志望校の過去問を解く重要性
中学受験では、志望校が決まったらその学校の過去問を繰り返し解くことが多いでしょう。
しかし、過去問を解くことはそれほど重要なのでしょうか?
毎年出るわけではないからと、軽視している人もいると思います。
過去問を解く重要性について、考えてみましょう。
過去問の意味は?
過去問は、以前にその学校で出された入試問題です。
以前に入学した人は、その問題を解いて合格したということです。
つまり、その問題を初見で合格点以上取ることができれば、その年なら合格できただけの学力があった、ということになります。
しかし、それはあくまで以前の話です。
今、受験しようという人にとっては、たとえ去年や一昨年なら合格できたとしても、今年合格できなくては意味がないのです。
それを踏まえたうえで、過去問を解くことに意味があるのでしょうか?
もちろん、意味はあります。
その意味を理解しておくと、過去問を解くことで受験が有利になるでしょう。
最も大きな意味は、志望校の出題傾向を理解することができるということです。
同じ問題が出るわけではありませんが、似ている問題が出ることは多いのです。
過去問を解いていくと、自分がどのような問題を間違えやすいのかが把握できるでしょう。
本番と同じく、時間を決めて解いてみるとより効果的です。
時間内にどれだけ解けるのか、どこで時間を使ってしまうのかを把握しておけば、ペース配分の参考にもなるでしょう。
そして、その結果で重点的に力を入れていくところを決めましょう。
時間がかかるところはどうすれば早く解けるかを考えて、どうしても時間がかかるようなら対応をまた考えるといいでしょう。
配点と時間配分を考えて、似たような問題が出た場合は後回しにすることも考えておくのです。
入試問題は、中学校によって大きく異なります。
志望校が決まっていない間は、どんな場合でも有効な基礎の学力を重点的に伸ばしていくべきです。
しかし、志望校が決まったら、その志望校にあった勉強をしていくべきでしょう。
また、過去問はどれくらい勉強をするべきか、ゴールの目安にもなります。
問題の難易度を知ることで、「どれだけ勉強しても不安」という状態から、「これだけ解くことができれば余裕があるだろう」という状態に変わることができるのです。
ただし、油断にはつながらないように気を付けましょう。
また、これまでの努力が明確な結果につながるので、やる気にもつながるでしょう。
漠然と勉強している間は、「本当に実力が付いているだろうか?」「どのくらい頑張ればいいのだろう?」という不安が常に付きまといます。
しかし、過去問を解いてみることで、自分の今の実力を把握でき、あともう少しで合格点に届くという結果が出れば、やる気にもつながるでしょう。
ゴールが明確になった方が、やる気も出やすいのです。
どうやって取り組むべきか?
過去問には、どうやって取り組んでいけばいいのでしょうか?
通常の問題集と同じように解いていくのでは、それほど意味があるわけではありません。
それよりも、過去問ということを十分に活かした取り組み方をしていくべきでしょう。
まずは、過去問を1年分解いてみましょう。
それによって、自分の実力がどのくらいなのかを把握できます。
今の立ち位置を知るためなので、目標の点数に届かないからといって落ち込むことはありません。
その結果をもとに、どんな勉強をしていくかを考えます。
どこが弱点か、どこに躓くのかを知ることで、効率よく勉強を進められるでしょう。
そうして、本番までに合格ラインをクリアすることを目指せばいいのです。
過去問は、ただ闇雲に解いても身にはなりません。
一つ一つ、問題の内容を確認しながら解いていき、似たような問題が出たときは迷わず解けるようにしていきましょう。
充分に復習したら、また1年さかのぼって問題に取り組みます。
最大で、5年前の問題まで解いていくといいでしょう。
それ以上前になると、教育のカリキュラムや学習範囲の違いもあるため、ガラリと問題の傾向も変わっていることが多いのです。
自分で解いて、間違えた後でやり直しても、どうしてもしっくりこない問題もあるでしょう。
たとえ答えが合っていても、解き方に違和感があることもあるのです。
そういった問題は、納得がいくまで質問してみましょう。
学校の先生や塾の先生、家庭教師、もしくは両親に聞いてみるのもいいでしょう。
同じ問題でも、解き方がいくつもあることがあるため、誰かが納得のいく解き方を教えてくれるかもしれません。
ただし、時間は有限ということを忘れないようにしましょう。
様々な人に聞いても、納得できる解き方がわからなかった場合、単なる勘違いの可能性もあります。
その場合は、後で時間がある時に考えることにして、今は次の問題に進みましょう。
過去問を解くときは、自分の実力を確かめることを第一に考えます。
初見の状態で、どれだけ解けるかを確認するため、本番と同じ制限時間を決めて、真剣に挑んでください。
間違えたところを直すのは、全て終わってからです。
向き合い方に差が出る
過去問は、向き合い方によって合格できるかどうかの差が出るものです。
どういう向き合い方をすれば、合格しやすいのでしょうか?
その違いについて、考えてみましょう。
過去問がそのまま出題されることは、まずありません。
先ほども言ったように、出題傾向をつかむのが最も大きな目的です。
しかし、それで気を抜いて解いていても、身につくものではないでしょう。
合格する人は、過去問であっても「また同じ問題が出るはずだ」という心構えで問題に取り組んでいます。
そのくらい、真剣に取り組まなくては意味がないのです。
それとは違って、「同じ問題が出るわけもないから、解き方だけ覚えておこう」など、適当に取り組むようなタイプは、不合格になる可能性が高くなるでしょう。
そういった解き方をしていると、問題の本質的な部分に気付きにくいのです。
合格を目指すなら、過去問は満点を取れるほど復習をくり返すつもりで取り組みましょう。
中学入試の問題は、1度や2度復習したからといってそう簡単に満点は取れません。
本番までの間、何度でもやり直すつもりでいましょう。
一人で問題を解いていても、どこかで引っかかってしまう可能性は高いでしょう。
その際は、自分で解くことにこだわらない方が効率よく進められます。
自分なら解けるはずだ、という意識も大切ですが、人に聞くことも大切です。
ほとんどの人は、塾に行くか、あるいは家庭教師を頼んでいるでしょう。
塾の講師や家庭教師がいるという利点を活用するためにも、丁寧に説明してもらうべきです。
入試の本番で十分に力を発揮できるよう、万全を尽くしましょう。
まとめ
過去問は、単なる昔の問題ではありません。
その学校の出題傾向やレベルを知ることができる、重要なツールです。
それを解いてみることで、自分の力や受験に際しての弱点を知ることができるので、必ず志望校の過去問にチャレンジしてみましょう。
ただし、入試には通常の問題の他に、時事問題も出されることがよくあります。
時事問題は、過去問にはない問題なので、多くの問題に対応できるようニュースなどのチェックも忘れないようにしてください。
首都圏で中学受験対策の家庭教師をご希望の方は、是非一度、代々木進学会にご連絡下さい。
お電話・メールどちらでもお問い合わせ頂けます。
講師一同、お待ちしております。