中学受験をするお子さんに、親はどう関わっていくべきか
“親”という立場にあるほとんどの方は、これまでの人生の中で高校受験や大学受験などを経験していると思います。
しかし、中学受験に関しては経験がない人も多いのではないのでしょうか。
言うまでもなく、中学受験と高校・大学の受験は全くの別物です。
それでは、中学受験において親はお子さんに対しどう関わっていくべきか考えてみましょう。
中学受験は親子の共同作業
高校受験や大学受験を念頭に置いた場合、受験というのは親のサポートなどもあるものの、結局は自分の頑張りが多くの割合を占めるもの、という印象が強いでしょう。
実際に、その頃は親にあれこれといわれるのを嫌う傾向が高く、自主性に任せて欲しいと感じることも多かったと思います。
しかし、中学受験の場合そうはいきません。
中学受験の場合、親はただ支援して見守るだけではなく、もっと積極的に参加していく必要があるのです。
大学を受験する高校生よりも、高校を受験する中学生は精神的に未成熟であるのが当然です。
しかし、中学を受験する小学生は、さらに未成熟なのです。
その小学生に、受験する際の全てを任せるということは当然できないでしょう。
どんな勉強をすればいいのか、どの塾に通うべきか、また勉強するにあたってはどこに気を付けるべきか、という点まで、親が積極的に介入していくべきなのです。
特に、意外と気付かれないものの大切な点がいくつかあります。
その一つが、座る際の姿勢についてです。
注意しておかなければ、変な癖がついてしまって中々直らないこともあるでしょう。
座る姿勢というのは、勉強の際の集中力に大きく影響します。
集中力が欠けていれば、いくら長い時間をかけて勉強したとしても非常に効率が悪くなってしまいます。
姿勢というのは、日常の生活から矯正していかなければ無意識に崩れてしまうので、普段から気を付けておきましょう。
また、忘れ物を毎回のようにしているお子さんについては、自分で気を付けるようにというだけではなく、家でもチェックしてあげるようにしましょう。
どこに気を付ければ忘れ物をしなくなるのか、理解できていないかもしれないので、忘れ物のチェックシートを作ったり、時間割を毎日確認する癖をつけたりすることで、忘れ物を減らしましょう。
時間の管理も、お子さんには難しいものです。
ただ長々と勉強しているのはやはり集中力の欠如に繋がるため、きちんと勉強する時間と息抜きをする時間のメリハリをつけるようにして、時間を管理してあげてください。
お子さんは体調管理も苦手なことが多いので、親としてはその点も注意しましょう。
特に、夜遅くまで勉強することが増えたり、日中の勉強時間が増えたりしてくるとお子さんの負担も徐々に増えてきます。
そうして弱ってくると、体調を崩しやすくなってくるのです。
小学生に、自分の体調を自分で管理しろというのは難しいものです。
そこは、親が気をまわしておくべきところでしょう。
ただし、風邪を引かないようにと厚着をさせ過ぎて、のぼせてしまったり集中できなくなってしまったりすることもあるので、そのあたりのバランスも考えましょう。
ただし、親が受験勉強に参加するとはいっても、主導しないように気を付けてください。
受験をするのは、あくまでもお子さんが主役です。
当事者として関わるにしても、お子さんを押しのけて前に出ないことを心がけましょう。
お子さんはそれぞれ違うもの
受験を考えた時、親としてお子さんの成績は気になるものでしょう。
しかし、その際の考え方一つでお子さんは熱心に勉強したり、あるいは勉強が嫌になったりするものです。
例えば、よくあるのが他のお子さんと成績を比べてしまうことです。
「隣のクラスの○○くんは100点だったんだから、あなたももっと頑張らないと」というのは、定番でありながら言ってはいけないセリフです。
勉強の進み具合というのは、人によって異なります。
基礎的な問題をどんどん解いていけるものの、応用問題はなかなか解けないというお子さんもいれば、基礎をなかなか解けなかったものの、それを理解したらあっという間に応用問題も解けるようになったというお子さんもいます。
勉強したことの芽が出て花が開く時期というのは人それぞれです。
まだ芽が出ていない状態で、他のお子さんと比較されてしまうと、それ以降はやる気をなくしてしまうことも多いでしょう。
それよりは、本人の過去の状態と比較してあげてください。
前よりも良くなっている、前はこういう問題がダメだったのに今回は解けている、といった事を言われると、確かに勉強の成果が出ていることが実感できるので、やる気アップにもつながりやすくなります。
一般的に、勉強というと反復学習をイメージすることが多いのですが、それよりも大切なのが学習の土台となる思考力や学習力といわれるものです。
これは、図形などの空間認識問題や、応用問題などに大きく関わってきます。
反復学習ばかりをしていると、基礎的な問題はすいすいと解けるのですが、応用問題になるとつまづきやすくなります。
これは、問題文の意味を考えて解く、ということができていないからです。
しかし、思考力が高いお子さんの場合は、単純な問題でも色々と考えてしまうことが多く、基礎的な学習では時間を消費しやすいので成績が伸び悩むことがあります。
その代わり、応用問題などが得意になるのです。
中学受験においては、応用問題が良く出題されます。
そのため、思考力が重要となることが多いので、伸び悩んだ時は基礎を見直すと共に、思考力についてもチェックしてみましょう。
一般的に、思考力というのは小学校3年までの間に成長しやすいと言われています。
そのため、将来的な受験を考えても、それ以前から思考力を鍛えるトレーニングをしておいた方が良いでしょう。
では、4年生以降で受験勉強を始める場合はどうしたらいいのでしょうか?
伸びやすいと言われる時期を過ぎていても、スピードは落ちるもののトレーニングをしていけば、思考力は成長します。
そのため、諦めずに続けていきましょう。
ただし、思考力が必要だからといっても、それが必要となる問題をただ繰り返し解いていくだけではトレーニングになりません。
それはただ、解き方のコツに気付くだけです。
思考力は、様々なことに疑問を持つことから鍛えられていきます。
テキストに載っていないことでも、お子さんが知らないことを親が疑問として投げかけることから始め、自分でも疑問を持ってその答えを見つけられるようにしていきましょう。
お子さんは、それぞれ元々の成長速度も異なれば、成長してきた環境も違うものです。
その中で、他のお子さんと比較するのはあまり良いことではありません。
他のお子さんのことは一旦置いておいて、本人の努力に目を向けてあげるようにしましょう。
まとめ
受験と聞いて、お子さんが頑張るものだと考える親は多いでしょう。
しかし、中学受験の場合はそうとも言い切れず、少なからず親が積極的に関わっていく必要があります。
あまり関わりすぎても自主性を損なうので、加減を見極めるのが必要となるのですが、それでもお子さんが失敗しないようにフォローしながら、2人3脚の気持ちで取り組んで行きましょう。
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