苦手科目を少しでも克服する方法とは?~国語編~

お子様が成長するにつれて、1人1人のお子様によって得意な科目や不得意な科目がはっきりしてきます。
そうなると、得意な科目は進んで勉強するのに不得意な科目は勉強しない、ということも出てきてしまいます。
特に多くの受験では、総合科目で合否が決まることが多く、特定の科目だけ成績が悪い場合は非常に不利になります。
また、不得意な科目があることはお子様の学習意欲を削いでしまうことにも繋がります。
苦手な科目が目に付いたら、一刻も早くその苦手意識を解消する必要があります。

ここでは苦手科目を克服する方法を解説していきます。
まず今回は国語の克服方法について詳しくお伝えします。

そもそも国語とは?

国語という科目は、得意なお子様と不得意なお子様がはっきりしている科目です。
そして、誰もが当たり前に知っているこの国語という科目ほど、勉強方法が曖昧だと考えられている科目もありません。
特に、本さえ読めば国語は出来ると思っている方が多く、うちの子は本を読まないから国語ができない、とおっしゃる保護者の方も少なくありません。
もちろん、文章を問題とする国語の性質上、文章に触れる機会が多いお子様の方が経験値的に有利ではあります。

では、国語は本を読みさえすれば成績が上がる科目なのでしょうか?
答えはNoです。
それは、国語と言う科目が読書ではないからです。
では、国語とはどのような科目なのでしょうか?
国語が苦手な場合、まずは国語と言う科目がどのような科目であるのか、どのような能力が必要とされるのかを理解する必要があります。
まず、国語と言う科目について正しく理解しましょう。

国語とは、「自分の国の言語」という意味でしかありません。
つまり、私たちにとっては“日本語全般について学習する科目”だということです。
国語は、言語についての学習という意味においては英語の学習と変わりはありません。
英語では、新しい学習指導要領で英語習得のために「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの技能が必要だと改定されました。
日本語も同じです。
ただ、私たちは日常的に日本語を使用しているので、「聞く」「話す」技能は学校ではあまり問題にはされません。
残っているのは、「読む」「書く」技能です。
つまり、国語という科目は、日本語の「読む」「書く」技能を学習する科目だと言うことが出来るのです。
先ほど、国語は本を読みさえすれば成績が上がる科目ではない、と言った理由はここにあります。
「読む」技能だけではなく、「書く」技能も必要とされている以上、「読む」技能だけでは成績は伸びません。
国語の苦手を克服する場合、まず国語とは日本語の「読む」「書く」技能を身に付けるための学習であることを認識しましょう。

日本語を「読む」技能を身に付ける

国語が苦手なお子様のほとんどは、日本語を「読む」のが苦手だと感じています。
そして、国語克服の第一歩は、この「読む」作業を練習することにあります。
日本語を「読む」のは誰にでも簡単にできると思われる親御さんもいらっしゃるでしょう。
しかし、多くのお子様にとって国語で扱われる日本語を「読む」という作業が難しいのは事実です。

その理由は、人間の眼の構造にあります。
人間の眼は、構造上、横には簡単に広く動きます。
しかし、縦の視野は横より狭くなっています。
試しに30㎝の定規を持ってみて下さい。
眼から同じ距離においた定規を、縦にして持った時と横にして持った時の見え方に違いがあるのが分かるはずです。
定規を横にして持った場合は定規自体簡単に視野に入り、それ以外の部分もはっきり見えます。
しかし、定規を縦にして持った場合には、定規だけで視野の多くが埋まってしまい、定規以外の部分は見えにくくなります。
このように、人間の眼は、横のものは多く視野に入り見やすいのですが、縦のものは見えにくくなっているのです。

この人間の目の構造は、国語という教科で扱われる日本語を「読む」作業に大きな影響を与えます。
なぜなら、国語の学習で用いられる日本語はそのほとんどが縦書きになっているからです。
縦に長いものを、私たち人間は認識しづらい構造になっています。
だからこそ、縦書きの日本語を読むためには訓練が必要になるのです。
しかし私たち大人は、日本語は誰にでも読めると考えてしまい、縦書きの日本語を読むために練習が必要だと考えることがありません。
そのため、縦書きの日本語を読む訓練が必要な子供たちは、その訓練を十分にしないままの状態で日本語を読まなければならず、結果として国語が嫌いになるのです。

読書の機会が多いお子様の多くが国語を得意だと思っているのは、この縦書きの日本語を読む訓練がしっかりできていることがその理由の1つです。
さらに、最近縦書きの日本語が減ってしまっていることも、縦書きの日本語が読めない子どもを増やす一因となっています。
そして、この縦書きの日本語を読む訓練がしっかりできていないと、中学受験だけではなく、高校受験、大学受験まで影響を与えます。
しかし、高校受験や大学受験の時に縦書きの日本語を読む訓練をしている時間はありません。

このように国語が苦手な場合、まず縦書きの日本語を「読む」訓練をすることが重要です。
これは、短時間でできることではありません。
しかし、国語の苦手克服の一番大切な部分ですから、時間をかけて訓練していきましょう。

日本語を「書く」技能を身に付ける

英語と同様に、国語でも日本語を「書く」技能を身に付けることで成績は伸びるものです。
「書く」技能を身に付けるためには、英語と同様に言語のルールである文法を意識する必要があります。
ところが、私たち日本人は母国語として日本語を扱っているため、日本語を「書く」技能にあまり関心を示さない傾向にあり、日本語の文法に至っては全く意識していないという人がほとんどです。
もちろん、「話し言葉」であれば文法を意識しなくても十分に意思の疎通はできます。
しかし、国語で扱うのは「書き言葉」です。
書き言葉では言語のルールを無視した日本語は通用しません。
特に、小学校低学年で「見たことや起こったこと、思ったことを思ったように書きない」といった作文指導がなされると、「話し言葉」を書ければ十分だという間違った認識がされてしまいます。
国語では「書く」技能が必要になること、この時に「書く」のは、「話し言葉」ではなく「書き言葉」であること、「書き言葉」を使うためには言語のルールである文法が必要であることをしっかり認識しましょう。

国語の成績は経験値が左右する

私たち日本人は、生まれた時から日本語を使用して生きています。
そのため国語という科目は、経験値によって成績が左右されてしまうという側面を持っています。
読書が好きなお子様に国語の成績が良いお子様が多いのは、縦書きの文章を読み「書き言葉」に触れる経験が多いからです。
その点で、国語の苦手克服のために読書をするのは間違った方法ではありません。
しかし、現時点で縦書きの文章を読むのが苦手なお子様の場合、最初から長い文章を読むことに抵抗があり、無理に読書をさせることによってますます「読む」ことが嫌いになってしまう場合もあります。
そんな場合には、最初からまとまった文章ではなく、短い文章からゆっくり訓練していかなければなりません。
とはいえ、ご家庭だけでその訓練をするのは簡単ではありません。

そんな時、最適なのは家庭教師です。
家庭教師であれば、縦書きの日本語を「読む」訓練のために最適な教材を最適な分量で、お子様に合わせて使用することができます。
特に、国語の成績は他の科目より伸びるのに時間がかかります。
そして、今後の学習を大きく左右するのもこの時期の国語の特徴でもあります。
国語が苦手なお子様には、是非、家庭教師をご検討されてはいかがでしょう。

東京都で中学受験対策の家庭教師をご希望の方は、是非一度、代々木進学会にご連絡下さい。
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講師一同、お待ちしております。

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