反抗期の子供にはどう接すればいいのか?

子育てをしていて多くのお父さんお母さんが我が子の悩む思春期。
子どもがある日突然反抗的な態度を取るようになって驚くことや困ることも少なくはありません。
しかし、マイナスのイメージのある反抗期ですが、子どもが大人になっていく非常に大切な時期でもあります。
今回はそんな反抗期について詳しく解説します。
反抗期の意味について正確な知識を持ってお子様に接することで、不安を減らしましょう。

反抗期とは

子どもの発達の過程で反抗期は2回あるとされています。
最初の反抗期は第一反抗期と言われる幼児期に現れるもので、自分でやりたい、という自主性が芽生えたことによって起こる、いわゆる「いやいや」が始まる時期のことです。

そして、小学校高学年から表れ、思春期と言われる中学生でピークを迎えるとされるのが第二反抗期です。

反抗期というのは、人間が乳幼児から大人へと心が成長していく発達の段階に現れるものであり、赤ちゃんが寝がえりをしたり歩いたりするなどの身体の成長に個人差があるように、心の発達にも個人差があり、反抗期が現れる時期や態度にも個人差があります。

どちらの場合でも大切なことは、反抗期とは単なる反抗ではなく、自我が芽生え、自分の力で多くのことを乗り越えていこうという「自立心」の現れであり、心が正常に発達し、独立して自分で生きていこうとしていることを表している、ということです。

反抗期=親への反抗ではない

反抗期のお子様を持つ親御さんからよく、「学校では今までと変わらないのに、家庭で親にだけ反抗的になった」という声を聞きます。
実際、学校や塾などで態度として表面に現れる反抗期の現れより、ご家庭よりでの態度の方が顕著であることは多いものです。
その結果、お子様の反抗期を親に対して反抗的な態度を取る時期だと思われている方も多いようです。
しかし、そもそも反抗期とは、誰かに反抗的な態度を取る時期、という意味ではなく、自分を取り囲んでいる全てのものに反抗しても自我を通そうとする気持ちが芽生える、心の発達過程のことなのです。
発達過程における反抗期というのは、決して親に対する反抗ではありません。
それなのに、多くの親御さんが自分たち親に対してだけ反抗的だと感じてしまうのはなぜなのでしょうか?
その理由は大きく2つあります。

1つめの理由は、子どもにとって、一番身近な大人が親だということです。
反抗期の子供は、自立心の芽生えと共に自分の周囲からの声に対して疑問を持つようになります。
周囲の言うことを聞くことに疑問を持つことがないのは、自分で考えることがない、自立心がない証拠と言うこともできます。
しかし、心が成長するにつれ人間は自分のことを考え、自立しようとするようになっていきます。
自分で考えるようになると、今まではなんとも思わなかった周囲からの指示が、本当に正しいのかどうか、その指示に従うことが自分にとって本当に一番の行動なのかを疑うようになります。
こうした周囲からの指示と自分の考えとの違いと示す態度が、子どもによっては反抗的な態度となって現れます。
そして、小学校高学年から中学校の子供にとって、自分に指示を出す対象は保護者であることが圧倒的に多いので、頻度として親にだけ反抗的な態度を取っているように見えるのです。

2つ目の理由は、親に対する子供の甘えです。
成長していくとともに、子供たちを取り巻く周囲の人間は増えていきます。
関わる人間が増えていく中で、子供たちは、それぞれの人と自分とのかかわり方を考えるようになります。
しかし、どのような人と関わったとしても、子供にとって親は一番に信頼できる大好きな存在であることは変わりません。
そうした子供の信頼や愛情は、親に対する甘えという態度で現れます。
そして、子供の甘えには多様な表現があります。
文字通り甘えるという態度になることもあれば、それが八つ当たりという態度になることもあります。
特に、学校など外の世界で一生懸命に真面目に頑張っている子供ほど、外で我慢したり辛かったりしたことを発散するために、甘えられる親に対して八つ当たりする場合が多いと言えるでしょう。
八つ当たりは、決して反抗ではありません。
子供が親に対して心から信頼して愛情を持っていることの証拠です。
子供が突然機嫌が悪かったり、つっかかってきたりすると悩んでしまうとは思いますが、それは親を拒否しているのではなく、反抗期特有の親に対する愛情表現なのです。
そして、家庭で八つ当たりをするのは、子供の自分に対する防衛本能でもあります。
親に八つ当たりをするくらい、外では頑張っていて、それをため込んでいると考えて下さい。
小学校高学年になると身体的にも急激に成長する子供も多くなってきますが、それでも生まれて10年ちょっとしか経っていない、立派な子供です。
まだまだ、ため込んだストレスを発散する方法を知りません。
そのストレス発散が、親に対する八つ当たりという態度になっているのです。

子供が反抗期を迎え、親に対して反抗的な態度を取るようになるのは、決して親に反抗したいからではありません。
指図されてきたことに疑問を持つように、心が成長していることを表しています。
そして、親を心から信頼し、愛情を持っているからこそ、八つ当たりという態度になることもあるのだと認識するようにしましょう。

反抗期の子供に対する接し方

繰り返しになりますが、反抗期とは自我や自立心の芽生えが態度として現れる時期です。
反抗期の子供たちは、一生懸命自立しようとしています。
ですから、反抗期の子供と接する時に一番大切なのは、芽生えてきた自我や自立心を摘み取ってしまわないようにすることです。
赤ちゃんの時から接してきた親にとって、突然、子供が自我を通そうとすることには戸惑いが大きいと思います。
また、親とっては、子供の考えが間違っていると感じることもあるでしょう。
しかし、それは心が正常に成長している証です。
そして、大人にとって間違った考えであっても、子供達にはなぜ間違いなのか、やってみなければ分からないことも多いのです。
危険が伴ったり、他の人に迷惑をかけたりしないことであれば、まずは子どもの意思を最大限尊重しましょう。

また、自立心が芽生えてきた子どもは、親に守られるべき子どもとして扱われることを嫌います。
ですから、子どもと話すときに、自分は親だから、あなたは私の子供なんだから、という表現を避け、「あなたはそう思うかもしれないけれど、私はこう思うよ」というような表現を使い、親も子もそれぞれ個々の人間だという接し方をしましょう。
反抗期に親が自分の考えを尊重してくれることは、子どもにとって大きな今後の生き方の財産となります。
間違っていることであっても頭ごなしに叱らずに、なぜそう思うのかを聞くなどして、お子様の意思を大切にしましょう。

まとめ

日々の子育ての中で、身体的なことや何かができるようになったことで子どもの成長を感じることは多いものですが、心の成長を感じるのはなかなか難しいことです。
そういった意味で、反抗期は子どもの心の成長を感じることが出来る時期なのです。
そして反抗期は、依存して守り守られるだけの親と子という関係から、それぞれ個々の1人の人間として、さらに良い関係へと発展していくことが出来る時期でもあります。
お子様の反抗期をマイナスのものと捉えず、お子様の心の成長を喜び、これからの関係を築くチャンスとし、大切にして下さい。

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