勉強の管理は親がやるべき?それとも、自主性に任せるべき?
中学受験を控えた子どもを持つ親御さんの悩みの中でも、特に多いものの一つに「勉強の管理」というものがあります。
勉強は子どもの自主性に任せた方がいいという話を聞くけれど、それは本当だろうか、ということです。
果たして、勉強は子どもの自主性に任せた方が良いのでしょうか?
それとも、親が管理するべきでしょうか?
子どもの自主性は頼りにならない
勉強は、押し付けて無理に勉強させても身につくものではない、という意見を聞いたことがあるでしょうか?
よく言われていることでもあり、その意見に納得する人も多いでしょう。
しかし、本当に勉強は自主的にやるのを待たなくてはいけないのでしょうか?
確かに、自分が好きで勉強をしているという子どもは覚えも良く、成績も優秀になる傾向があります。
では、勉強があまり好きではない、という子どもはどうなるのでしょうか?
親が、勉強しろと一切言わなくなると、子どもはどうすると思いますか?
ほとんどの子どもは、勉強よりも遊ぶことを優先してしまいます。
自分で勉強の必要性を感じて、勉強するような子どもは最初から勉強しているのです。
一旦自由にさせると、後から勉強させようとしても手遅れになってしまうかも知れません。
自分が好きなだけ遊ぶという生活が、どれだけ楽しいことかを覚えてしまっているからです。
それでも勉強しなくてはと、自分で少しでも感じている子どもなら問題はないのですが、成績をあまり気にしていない子どもだと、その後も勉強に集中できなくなってしまうでしょう。
「子どもが自主的に勉強しなくては身につかない」というのはある意味で正しいのですが、どちらかといえば「自主的に勉強したほうが、身につきやすい」という方が正しいでしょう。
無理矢理だと効率が悪い
それなら、やっぱり親が勉強をやらせないと、と思う方もいるでしょう。
しかし、無理矢理勉強させるのはかなり効率が悪いのです。
無理に勉強をさせると、どうなるでしょうか?
例えば、遊びたいなど別の事をしたいと考えている子どもに対して、その時間を勉強に充てるように言ったとします。
そうすると、子どもは素直に言うことを聞いて、勉強に集中するでしょうか?
そうはならないでしょう。
無理に勉強しろというと、まずは勉強しようという姿勢を見せます。
しかし、すぐに頭の中では別の事を考え始めるでしょう。
そうして、表面上だけごまかすことを覚えていくのです。
例えば、親が見ている間は机に向かい、問題を考えるポーズを取ります。
しかし、実際には別の事を考えているので、あまり真面目に取り組んでいません。
そして目を離したら、また違うことを始めるのです。
だからと言って、親にも色々と用事があります。
勉強している間、ずっと横についているというのは難しいでしょう。
そして、もしずっと見ていたとしても、意味はありません。
なぜなら、それは単に勉強をしているポーズを続けているだけだからです。
問題も表面をなぞって、考えているふりをしながら頭の中では「早く勉強の時間が終わらないかな」と考えているだけです。
その結果、5分で解ける問題に30分も1時間もかけることになるのです。
この場合は、ここまで勉強したら今日は終わっていい、という区切りを最初からつけておけば、少しは改善されるでしょう。
例えば、この問題集を20問解いたら終わり、といった条件です。
1時間勉強する、など時間での制限は、あまり意味がありません。
1時間といわれると、途中さぼっても見つからなければ大丈夫と思い、1時間かけてどれだけ勉強が進むかは分からないからです。
それよりは、問題数やページ数で区切った方が良いでしょう。
しかし、そのやり方をしてもやはり効率は悪くなります。
何故なら、本人に勉強する気が無いからです。
勉強する気が無いのに無理やりやらせていても、覚えたことはすぐに忘れてしまいます。
やはり、親が一方的に管理するだけの勉強では、身になることは少ないと言えるでしょう。
放っておくと勉強しないかもしれませんが、どうせ勉強するならやはり自主的に勉強しようという気持ちになって欲しいものです。
親は子どもの勉強にどう関わっていくべき?
自主性に任せてもダメ、かといって親が無理矢理やらせてもダメとなると、一体子どもの勉強に親はどう関わっていくべきなのでしょうか?
親の関わり方について、考えてみましょう。
子どもが自主的にやるのが望ましいのであれば、親の役目は子どもに勉強したい、と思わせることです。
それはどうしたらいいのでしょうか?
最も有効なのは、勉強の必要性を教えることです。
とはいえ「勉強は将来、自分のためになるのだから、ちゃんとやっておきなさい」というだけでは、強制しているのと何ら変わりがありません。
何故その言い方がダメなのかというと、勉強することがどう自分のためになるのか、さっぱりわからないからです。
いい学校に入っていいところに就職する、というのを目標にしている子どもならいいのですが、そこまで考えていなければ何の必要性も感じないでしょう。
なので、まずは子どもが将来何をしたいのか、将来の夢を知ることから始めましょう。
例えば、将来はおまわりさんになりたいと言っているのであれば、まずはそのための採用試験などの情報を見てみましょう。
そして、実際にどのような問題を解かなければならないのか、それを見せるのです。
もちろん、今から採用試験や必要な資格の試験問題などは、解くことが出来ないでしょう。
今はそれでいいのです。
単に、この問題を解くにはどんな勉強が必要なのか、という事を実感してもらうのが目的です。
こんな問題が出されているから、これを解かなければおまわりさんにはなれない、ということをまずは子どもに知ってもらうことから始めましょう。
そして、そのためにはまず、基礎から時間をかけながらコツコツやっていく必要があるという事も教えるのです。
ここで、そんなの無理だよと、最初から諦めてしまう子どももいるかもしれません。
その時は、今すぐ理解する必要はなくて今から10年後に理解すればいいということも教えます。
そして、分かる範囲で良いのでその問題を解くために必要な知識を分解していきます。
その中で、今分かることだけでも解けるように勉強しようと言ってみましょう。
親にとっても難しい問題が多いので、分からない場合は何となくこれが必要と解説しても構いません。
その上で、中学や高校で習う内容も必要と教えればいいでしょう。
勉強でやる気を出させるには、まず手の届きやすい目標を設定することです。
「今日20問解け」というと嫌がる子どもは多いでしょうが、「今日1問だけ解け」と言われれば、そのくらいならいいかと真面目に取り組むものです。
大人なら、登山をあまりしない人に富士山の山頂まで登れと言っても無理だと諦めてしまうでしょうが、1号分だけ上れと言われたら頑張る人も多いのと同じです。
最終目標に手が届かないなら、手が届きやすい目標をまずは設定してあげる事が大切なのです。
子どもの自主性に任せるためには、まず子どものやる気を引き出してあげましょう。
それこそが、親のやるべき最大の役目といえるでしょう。
まとめ
子どもの勉強に対して、関わり方を悩んでいる親御さんは大勢います。
子どもの自主性に任せても、きちんと勉強する子どもはごくわずかなので、がっかりすることもあるでしょう。
しかし、親が強制しても勉強はそう進むものではありません。
時間を掛けてでも、子どものやる気を引き出すことが、親のやるべきことです。
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