中学受験をするお子さんを、親はどうサポートするべきか
受験をするのはあくまでもお子さんとはいえ、親としては当然できる限りのサポートをしたいと考えるでしょう。
しかし、あまりにも色々と世話を焼こうとするとかえって邪魔になり、時には拒否されることもあるかもしれません。
そうなってしまうと、子供の為を考えてサポートしたつもりが、かえって逆効果ですよね。
中学受験をするお子さんに対して、親ができる適切なサポートとは一体何なのでしょうか?
まずは見守る事が大切
結局受験をするのはお子さんなのですから、親がいくら張り切っていても空回りになりかねません。
だからといって、一切何もしなくていいという訳ではありません。
何よりも大切なのは、“お子さんの頑張りを見守ること”です。
つい口を出したくなってしまうこともあるでしょうが、そこをじっと我慢することが大切なのです。
まずは、これを最優先に考えましょう。
そして、お子さんと接する際に気を付ける点がいくつかあります。
よくありがちなのが、
「頑張りなさい、あなたの将来のためなんだから。」
といった励ましですが、これは実のところ逆効果です。
大切なことは、“お子さんの話を最後まで遮らずに聞く”ということです。
お子さんが何か言いたいことがありそうだったら、自分の意見を挟むのではなく最後までその話を聞いてあげましょう。
会話の間は、決してそれに反論するのではなく、「そうだね。」と相槌を打ちながら同調し、きちんと聞いていることや、否定しないということを示しましょう。
そして、何に悩んでいるのかを聞いたらその解決策を一緒に考えていき、肯定する方向に話を進めていきましょう。
決して、「だって」や「でも」、あるいは「みんなは」といった言葉は挟まないようにしましょう。
また、その意見に対して理解を示して、お子さんが調べたことなどを根拠にしている場合は、きちんと調べていることを評価しましょう。
そして、話しが終わった後にアドバイスや自分の意見などを言うのであれば、まずはお子さんにその許可をもらってから話すようにしましょう。
そのことについて私の考えがあるけど、聞いてみる?といった聞き方をして、あくまでも自分はこう思う、ということを前面に出し、それに従う必要はないことを示しましょう。
中学受験はお子さんの将来に関わることです。
お子さんの人生において、あくまで主役となるのはその本人なので、尊重するべきなのは本人の意見なのです。
考えを聞いて、アドバイスをして、それでも答えが出ないようなら急がせないようにしましょう。
親から急かされると、お子さんはその親の意見を聞かなければいけないのか、という思いを抱いてしまいます。
そうではなく、お子さんが自分でしっかりと考えて、自分の意志で何をどうするのか、はっきりと答えるまで待ってあげてください。
そうして自分の意志を固めることで、受験に対するモチベーションも高まっていくのです。
ただし、本人の意思を重視するとは言っても、無関心とは違います。
自分の好きにしなさい、ではなく、応援するからあなたが思うようにやりなさい、ということなのです。
意思を尊重することと、放任主義は違うということを忘れないでください。
できる範囲でのサポートをする
中学受験においては、時にお子さんよりも親の方が熱心になることがあります。
しかし、熱心になるあまり他のことを放棄してまでサポートする、あるいはお子さんに対して厳しい態度をとるようになることも少なくありません。
しかし、そこまで熱心に応援したとしても、頑張るのはお子さんです。
お子さんにやる気があれば言われなくても頑張るものですし、やる気がなければ、どれだけ勉強をしても効率が悪くなり、成績は思ったほど伸びないでしょう。
親がやるべきことは、お子さんに無理矢理勉強をさせることではありません。
上手に、お子さんのやる気を引き出すことが重要なのです。
そのためには、親の価値観を押し付けることをまずやめましょう。
「難関中学に絶対合格してね」というのは、親の考えです。
ただそれだけを目標にするのではなく、例えばお子さんが将来どんな職業に就きたいのか、どんな大人になりたいのかを聞いてみるところから始めましょう。
そして、お子さんの希望を叶えるなら、どの中学校に進むのが一番いいのかを調べて、それをお子さんに教えてみましょう。
ただ難関中学を目指すのではなく、自分の将来の夢を叶えるにはこの中学校を出た方がいいんだ、ということを意識すれば、自ずと勉強にも熱が入りやすくなります。
小学生のお子さんをあまり追い詰めてしまうと、どこかで無理が生じてしまい、体調を崩したり、受験勉強から逃避したりすることもあります。
こうするべきだ、というのではなく、自分で努力する姿を応援するというスタンスで取り組みましょう。
最近、効果的だといわれているのがリビング学習です。
自室にこもった方が集中できるという人もいるでしょうが、自室での勉強はさぼりへの誘惑も多い環境です。
リビング学習は、人の目につくところでの勉強になるので、さぼろうという気持ちがあまり起こりません。
見張られていると逃げ出したくなるでしょうが、見守られているのであれば悪い環境ではないのです。
ただ、その際はリビングに誰かいなければ意味はありません。
また、リビングでテレビを見たり、ゲームをしたりしていると集中力がそがれてしまうので、絶対ではありませんが控えめにした方がいいでしょう。
ただ、家事をしている音や日常的な音については、それほど気にならないものなのでそこまで神経質になる必要はありません。
ずっと話しているのは問題がありますが、多少の声掛けなども問題はないでしょう。
一緒にリビングで過ごす際は、腰を据えて長編小説を読んでみたり、いっそ資格試験の勉強をしてみたりするのもお勧めです。
それほど音が出ず、お互いに集中できるようなことであればいいでしょう。
何よりも、親がお子さんにしてあげられるサポートとして重要なのが、食事です。
食事が不十分だと頭に栄養が回りにくく、体調も崩しやすくなります。
受験において体調管理は大切なので、バランスがいい食事をしっかりと作ってサポートしていきましょう。
周囲の環境も大切です。
特に受験シーズンの冬が近づいてきたら、部屋を暖かく保つようにして加湿もしっかりとしておきましょう。
ただ、あまり過剰に加湿すると湿気が高過ぎて不快な思いをすることもあり、また温かくし過ぎても体調を崩しやすくなるので、しっかりと加減しましょう。
清潔な部屋というのも、快適に勉強できる条件の一つです。
徹底的にとは言いませんが、掃除は普段よりも少しだけ丁寧に行いましょう。
中学受験において、親ができるのはあくまでサポートです。
無理をすると、親がノイローゼになってしまうこともあるので、無理をしない範囲でお子さんが順調に中学受験へと臨めるように支えていきましょう。
まとめ
高校受験とは違って、中学受験は体験していない人も大勢います。
また、中学受験の経験がある親であっても周囲の環境の違いから、どうしていいのか分からない、ということも少なくありません。
決してお子さんへの押し付けにならないように、サポートを最優先に考えるようにしましょう。
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