果的です。
興味がある内容なら、比較的すぐに覚えるでしょう。
一通り読んでなんとなく覚えたら、また次の本を選びましょう。
強制されるわけでもなく、自主的に読んでいくことで、知識量も増えていきます。
また、雑学の本を読むことには利点もあります。
それは、普通とは異なる着眼点を得られるかも、ということです。
雑学の多くは、普通の人が疑問にも思わないことを深く掘り下げて考えるものなので、その視点があれば普通とは違うところに注目するようになるかもしれないのです。
それは、問題を解くときに表面的ではなく、本質に目を向けるようになるかもしれません。
また、計算問題などでも、順序良く解くのではなく素早く解く方法を思いつくこともあり得るのです。
雑学を身につけるために必要なのは、周囲のものに興味を持つ知的好奇心です。
これからの理科では、それが重要になるともいわれます。
日常の中で得た気付きから、なぜかということを疑問として、科学的な解決方法を考えていく、という形の問題になっていくのです。
雑学は、ともすれば不要な知識といわれて切り捨てられる傾向があります。
しかし、それが入試で役立つこともあるのです。
子どもが雑学に興味を持つように、何かを聞かれたらどうでもいいこととは思わず、きちんと相手をしましょう。
きちんと答えられないことを聞かれたときは、子どもと一緒にその答えを調べていきましょう。
可能なら、家でできる実験も交えて行うと、楽しみながら学習できます。
まとめ
中学入試の問題は、学校によって大きく異なります。
中には、教科書や参考書にはないような、雑学問題が出されることもあるのです。
この問題は、解けなければ合格できないというほど点数配分が大きくなることはないでしょう。
そのため、すべての雑学を覚えようという気概は必要ありませんが、勉強の合間にいくつか覚えてみてはいかがでしょうか。
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