先の学年で学ぶことを、今のうちからやっておくべきか?

先の学年で学ぶことを、今のうちからやっておくべきか?

子どもが勉強を張り切って進めていく様子は、親として望ましいものだと思います。
しかし、中には今勉強しているところばかりではなく、さらに先の範囲まで学習を始めたいと考える子どももいるでしょう。
これは、果たしていいことなのでしょうか?
学習の範囲について、悩んでいる親御さんに向けて解説します。

中学受験をするなら、先取学習は必須?

先取り学習に関しては、別に悪いことではありません。
特に、中学受験をするなら是非とも、学習を先のほうまで進めておくべきです。
それはなぜでしょうか?

中学受験で出題される問題は、当然ながら学校によって異なります。
しかし、全く無関係という訳ではありません。
小学校の学習範囲の中から出題される、ということは共通しているのです。

とはいえ、小学校の教科書に掲載されているような問題がそのまま出題されることはありません。
教科書にあるものを基本問題として、その内容をさらに複雑にした応用問題が出題されるのです。

基本問題は、いわば木の幹です。
大抵の場合は一本道であり、解き方を覚えていくことが大切ではありますが、覚えてしまえばそれほど難しくはありません。

それに対して、応用問題というのは木の枝です。
1本しかない幹に対して、枝は無数に分岐していくため、同じ範囲の問題からいくつもの応用問題が見つかるのです。
そのため、応用問題を広い範囲でカバーするのは大変なのです。

そして、学習内容が先に進めば進むほど、基本問題であっても複雑になっていきます。
そうなると、応用問題もさらに幅が広くなり、カバーしていくのも大変になるのです。
つまり、4年生の内容よりも5年制の内容、5年制よりも6年生の内容の方が時間を必要とする、ということです。

4年生の時に4年生、5年生の時に5年生の内容の基本問題を解き、そこから応用問題に進むというやり方をしていたら、果たして6年生の内容は間に合うものでしょうか?
少なくとも、同じペースで勉強していては間に合わないと考えるのが当然です。

また、学習する料についても、年々増えていくのが当たり前です。
基本問題にかかる時間が増えていく中で、さらに応用問題までとなると勉強が追い付かなくなる可能性が高いのです。

そこで、まだ時間があるうちに先の勉強範囲について、基本問題だけでも解けるようにしておくのがおすすめとなるのです。
現在の学習範囲の基本問題と応用問題を解けるようになった時点で時間が余るようにして、それからは徐々に先取り学習を進めていくのです。

そうすれば、最後の学習範囲までの基本問題を時間に余裕があるうちに解いてしまえるので、残った時間は応用問題だけに費やすことができるようになります。
そうすれば、応用問題にもじっくりと取り組むことができるでしょう。

また、応用問題の中にはその後学習することを利用すれば、簡単に解けるものもあります。
そういった問題があった時は時間を節約できるので、また次の範囲へとすぐに進むことができるでしょう。

中学受験は、学校によっても出題の傾向が異なり、それも毎年のように変化があります。
そのため、中学受験対策として勉強をする際は、受験する学校の傾向を読み取り、それに合わせた応用問題を中心に解いていくことが多いのです。
それは、全ての範囲の応用問題をカバーするには時間が足りないからです。

しかし、先取り学習を進めていくことで、その時間も節約することができるのです。
そうすれば、勉強できる応用問題の範囲もより広くなっていくでしょう。
ということは、これまでの傾向から外れた問題が出題されたとしても、そこをカバーできる可能性が高くなるということです。

こうした理由から、中学受験を志しているのであれば可能な限り先取り学習を進めておいた方がいいくのです。
それが、合格率アップにつながっていくのです。

ただし、やりすぎるとモチベーションの低下にもつながりかねません。
受験本番が近くなってから、もうやることがないと油断しないようにペースを考えて、受験直前まできちんと勉強を続けられるようにしましょう。
そのためには、保護者が適切にフォローしてあげることが大切です。

受験しないなら、先取り学習は控えるべき?

先取り学習をすることに問題があるのは、中学受験をする予定がない場合です。
それでも、予習という意味では先取り学習をして損はないように思えるでしょう。
受験しない場合は、なぜ先取り学習を控えた方がいいのでしょうか?

中学受験をしない場合は、基本的に学校で教わる内容を理解するだけで充分です。
そのため、教科書の内容さえわかれば、それ以上の勉強をする理由がないのです。
となると、授業を真面目に聞くことが一番大切な事となります。

しかし、先取り学習をしてしまうと、どうなるでしょうか?
授業で説明されていることは、すでに自分で勉強して理解してしまった内容です。
そうなると、真面目に授業を聞こうと思っても、どうしても退屈になってしまうのです。

これが、1度や2度の授業だけなら問題はないでしょう。
しかし、例えば1学年分まるごと先取りしてしまうと、その学年での授業は、単に暇な時間となってしまいます。

わからないところがあったのなら、それを理解しようと思って授業を聞くでしょう。
しかし、基本問題をすべて理解してしまうと、授業を聞かない姿勢が身についてしまうかもしれません。

一度、授業を聞かないのが当たり前になってしまうと、改まって授業を聞くのはかなり難しくなります。
自主学習では理解できないところが出てきても、自分なら考えればわかると思ってしまい、授業には集中しなくなるのです。

中学を受験するなら、学ぶべき範囲は無限にあるのですが、受験をしない場合、学ばなければいけない範囲が限られているので、そこまで先に学習する必要はありません。
むしろ、勉強に対するモチベーションを低下させることにもつながりかねません。

かといって、せっかく張り切って勉強している子どもに対して、あまり先に進むなと止めることはできないでしょう。
それよりも、別のことに興味を持たせてみてはどうでしょうか。

それこそ、中学受験をしなくても受験対策用の問題を解いてみるのもいいでしょう。
もし自分が受験したら、合格するだけの力があるかどうかを知っておくのは悪いことでもありません。

しかし、何よりも大切なのは、本人が何に対して興味を持つかということです。
保護者がこれを学ばせたいと思っても、本人が興味をもっていなければ身にはなりにくいのです。
それよりも、本人が興味を持ったことを学ばせた方がいいでしょう。

将来の夢に必要な資格の勉強を勧めてみるのもいいかもしれません。
今はまだ難しいとしても、将来はこれが必要という目標を抱くことができるかもしれません。
それは、将来にわたる勉強へのモチベーションになりえるでしょう。

ただし、先取り学習はしなくてもいいといっても、予習はするべきです。
予習をすることで、今はわからないことが何かという点がはっきりとするので、授業でも抑えるべきポイントがわかりやすくなります。
先取りと予習は違うので、混同しないように気を付けましょう。

まとめ

中学受験をするのなら、可能な限り先取り学習を進めて応用問題に力を入れていきましょう。
応用問題はいくらでもあるので、時間があって困ることはないでしょう。
ただし、必要がないのならあまり先取り学習をしすぎないように気を付けましょう。
子どもは、問題がすいすい解けるのが面白くて、どんどんと先に進んでいってしまうこともあります。
それをコントロールしてあげるのもまた、親の役目ともいえるでしょう。

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