低学年のうちから中学受験に備えるとき、何をするべき?
中学受験は、早いうちに準備を始めたほうが有利になります。
しかし、低学年のうちから入試問題を解いていくのは難しいでしょう。
それよりも、その時期にしかできないことをやっていき、基礎能力を伸ばしていくべきです。
それを踏まえた上、中学受験への備えとして低学年では何をするべきでしょうか?
問題に意味を持たせる
皆さんは、勉強というと問題集を解いていくというイメージがありませんか?
確かに、勉強というとそれが基本的なやり方です。
しかし、それはあくまでも基礎ができていて、さらに理解を深めるためにやる勉強です。
基礎というのは、例えば算数なら加減乗除の四則計算が基礎といえるでしょう。
しかし、それを勉強する基礎となるのが、「問題の意味を理解する」ということです。
言い換えれば、どんな場面で使われるものなのか、ということですね。
例えば、4+3=7というのは、単純な足し算です。
しかし、小さな子どもに単なる数字の計算だけを見せても、ピンときません。
そこで、身近なものを例にして問題を出します。
「4+3はいくつ?」と聞くよりも、「今、4つアメを持っています。そこに3つアメをもらったら、アメは全部でいくつになる?」と聞いたほうが、子どももイメージしやすいでしょう。
それが、問題に意味を持たせるということです。
これを繰り返していくと、子どもは自分で例を作り出せるようになります。
この問題なら、どういう場面で使われることがあるかを考えて、それを頭の中で想像しながら解いていくのです。
それが、問題の意味を理解するということです。
単純な計算なら問題ないでしょうが、問題が複雑になっていくにつれてそのシチュエーションを創造するのが難しくなっていきます。
また、算数なら多くのもので想像できるでしょうが、他の教科では想像できるものも限られていくでしょう。
そこで大切なのが、多くのことを体験させてあげることです。
例えば、社会の地理なら地図を片手に、いろんなところに行ってみるのがおすすめです。
そこで目立つものがあれば、それが名産なのかどうかを確認するのもいいでしょう。
スーパーに行くだけでも、勉強になることがあります。
例えば、子どもが好きな果物の産地を見て、それがどこにあるのかを地図で探してみます。
そして、生産量が日本で2位だったとしたら、1位や3位はどこかな?と聞いて、その場所を探してみてもいいでしょう。
それが、一定の地域に固まっていれば、それは何故かを考えます。
その結果、気候の問題だったとしたら、今度は理科を学ぶきっかけにもつながるでしょう。
また、色々なところに出かけていくと、歴史で出てくるようなところがいくつもあります。
特に、見た目のインパクトがある場所などがおすすめです。
例えば、原爆ドームです。
世界遺産にもなった建物ですが、建物を見ただけで大変なことがあったとわかるでしょう。
そこで興味を引き、何があったのかを調べてみるように促すのです。
そうすれば、戦争があったことや原爆が落とされたことを知ります。
そこから、さらに様々な方面へと興味が広がっていくでしょう。
戦争を題材にした話も多いので、国語の勉強にもつながります。
直接行くのが難しいなら、ネットで画像を見てもいいでしょう。
そのときは、タダ写真を見せるよりもgoogle mapを利用すると、街中を歩いているような感覚を味わえるかもしれません。
こうして、子どもの興味を広げつつ、色々なことを学ぶきっかけを作っていくのが、問題に意味を持たせるために必要となるのです。
ただ、書かれていることを覚えさせるのではなく、子どもに自分から「知りたい」と思わせることが大切なのです。
低学年は、遊びたい盛りです。
その時に、勉強を自主的にする習慣をつけておくと、高学年になってからもスムーズに勉強ができるようになるでしょう。
勉強ばかりではなく、運動も重要
低学年の頃から勉強させようと思うと、ついついないがしろになってしまうのが運動です。
特に、スイミングや体操などの習い事をさせていると、それ以外の運動は必要ないのではないか、と思いがちです。
しかし低学年のうちは、型にはまった運動だけではなく、自由に動きまわる運動も必要なのです。
例えば、公園に連れて行った子どもを自由に遊ばせると、当たり前の使い方ばかりではなく自分が好きなように遊ぶことがあります。
この、自分なりの遊び方を見つける、というのが大切です。
これはこう遊ぶものだ、という当たり前のことだけではなく、こう遊ぶこともできるのではないか、という視点を育てることができるのです。
これは、勉強にも通じる力です。
同じ問題でも、当たり前に解くばかりではなく、こうやって解くともっと簡単に解けるということを自分で発見できるようになるからです。
こういう力があるかどうかで、難しい問題や初見の問題を素早く解けるかどうかが決まります。
それが、中学受験の合否を左右することもあるでしょう。
難しい問題の場合、絡まったひもを解くように少しずつ解いていく方法が一般的です。
しかし、自分で解き方を発見できる子どもなら、これを解けば全部ほどける、という1本の糸を素早く発見できることがあるのです。
そのため、なるべくなら外で自由に遊べるようにしてあげることが大切です。
ただし、なんでも自由にさせていいわけではありません。
子どもの遊び方には、危機意識が足りないことが多いからです。
大きなけがをする可能性が高いような遊び方をしていたら、止める必要があります。
しかし、自由に遊んでいるときに、危なくなければ止める必要はありません。
「これはこう遊ぶものだ」という、型にはまった遊び方よりも、周囲に迷惑が掛からない限りは自分がやりたいようにさせてあげましょう。
また、外で遊ぶことは抵抗力を高めることにもつながります。
体調を崩すことも少なくなるので、安心して受験に取り組む元ができるでしょう。
体力がつくと、より長く集中力を保てるようにもなるので、外で自由に遊ぶのはメリットが大きいのです。
低学年のうちから、多くのことを詰め込んでしまうというのも間違いではありません。
多くの問題を解くことで、色々なことを覚えていけるからです。
しかし、子どもが自分で興味をもって勉強するようになると、勉強の効率は格段に上がります。
最初は勉強をしている子に負けていたとしても、大きくなるにつれてその差は縮まっていき、いずれ逆転する可能性が高くなります。
勉強をしなくてはいけない環境ではなく、自分が望んで勉強できる環境を作ってあげましょう。
興味を持たせるにも、親がこれに興味を持ってほしいという願望を押し付けないようにしましょう。
それよりも、自分から進んで興味を持つように、さりげなく誘導してあげてください。
低学年のうちに、どう勉強に取り組んでいるかというのが、中学受験の合否に大きく関わることもあります。
主役はあくまで子どもなので、親としてそれを支えてあげることを念頭に置きましょう。
まとめ
中学受験の勉強は、4年生や5年生からでいいと思っている方も多いでしょう。
確かに、低学年のうちから中学受験の勉強を始めるというのは少し早すぎるかもしれません。
しかし、その下地作りという部分では、低学年でも決して早すぎることはないのです。
この時期が、子どもの興味の方向性を決めるのに大きく影響します。
勉強に役立つようなことに興味を持つように、色々と誘導してあげると将来の勉強が効率よく進むようになるでしょう。
一緒に楽しみながら、色々なことに興味を持つようにしていくのが理想的です。
より多くの経験をさせて、子どもの基礎的な力を育てていってください。
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