子どもの苦手科目を克服させるには、どうしたらいい?
勉強を進めていくと、得意科目と苦手科目が分かれてくるでしょう。
しかし、苦手だからといって放っておいていいわけではありません。
とはいえ、中学受験に向け、苦手科目を克服させたいと思ってもどうしていいのかわからない、という親御さんも多いと思います。
今回は、苦手科目を克服するための方法について解説します。
苦手科目は、無理やり勉強させても治らない
苦手科目を克服させるために、とにかくたくさん勉強させようとする親御さんは、かなり多いのですが、実はその方法だと逆効果になることもあります。
勉強するのが逆効果になるのは、なぜでしょうか?
子どもが勉強する時、問題の答えがわかるというのは気分がいいものです。
すらすらと解けていくようなら、どんどん自信をつけていくでしょう。
そうなると、勉強も楽しいものになります。
しかし、苦手科目を勉強している時はどうでしょうか?
少しでも難しい問題に当たると、とたんに解くのが難しくなり、手が止まってしまいます。
一度つまづくと、今度は焦ってしまいさらに問題が解けなくなることもあります。
その状態で勉強していて、楽しく感じるでしょうか?
そんなわけがありません。
勉強が苦痛にしかならないのです。
子どもが勉強嫌いになる原因には、苦手教科の勉強が上手くいかないというのがとても多いのです。
しかし、だからと言って勉強しないわけにはいきません。そこで、学習法を考える必要があるのです。
苦手教科を学習するには?
苦手教科を学習する際に気を付けたいことは、分からないというマイナスの思考を、わかるというプラスの思考に変えてしまうことです。
具体的には、どういった方法が効果的なのでしょうか?
まずは、なぜその教科が苦手なのか、ということを確認しましょう。
どうするかというと、基礎からおさらいをして、すぐに解ける問題もやってみるのです。
そこから、徐々に難しい問題へと移っていき、どこで躓くようになるのかを見極めていきましょう。
苦手な教科は、つい後回しにしていないでしょうか?
後回しにしてしまうと、苦手なものから逃げる姿勢が身についてしまいます。
それよりも、勉強時間の最初に苦手な教科を終わらせてしまうようにしてください。
苦手な教科に、勉強時間を長く取るのも間違いです。
わからない問題に長時間向き合うのは、精神的に負担が大きくなってしまいます。
それでは、集中力もなくなり、知識が定着しません。
それよりも、1回の勉強時間を20分など、確実に頑張れるという時間まで減らしてしまいましょう。
その代わり、その教科を勉強する回数を増やして、時間を分散させるのです。
大人とは違って、子どもは詰め込み学習に向いていません。
それよりも、繰り返し勉強することで、少しずつでも確実に知識を身につけるほうがいいのです。
1回ごとの勉強内容も、問題集1ページ分、ノート1ページ分といったように、子どもがなんとかなると思える分量にしましょう。
そうすれば、後これだけでこの教科は終わる、と考えることができるので、最後まで頑張ることができます。
また、苦手教科を完璧にできるようになるまで勉強する必要はありません。
まず、合格に必要な合計点を考えて、そのためには苦手教科で最低どのくらいの点を取ればいいのか、を考えてみましょう。
わからないところがあると、理解できるまで勉強しなくてはいけない、というのは子どもに大きなプレッシャーを与えてしまいます。
それは、ネガティブな考えにもつながってしまい、勉強のやる気そのものがなくなる可能性もあります。
それよりも、この教科は最低このくらいできるようになろうね、とあらかじめ完璧にできなくてもいいということを示しておくと、子どもも多少気楽に勉強できるようになります。
もちろん、ぎりぎりのラインではなく、多少余裕を持たせておきましょう。
そうすれば、苦手な教科の中からも得意なこと、興味を持てることが見つけやすくなるでしょう。
そこから、苦手意識が減っていけば他のところも理解しやすくなってきます。
また、普段から苦手教科の知識に関係することを、会話の中に含めるようにしましょう。
そうして、自然と興味を持てるようにしていくのです。
ただし、あまりしつこく聞いて正解させようとするのは、逆効果なので気を付けましょう。
苦手教科別の、具体的なやり方
苦手教科をどう克服するか、その方法を解説してきましたが、具体的にどうやればいいのかわからない、という方もいると思います。
そこで、一例ですが苦手教科別の具体的なやり方について、紹介します。
まずは、国語が苦手な場合を考えてみましょう。
国語は、なるべく説明文などの長文を毎日、1つずつ音読させることから始めましょう。
もちろん、一人で読ませるのではなくそばで聞いてあげてください。
音読を聞く中で、きちんとその内容を理解して読んでいるか、聞きやすい速度で読んでいるか、接続詞に気を付けているか、などを確認していきます。
おかしいと思ったところは、その都度質問していきましょう。
子どもも、読む習慣を身につけることで文章の意味を理解しやすくなります。
また、漢字を覚えることにもつながっていきます。
そして何より、親御さんが聞いてくれることで一緒に勉強している気分になるので、モチベーションの向上にもつながるでしょう。
算数については、とにかく反復学習が大切です。
苦手なところがあれば、完璧に解けるまで何度でも繰り返し解いて、時間内で間違いなく解けるようになってから次の段階に進みましょう。
同じような計算を何度もこなしていくうちに、どう解いていけばいいのかがわかるので、ミスをしにくくなります。
また、少しずつ解く速さが上がっていくと、自信にもつながっていくでしょう。
ただし、同じところで何度も間違えてしまうようなら、考え方がそもそも間違っているかもしれません。
その場合は、もう一段階簡単な問題からおさらいしていきましょう。
理科に関しては、名前が出てきたものを身近なものの中から見せてみると、興味を持ちやすくなります。
例えば、塩化ナトリウムというとピンとこないでしょうが、塩と言い換えればイメージもしやすいでしょう。
他にも、酢酸や塩素、炭酸水素ナトリウムなど、様々なものが身近にあります。
それを知ったうえで、簡単な実験なども行ってみると、さらに理解しやすくなるでしょう。
星なども、晴れた日の夜に外で星を見て、どれがどの星なのか一緒に探してみると、覚えやすくなります。
社会は、主に地理と歴史に分けられます。
地理については、野菜の産地や工業製品の工場の所在地、あるいは本社の所在地など、近くにあるものと結びつけながら覚えていきましょう。
おおよその場所などを覚えたら、次は気候や特徴、産業などを覚えておくと、なぜその産業が発達したのかということも考えやすくなるでしょう。
ただ暗記するのではなく、興味を持たせることが大切です。
歴史は、まず大まかに時代を分けて、それぞれの特徴的なものから覚えていくといいでしょう。
例えば、鎌倉から江戸時代にかけては武士、というくくりで覚えていきます。
そこから、徐々に細かいところへと移っていき、それぞれの時代で重要な人名、出来事などに進んでいきましょう。
そして、どの教科でもそうですが、子どもの学習が進んだ時は必ず褒めてあげましょう。
時には、教えてもらうという形をとって知識を確認して、「教えてくれてありがとう」といってあげると、子どもも自尊心が満たされて喜ぶでしょう。
まとめ
苦手な科目は、無理に取り組むと余計に苦手意識が出てくるので、勉強のやり方も工夫しましょう。
無理にやらせるのではなく、興味を持たせて子どもが自分から知りたい、と思わせることが重要です。
その時、親御さんはさりげなく導いてあげることが大切になるので、どうすれば興味を持たせられるのか、という例を見て参考にしてください。
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