そもそも偏差値って何?

基準値以下の表示

受験において、偏差値というのは重要な目安になります。
しかし、その求め方などは知っているでしょうか?
テストの点数とは違って、単純に計算できるものではありません。
昔から高校受験や大学受験でも目にするものですが、具体的な計算方法を知っているという人は少ないでしょう。
偏差値とは何か、もう一度確認してみましょう。

偏差値とは?

中学受験で、志望校を選ぶ際に基準となるのが、偏差値です。
しかし、小学校の通知表のほとんどは、どこを見てもそんな項目はありません。
どう判断すればいいのか、悩む人も多いでしょう。

大人なら、今までに聞いたことがあるはずです。
しかし、そのおおよその数値についてはわかっても、具体的によくわからない人は多いと思います。
この数値が何を示しているのか、改めて考えてみましょう。

偏差値というのは、グループの中で自分の点数がどの位置にあるのかを示す数値です。
この時のグループは、模試などの受験者全体を指します。
順位ではなく、あくまでも点数から計算するものです。

例えば、模試を受けたとき、順位はちょうど真ん中でも、平均点とは限りません。
平均点を上回っていることもあれば、下回っていることもあるでしょう。
それは、点数の分布が平均的とは限らないからです。

ちょうど平均点なら、成績が50になります。
これは、平均点からどのくらい上回っているか、あるいは下回っているかを示した数値です。

このときの数値は、一般的に25から75までの範囲で示されます。
ただし、計算上では100を上回る可能性や、マイナスになる可能性もあります。
しかし、それはよほど極端な場合や、受験者数がとてつもなく多い場合です。

通常は、平均点付近をとる人が最も多くなり、そこから点数が離れるほど人数は少なくなります。
このような分布の形を正規分布といいますが、その場合は数値も40から60の間に70%近くの人が分布されることとなり、離れるほど人数は減っていきます。

しかし、極端な点数の場合はその限りではありません。
100人のグループで、1人だけが満点で、残りが0点という結果になった場合、平均点は1点です。
その場合、100点の人は149.5となり、残り99人は-49になるのです。

最も、このようなテストはまずありえません。
また、極端な結果は参考にならないので、これには意味があまりないといえるでしょう。
そういった場合は、除外して考えます。

どんな利点がある?

模試の結果を見るとき、まずはテストの点数を見るでしょう。
しかし、点数はその難易度によって異なります。
同じ90点でも、平均点が60点のときの90点と、平均点が80点のときの90点とは意味が違うのです。

どちらかというと、順位のほうが大切です。
しかし、全体点の順位は発表されても、個別の教科の順位は発表されないことがあります。
また、上位に迫る点数を取っているか、大きく離された点数かによっても意味が異なるでしょう。

偏差値なら、自分の点数が受験者全体の中でどのくらいの位置になるのかを、わかりやすく見ることができます。
テストによって平均点は違いますが、その出来を比較することができるのです。

先ほども言いましたが、通常は50を中心にそのプラスマイナス10の間に70%が分布します。
ということは、10以上上下に離れるのは、それぞれ15%ずつなので、60を超えていれば上位15%に入っている、ということです。
ちなみに、65を超えるとおおよそ上位7%に入ることになります。

また、これは平均点だけではなく、得点のばらつきも考慮されます。
多くの人が平均点に近い点を取っているテストと、点数に大きなばらつきがあるテストでは、同じような平均点でも標準偏差が異なるのです。

標準偏差というのは、データのばらつきを示す指標の一つです。
偏差値は、これを10点、平均を50点となるように調整して計算しています。
全員が平均点なら、0です。
また、ばらつきが極端に大きいと、その偏差値に意味はあまりなくなります。

多くの人が平均点の前後をとっている場合、平均点を上回ると大きくなります。
しかし、点数に大きなばらつきがあるテストでは、平均点を超えていてもやや低くなってしまいます。
その違いがあるので、平均点が同じテストで同じ点数をとっても、偏差値の面で見ると同じになるとは限らないのです。

その違いがあることで、テストの成績を判断するときに注目すると、公平に判断できるのです。

注意点は?

偏差値は、受験校の難易度を示す数値にもなっています。
そのため、受験校を選ぶためには、まず自分の成績がどのくらいなのかを知ることから始めなくてはいけません。
しかし、その値には注意するべき点があります。

この数値を見ることで、模試の受験生全体で自分の位置がどのくらいなのかを知ることができます。
そのため、模試の種類によって値は変わってくるのです。
その違いについて、考えてみましょう。

塾内だけで行うテストは、あまり気にすることはありません。
なぜなら、どれだけ大きな塾でもその塾だけではそれほど多くの受験生がいないので、意味があまりないからです。

それでも、参考として計算する塾もあります。
その場合は、あくまでも塾内での位置を示したものです。
計算の結果が70になっても、塾のレベルによってその意味は変わってくるでしょう。

県での統一テストであれば、県内での位置を示すことになります。
寮がある中学校以外では、あまり県外からの受験生はいないので、多くが県下からの受験生です。
自分が志望する中学が、県外からの受験生は多いかどうかも確認しておきましょう。

全国統一模試の場合は、全国での自分の位置がわかります。
県の中では70を超えていても、全国で見るとかろうじて60を超えたということもあり得ます。
全国で見た学力を知りたいなら、このときの結果が重要でしょう。

中学受験で参考にする場合は、基本的に全国で見たものが示されています。
例えば、最も高い中学は77になっています。
この場合は、一般的な全国模試などが対象です。

自分が参考にしているのが、どのタイプの模試なのかによっては、数値をうのみにできないかもしれません。
参考にするのは、なるべく範囲が広い模試にしたほうがいいでしょう。

また、有名進学塾が開催している模試などの場合、参加者のレベルがかなり高いものもあります。
その場合は、通常よりも低めに出てくるので、その結果を見てがっかりしないようにしましょう。

中学受験の情報を掲載しているサイトでは、通常のもののほかに有名塾の模試を対象にした数値を掲載しているところもあります。
通常は70でも、有名塾の模試なら62など極端に下がることも多いので、注意してください。

この値は、あくまでも受験生全体の中での位置を示すものです。
受験生という母体が、全国や県内、有名塾の生徒などに変われば、数値も変わるということを忘れないようにしましょう。

まとめ

学生を経験している親としては、偏差値というのはなじみ深いものかもしれません。
しかし、これから中学受験をする子どもたちにとっては、初めてのものです。
それが何を示しているのか、きちんと教えられるように、もう一度この数値について確認しておきましょう。
そして、受験に向けて判断基準になるよう、その注意点などにも気を付けてください。
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